帰りなん、いざ (講談社文庫 し 11-6)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061853973

感想・レビュー・書評

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  • サスペンスなどはあまり好きではないですが、志水氏の作品はサスペンスだけでなく、人間関係がとても興味深く読めます。
    この作品でもいわゆるサスペンスの構成だけを見ると どうかなぁ と思うところもあります。
    でも、文章の表現がとてもきれいなのでスラスラ読めてしまいます。
    作品中でも一組の男女が主人公ですが、二人の心理状態がすごく純粋に表現されています。
    最後の1章の7ページが ホッとさせ、特に最後の3行で よかったなぁと思わせます。
    他の作品も読みたくなる本でした

  • 風景にしても風貌にしても心の中にしても
    描写にうならされます。例えがズバリ過ぎてまるで見えるよう。

    なのですが私の読み取りが甘いのかなあ。
    過去にあったなにかも、何が目的で潜入してるかも、出ないまま進むので
    主人公の立ち位置がよく読み取れず、裏に何かあるのはわかるがどれにもこれにも伏線があるように思え何度も行きつ戻りつ確認しながら読んだ。
    最後の最後でわかるのですが、もう少し理解ができてたらわくわくももっとできたのになと思う。

    関係ないですが、珈琲を丁寧に入れる場面がちょくちょく出ますので、飲みたくなります。これから飲みます。

  • 秩父の山奥の集落を舞台にした田園小説の意匠を纏ったハードボイルド小説か。田園小説とは英国文学が本場なのだが、本書は日本の田舎を舞台にした、故郷小説ともいうべき農耕文化がそこここに挟まれ、日本人の魂の根源を感じさせられる。

    北方領土、海男の厳しい戦いを描いたシミタツがこんな老成した境地にまで達したのかと思うと感慨深いものがある。
    悪徳不動産業者との戦いが軸なのだが終始爽やかで、派手ではないが美味しい緑茶を飲んだような爽快感がある。

  • 日本のミステリーって殆ど読んでなかったのですが、この本で目覚めました。

  • 読んでいる時は面白かったが、読後、心に残るものが少なかった。桃源郷の様な舞台が目に浮かび、そこで繰り広げられた事件。欲望が渦巻くのは都会だけではないのだ。

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著者プロフィール

1936年、高知県生まれ。雑誌のライターなどを経て、81年『飢えて狼』で小説家デビュー。86年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞、91年『行きずりの街』で日本冒険小説協会大賞、2001年『きのうの空』で柴田錬三郎賞を受賞。2007年、初の時代小説『青に候』刊行、以降、『みのたけの春』(2008年 集英社)『つばくろ越え』(2009年 新潮社)『引かれ者でござい蓬莱屋帳外控』(2010年 新潮社)『夜去り川』(2011年 文藝春秋)『待ち伏せ街道 蓬莱屋帳外控』(2011年新潮社)と時代小説の刊行が続く。

「2019年 『疾れ、新蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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