- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062083751
作品紹介・あらすじ
いつ、終わってしまったんだろう?
絵空事みたいにしあわせだった子供の時間。
3つのピアノ曲からうまれでた 物語のワルツ。
13歳・14歳・15歳――。季節はふいに終わり、もう2度とはじまらない。シューマン<子供の情景>/バッハ<ゴルドベルク変奏曲>/サティ<童話音楽の献立表(メニュー)>3つのピアノ曲の調べから、きらめくような「あのころ」に語りかける3つの物語がうまれた……。
一時期、とてもひまで、時間だけがたっぷりとあり、その時間を有効につかおうという気分でもなく、ただ下手なピアノばかり弾いて暮らしていたことがあります。ピアノにはじまりピアノに終わり、明日もピアノだと思いながら眠るような毎日でした。
そうした日々のなかでふと、ピアノにちなんだものが書けたらどんなに楽しいだろう、と思いたったのがこの本のはじまりです。……(中略)…
結果はごらんのとおり、「3つのピアノ曲をもとにした3つの物語」となりました。――「あとがき」から
感想・レビュー・書評
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アーモンド入りチョコレートのワルツという不思議なタイトルはピアノ曲だったんだと本を読んで分かりました。小学生から中学生ぐらいの年の人がでてきてすらすらやむことが出来たし何より面白かった。
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ピアノ曲にまつわる短篇が3篇収録されています。
思春期のなんとも言えない感情を優しく描いているのが森さんの文章のすごいところだと思います。
今作は音楽の要素も手伝って、そんな体験はしていないのに、夢見心地のような懐かしさを感じました。
表題作が1番好きでした。生徒も先生もとても自由なピアノ教室が舞台なのですが、現実に縛られないで生きる強さと苦しさともどかしさがギュッと詰め込まれていました。 -
初・森絵都さん。
音楽にまつわる物語が3編。音楽に詳しくない私にはちょっとわからない部分もあった。十三歳から十五歳のちょっと複雑な気持ちはよく書かれていたと思う。 -
3つのピアノ曲にちなんだ短編集。サティ以外は弾いたことがあるのでCDかけながら、思い出しながら読んでみました。曲にリンクさせて物語を書くのは難しいんだろうと思います。森さん自身も後書きで仰っていますが。曲に直接リンクしているのではなく、その曲が出てくる物語、私はそう感じました。優しい文体。思春期のほろ苦かったり、楽しかったり、ドキドキしたりするあの感覚。とうに過ぎ去った昔の事ではありますが、ぼんやりと思い出すことが出来ました♪
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小学校以来にハードカバーの本を予約して再読。
三つのピアノ曲をテーマに書かれた短編集。
こういう人と人との不協和音の感じ、あるなあ、わかるなあと思う。具体的にと言われると思い出せないが、似たようなエピソードに心当たりがあるのだろうな。何となく後ろめたい気持ちも感じながら読み切った。作品の題材となっているそれぞれのピアノ曲も素敵なのでおすすめ。 -
「学校なんかクソおもしろくなくて、家なんてもうクソクソで、それでもあたしがもどってきたのはな、こっちには木曜日の夜があるからなんだ。[...] どんなに最悪のときだってさ、木曜日だけはいい気分で、楽しくって、なんかこう、きらきらしてたよなあ」(198ページ)
大人じゃないから、苦労がないなんて到底言えない子供の世界。
子供でも、子供なりの葛藤や苦しみがある。
そんな中でも、『いい気分で、楽しくって、きらきらしてる』瞬間は必ずある。
そんな場所を知っている子供たちの話。
そんな場所を作りたい、と思わせる物語り。 -
自分が中学生の頃から何十回も読み直している本。
大人になっても色々感じられる。
表題作が一番好き -
十三歳・十四歳・十五歳--。季節はふいに終わり、もう二度とはじまらない。
シューマン〈子供の情景〉バッハ〈ゴルドベルグ変奏曲〉サティ〈童話音楽の献立表〉
三つのピアノ曲の調べから、きらめくような「あのころ」に語りかける三つの物語がうまれた……。路傍の石文学賞受賞作。
装画・本文挿画 / いせ ひでこ -
安定の絵都ワールド♪
やっぱ素敵。