侠骨記 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061856004

感想・レビュー・書評

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  • 春秋時代は難解ですが、宮城谷さんの作品を読んでいるうちに、「あっこの人物は…」と自分の知識がだんだんとついてくる喜びを感じます。
    「布衣の人」が特に良かった。伝説をつなぎあわせて素敵な物語になっている。
    宮城谷氏の「管仲」「天空の舟」を先に読んでおくとより楽しめるのでは。

  • 百里奚の話「買われた宰相」に関心があり読み始めましたが、一番良かったのは伝説の帝舜を描いた「布衣の人」。宮城谷先生の作品らしい爽やかで香気漂う作品でした。

  • 侠骨の意味がわかりました。

  • 中国古代を扱った歴史小説の短編集。

    無数の資料から導き出された、説得力のある説明や推定が、決して物語の流れを損なわないよう注意深く述べられていて、読んでいて心地良い。
    宮城谷昌光の書く人物はいつも魅力的だが、本書のいずれの作品も、やはり爽やかな風韻を感じさせる。

    『布衣の人』の、読み進めていくうちに登場人物が古代史上の誰なのか、明らかになっていく作りもまた小気味よかった。

  • 4061856006 264p 1998・6・26 10刷

  • 2012年11月 01/86

  • ▼本を読んだ理由(きっかけ・動機)
    タイトルの”侠骨”に惹かれ購入。宮城谷晶光氏の本をいずれ読みたいと思っていたこともあったが、何から手をつけるか悩んでいた。

    ▼作品について
    中国古代、春秋時代の人物を描いた短篇集。短編ということもあるので、時代背景を深遠にりかいすることは難しいが、作者独特の視点から描かれているので新鮮である。

    ▼感想を一言
    参考になった

    ▼どんな人におすすめ(気分、状況)
    中国古代の歴史を知りたい(覚えたい)と考えている人。
    特に春秋戦国はたくさんの人が入り乱れるので体系的に覚えづらい。
    『史記』や『春秋左氏伝』とともに読むと参考になるかも。

    ▼作者について
    作家としての腕はストーリー構成、キャラクターの確率、表現力(人物描写含む)が三大要素だと考えているが、その点は司馬遼太郎氏や池波正太郎氏の方が優れており、読みやすい。
    しかし、日本人作家で中国古代にスポットを当てて作品を作ってくれている作家も少ないので、これからも意欲的に作品を発表して欲しいと思う。

    ▼その他
    タイトルに惹かれて購入したが”侠骨”ではない(自分が考える侠骨だが)。

  • 紀元前中国の歴史から採られた四編の短編。
    一つ目は「侠骨記」。
    春秋時代初期、魯国の将となる曹カイを主人公に斉の桓公、管仲などが登場する。
    二つ目は「布衣の人」。
    酷薄な家族の虐待に耐えて、古代の聖王となる俊(虞舜)の話。
    三つ目は「甘棠の人」。
    周王朝建国時、武王に与した召公と太公望が活躍。
    四つ目は「買われた宰相」。
    永い流浪の果て、秦の君臣に五つの羊の皮で買われた百里奚と親友というべき蹇叔の話。

    歴史の本流として取り上げられるこののない、外伝的人物を短編として簡潔にまとめられていて読みやすく、また爽快な気分になりました。

  • 古代中国の偉人の短編集。どの短編集でも、”徳”のある君主であったり、人を許すことのできる大臣といった、人格者が苦難にもめげず何かを達成していく。ある意味マンデラ大統領を彷彿させる。

    中国でもこういう徳があることが大事なんだと今更ながら感じた。今の中国とは全然違うけど。

  • 短編4つ。
    侠骨記(魯国の曹カイ)
    布衣の人(帝舜)
    甘棠の人(太公望と召公)
    買われた宰相(百里渓と蹇叔)

    他の作品を読んでから読むとなおさら面白いが、最初に読むのも解りやすくていいかも。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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