聖の青春

著者 :
  • 講談社
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感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062100083

感想・レビュー・書評

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  • 涙がとまらなかった。
    体を病魔に蝕まれつつも、勝負への執念を捨てない気迫。

  • ネフローゼ、そして膀胱ガンという難病を抱えながらも、ただ名人になることだけを目標に、信念を貫き通した棋士・村山聖。
    将棋に詳しくない人でも彼の熱い心は心は伝わるはずである。
    一歩間違えば、わがままと捉えられるほど、自分の考えを決して曲げることはしない。
    時には怒りをぶちまけ、暴れ狂う。
    それでも彼が将棋仲間、師匠、家族、周りの誰からも愛された理由をぜひこの本で堪能していただきたい。

  • 大崎さんとの始めて出会い。
    将棋の世界、棋士たちの動向、表情がすきなので読みやすかった。
    村山さんのことも雑誌や新聞で見聞きしていたけど
    より深く知ることができた。

  • 私は全く将棋界について知らなかったのですが、村山聖という一人の青年を通して、将棋の世界というものを非常に興味深く垣間見ることができました。村山聖の生涯が生き生きと書かれており、作者の彼に対する深い愛情が感じられる本です。

  • 大崎善生が作家としてデビューすることになったキッカケ、伝説の棋士・村山聖の生涯を描いたノンフィクション。
    幼少からネフローゼという不治の病と戦い続け、29歳の生涯を生き抜いた天才棋士の伝記。
    難病に苦しみながらも、当時7冠を誇る天才・羽生と五分に渡りあうほどの実力を誇った・村山聖。
    その将棋に全精力を傾け続ける姿には本当に感動した。
    ノンフィクションというものは、最終的な結果が分かっていることが多く、そこに至るまでの過程が記されている。
    それだけに、周囲の大きな愛を受け、名人になるために全身全霊を懸けるその姿が本当に心に沁みる。
    最後の方は、ずーっと泣きっぱなしでした。ナイスノンフィクション!!

  • 家を整理していたら出てきたので再読。ビッグコミックに漫画が連載されていたので,この本を知りました。短い人生を将棋にかけた棋士の実話です。最後まで将棋のことを考え続けた主人公の生き方には圧倒されます。文章も明快で読みやすいです。自分もがんばらないとという気分になる本です。

  • 泣けます!
    天才物語。
    闘病物語。
    純粋さに、心打たれます。

  • 29歳の若さで亡くなった天才と呼ばれた棋士がいた。村山聖(さとし)さんという人だ。

    私は全く知らなかったけど、将棋の世界では有名な人で「魂を削るような棋譜を残して駆け抜けていった」人だったらしい。

    そんな村山棋士には夢が2つあったらしい。1つは「名人になって将棋をやめてのんびりと暮らすこと」。そしてもう一つは「素敵な恋をして結婚すること」・・・だった。

    でも結局両方とも叶わないまま名人位あと一歩のA級在位のままその生涯を閉じてしまった。死因は膀胱(ぼうこう)ガンであった。

    村山聖棋士は、小さい頃からネフローゼという重い病を持病として持っていた。でももし、重い病気を持ってなかったら名人になれていたのかというと、病気との戦いがあって棋士として強くなっていたんだろうと思うし、これほどまでに純度の高い人生を送ることはなかったと思う。

    人の生き方というのはよく「何をしたか」ということで評論されたり、記録されているように思う。だけど本当は「どんな夢を持っていたか」ということが一番大事なことはなんじゃないだろうか?何を目指し、何を夢見て何を見てどんな風に感じ、何に夢中になって、どんな失敗をして、誰に恋して、どんな夢に破れて・・・。成功だけが人生のすべてじゃないように、失敗だけも人生の全てじゃない。そう思う。

    それにしても、29年という生涯の記録はあまりに永く、そしてなんて儚いのだろうか・・・。

  • 負けないこととか勝ちにこだわること、人を大切にすること、目標のために自分を削ぎ落とすこと、当時の私にたりない物をたくさんくれた作品です。今でも負けそうなときやサボってるときに読むと奮い立たされます。

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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