不発弾

著者 :
  • 講談社
3.12
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本棚登録 : 79
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062094030

感想・レビュー・書評

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  • 5つの短編集。
    ・かくし味
    ・夜明け前の道
    ・夕立
    ・福の神
    ・不発弾
    ・幽霊

    心温まるプラスなものもあれば、最後にヒヤットするマイナスなストーリーも。

    「不発弾」が一番良かったです。
    衝動的な事件というのは、こういう何気ない日常の不満から生まれてくるものかもしれません。

    乃南さんの短編はまとまりがあり、かつ、グッと引き寄せる短距離走みたいな魅力がありますね。

  • (収録作品)夜明け前の道/幽霊/不発弾/夕立/かくし味/福の神

  • さまざまな人生模様を描く短編ミステリー6作。
    《かくし味》老夫婦で営む行列お断りの、老舗の居酒屋「みの吉」何時も常連で満席になり煮込みがうまいと有名だった。ある日から常連になった俺は、煮込みを毎日のように通い食べるが、常連の客が急逝し気になる噂を耳にする、「『みの吉』さんの客は葬式が多いって?早死にする?」居心地の良い家庭的な店の「かくし味」とは……。
    《夜明け前の道》我儘な客に耐えていたタクシードライバーは、ついに堪忍袋の緒が切れ客を夜中の道で追い出す、首を覚悟した最後のつもりで拾った客が……
    《夕立》女子高生の千紗は、電車で痴漢に遭い警察に突き出すと、相手は学校の教頭だった。ところがその真相は女子高生コンビの稼業の罠だった……。
    《福の神》小料理屋「茜」を営む女将妙子は、常連だが好きでない客がいたが店で客同士の諍いが有り、急にこなくなり気にしていたが……。⇒《不発弾》デパートマンの智明は人事異動で地味な職場に移動し不満を抱えた上に、家庭は子供の非行と居場所が無くなる……。
    《幽霊》閑職に追いやられたテレビ局制作部のベテランプロデューサーの話。
    ぞくっとする話が続くが、福の神の終盤、女将と客のつながりが明らかになりジーンときて感動した。

  • 1999年8月読了。

  • ミステリー系短編集。
    ぞーっとするようなミステリーの中に「福の神」や「幽霊」みたいなちょっとジンとくる話も混ざりつつ、どれも引き込まれた。
    おっさんを痴漢に仕立て上げる女子高生のお話、「夕立ち」が一番インパクトがあった。
    「かくし味」はちょっと途中読めてしまったかな。

  • 短編集。表題作の『不発弾』が印象的。育児は全て妻任せの男が、息子の非行や娘の外泊、妻の甘やかしぶりを目にして、これではいけないと、自分もなにかしなければと思うのだけど…。ちょっとほろっとくる『福の神』や子供の残忍さがサスペンスの『夕立』他、すぐ近くであってもおかしくないテーマ多彩な物語。感情移入して読む感じではなく、短かい空き時間にちょこちょこ読むのに最適。

  • 短編集って手軽に読めるけど、本当は長編のほうが好き。でも、それぞれの話にきっちり落ちがあってよかった。題名の不発弾はう〜ん、爆発してしまいたかった・・・


  • 誰しも、心の中に不発弾を持っている訳で
    それを爆発させないように、色々感情を押さえ込んでるのですが<br>
    それでもやっぱり爆発しちゃいますよね<br>
    我慢にも限度があると言うか・・・・<br>
    そういう人々の短編集でした。<br><br>

    中でもわたしは「幽霊」が好きです。<br>
    一度は帯番組のプロデューサーだった男性が<br>
    アシスタントに足下をすくわれ、今はいわゆる窓際族<br>
    もう、人生「幽霊」のように姿無く生きるだけだとあきらめかけた時に<br>
    ある誘いをされて・・・・・<br>
    という話。<br>
    この男性の「不発弾」はいつか上司にやってみたいと思う「爆弾」<br>
    痛快さに、思わずガッツポーズをしたくなる<br>
    そんなお話でした。<br><br>

    ストレス解消にはいい本かも知れません(^^v<br>

  • 乃南アサの中ではイマイチでした。微妙なハッピーエンドが多かったからかな?でも物語の持っていきかたの上手さは相変わらずです。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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