ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983656

感想・レビュー・書評

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  • 読みながら主題がわからないとずっと思っていた.フットワークの軽くテンポのいい文章は読んでいて面白いが,巻末の内田樹の解説を読むまで正直言ってさっぱりわからなかった.
    主題を容易に理解できなかったのは(読解力不足はもちろんだけれど)過激派の時代とあまりにかけ離れていた日々を過ごしてきたからかもしれない.解説を読むまでこうしたことをほとんど理解できないかったことに怖さを覚えた.みんなそうなら,これから危ないのかもしれない.

  • 【目次】
    目次 [003-004]
    東京拘置所における流行について話そう。 [005-010]

    序章 ポルノグラフティー 013
    1章 「すばらしい日本の戦争」 037
    2章 十九世紀市民小説 053
    3章 リアルなものはあらずや? 079
    4章 「気のせいですよ、きっと」 085
    5章 同志T・O〔テータム・オニール〕 101
    6章 愛のレッスン 127
    終章 追憶の一九六〇年代 179
    エピローグ 201

    新潮文庫版あとがき [208]
    著者から読者へ 「文学」など一かけらもない(高橋源一郎) [209-212]
    解説 過激派的外傷あるいは義人とその受難(内田樹) [213-]
    年譜(栗坪良樹) [229-243]
    著者目録(栗坪良樹) [244-247]

  • 面白かったのは間違いない。

    でも何が何のメタファーだとか、何に対するメッセージであるとかは正直わからなかったし、わからなくてもそれでよかったんじゃないか、と思う。
    悪趣味なはずの描写に潜むリリシズムにやられっぱなしで、ところどころ読み返しながらわからないまま面白く読み終えました。

    さようなら、ギャングたちももういちど読みたい

  • 真面目な顔で放たれる冗談……いや、逆かな。冗談じみて投げられた真面目さ。わからないけどとにかく、この本は「ジョン・レノン対火星人」だった。ジョン・レノンも火星人も出てこないけれど。

  • 2015/1/30

  • タイトルは内容とまったく関係ない。タイトルに興味を引かれて読んだのに、中身はなんかいかにもな実験小説だった。セックスと暴力を描けば現代的という発想、正直こういう本を読むのはしんどい。

  • これは良いポルノグラフィー。ヴァージンを奪われたアリスちゃんが印象的。
    満足度6

  • 81点。高橋源一郎への耐性ができたからか面白かった。初回読了時の個人的満足度を点数化しているものの前回読んだ『さようなら、ギャングたち』も、もうちょい点数高くて良かったのかなって思っちゃったくらい。読み直す気はないけど。
    基本的な感想は『さようなら~』と変わらないけど、マルクス主義に代わる世界思想であるポストモダン的言説は脱体系的であるがゆえ、おふざけっぽくもうつる。それが旧来の絶対的な「正しさ」に対抗するための、差異と多様性の思想と呼ばれる所以だが、徹底的に相対化するからこそ、〈自分で言ってること〉も信頼してないふしがある。内的な自由って何よ、みたいな。
    この小説は作者自身のことを語っているかのような始まり方をするためか私小説とも言われるけれど結局は非現実的なものと混ざりあうので私小説だと思って理解しようとしてもできない、と思う。少なくとも自分には。全共闘世代の人にはどうかわからないが。
    自己を語るその行為もフィクションというのは韜晦ではなく、寧ろ小説に対するこだわりであり、謙虚な言葉に対する姿勢であり、旧来の大きな物語に対する挑戦である。
    パロディともパスティーシュともとれる要素が散りばめられた作品。小説ってすごいのう、と改めて感じた。

  • いかにもあの時代にあのカテゴリーにいた人が書いた文章って感じ。

    あの時代にこういう作品が発表されたっていうこと自体に価値があるんだろうけれど、時を経ても読み継がれていくべき普遍的なテーマを持つ作品かというと甚だ疑問。

    節々に垣間見える才気の断片から、生まれた瞬間に放った輝きはものすごいものだったんだろうと想像できるけど、今読んでも当時放っていたんであろう輝きを本当の意味で感じることはできない。んだと思う。

  • 何度も読んだ。

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著者プロフィール

作家・元明治学院大学教授

「2020年 『弱さの研究ー弱さで読み解くコロナの時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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