回転木馬のデッド・ヒート

著者 :
  • 講談社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062018395

感想・レビュー・書評

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  • これは小説ではなく
    世にも奇妙な実話集。

    村上さんが直接聞いた
    不思議な話を集めた一冊。

    年明けによんだ東京きたんの
    ような雰囲気でなかなか
    面白く興味深い内容と
    なっています。

    全体を通しでマルっと
    読み返すのは実に久しぶり
    でしたが、ここに収録されている
    「嘔吐1979」は好きで
    なんとなく気が向いたときに
    何度も読んでいたのですが
    やっぱり面白く読んでしまいました。

    何度読んでも面白い
    世にも奇妙な実話集。



    読むのにかかった時間:3時間

    こんな方にオススメ:ちょっと不思議な体験をお持ちの方

  • それぞれの話の中に人生の陰が見えかくれする。良かった。

    ※1998年再読

    ★再読―――――――――――――――――――――――――――

    乳の海/藤原新也

    11 現代のアイドル像、マザコン少年、学園都市などをつむぎ合わせ、管理社会の実態を暴きだす。

  • 村上春樹の短編集。どちらかというと私は村上春樹は長編ではなく短編のほうが好きだ。「タクシーに乗った男」は『まだこれから先何かをそこから得ることができるはずだ』という希望も内包したメッセージ。
    「人は何かを消し去ることはできない、消え去ることを待つしかない」というフレーズは何故か心の奥に残った。

  • 村上 春樹の【回転木馬のデッド・ヒート】を読んだ。

    9つの短編からなる作品である。初版は1985年なので、これまた随分古い本であるが内容は2009

    年に読んでも全然古臭くなどない。

    村上春樹は【カンガルー日和】の中での作品は「小説のようなもの」と表現していたが、この【回転木馬

    のデッド・ヒート】では「ここに収められた文章を小説と呼ぶことについて、僕にはいささかの抵抗があ

    る。もっとはっきり言えば、これは正確な意味での小説ではない」と断言している風変わりな作品集だ。

    つまりこれはこういう事である。【回転木馬のデッド・ヒート】に収められた文章は村上春樹が小説を書

    くために走り書きしたネタであり、他人から聞いた話を若干の脚色を加えてはいるがほぼそのまま書きな

    ぐった文章の集まりだというのだ。

    「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるように、ここに収められたネタはドキドキするようなスリ

    ルはないが、我々の生活と隣り合わせにあるのだろう摩訶不思議な世界観を醸し出す。

    身近にこういう不思議な空間をもつ人物がいて、そういう話が耳に入るという事実が、村上春樹が村上春

    樹である由縁でもあるのかも知れない。

    ドイツに旅行に行き、夫へのお土産を買う30分の間になぜか離婚を決意した妻の話「レーダーホーゼ

    ン」、名も無い画家が書いた不思議な絵を持っていた画廊オーナーの話「タクシーに乗った男」、とにか

    く友人、知人の妻と寝るのが趣味で原因不明の嘔吐が40日間続いた男の話「嘔吐1979」、ストーカ

    ー的に同級生の部屋を望遠鏡で覗き続ける男の話「野球場」などたしかにそのまま小説にするには物足り

    ないが、事実として受け止めるならかなり衝撃的な話が次々と出てくる。

    そういう話題に対して「僕」(村上春樹)が思ったり言ったりしたこともなかなか面白い。

    小説家ってこういう思考の構造してるのかと、思わず唸ってしまう。

    本来なら世に出ることのなかった、いわゆるネタ帳がこういう形で日の目を見るということに村上春樹自

    信も戸惑いつつもこうするしか方法がなかったと語っているところが彼らしくていい。

    彼自信はどちらかと言うと自分の話をするよりも他人の話を聞いているほうが好きだと言い、そしてこう

    いう話をされる事が不思議と多いと言う。

    しかし、そういう能力(他人の話を面白く聞ける能力)が小説家として具体的に何かの役にたっているか

    と言えばけしてそういう事はないと言う。

    だが、僕からしてみればそういう話が身近にある、またはそういう話の中に何かを見出せるということが

    村上春樹の凄さや強みであるのではないか、と、この不思議な9つの事実を読んでいて思うのだった。

    村上ワールドの原点を垣間見たような気がして少し得をした気分になる作品集だった。

  • 短編ね。

  • 小説かと思いきや、ほぼノンフィクションな内容だった。

    この人の作品は言い回しが難しくて、読むのに頭を使う。それが楽しかったりする。
    いきなり吐き出した男、夫に愛情をなくした妻、絵の中の男を現実で見てしまった女。

    近くにいそうで、でも少しおかしな人たちの本当に起こったストーリー。

    あたしも人生の中にこんな風な奇妙な体験をしてみたい。

  • ○2008/11/17 
    話自体は面白かったんだけど、前フリの文章とか、なんか全体的にくどいかなぁ、という感じ。最近やけに村上さんの文章が鼻につく。村上さんの短編集が合わないのか…。話に入り込めさえすれば気にはならないんだけど、これは常に頭の片隅に序章の文が残ってたからか。
    でも話の内容自体はほんとに、フィクションのような要素も含みつつ現実を打ち出しながら進むので面白い。どのあたりにちょっとした脚色を入れてるんだろうか?なんて考えてみるのも楽しいかも。

  • 不思議な話。

    「タクシーに乗った男」とか「嘔吐1979」とか。
    ありえない話ばかりだけど、その一つ一つに見える片鱗は誰もが経験しそうな感覚だったり。

    たまにはこういうのも。

  • 不思議な話。

    「タクシーに乗った男」とか「嘔吐1979」とか。
    ありえない話ばかりだけど、その一つ一つに見える片鱗は誰もが経験しそうな感覚だったり。

    たまにはこういうのも。

  • 短編集であり、ノンフィクションです。しかし、選ばれた話はどれも「え?これ本当にあったの??」というものばかりであり、小説として書かれているものと遜色は感じられませんでした。話自体もおもしろかったのですが、ノンフィクションの書き方にもけっこう目が行ってしまいました。これはブログに活かせる・・・!!

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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