All Small Things

著者 :
  • 講談社
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感想 : 114
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062122641

感想・レビュー・書評

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  • 何かって人に話す程じゃないけど心に残っている出来事って確かに本質って感じがする。
    恋愛だけじゃなくて友人や家族間でもあって、それは自分にとっては印象深くても、同じこと経験した他者はまた別の捉え方していたりする。
    どんな風に覚えているかでその時の自分の感情に気づいたりすることもあると思うし…とにかく読んでいてとっても楽しめました。



  • 「恋人と過ごしたどんな時間が、心に残っているのか。」

    それが
    片思いの相手との帰り道であったり
    不倫相手とのごはんの時間だったり
    デートコースを考える一人の時間だったり

    誰にでもあるもんなんだなぁ、不思議と、必ず。

    それが、他人からみればしょーもないことでも。

    そんな、自分自身の大切なものを思い出させてくれる、良作。

    ストーリーの仕組みにも、ニヤリ。

  • 恋愛と思い出を振り返った時に、印象に残ってることってほんと些細なことなんだよな。恋愛の小さな、でもなんだか幸せになるような思い出を垣間見させてもらえたような、作品。私も自分の過去の恋愛について思い返しちゃった。

  • 恋人との付き合い方にもの足りなさを感じているカヤノが、友人に印象に残っているデートについて訊き、その友人が結婚相手にデートについて訊き、という具合に繋がっていく。

    付き合い方は様々だ。ドラマっぽいことをしている人たちなんてほぼほぼいなくて、それぞれの生活のなかで恋愛している。
    午後二時に千葉駅で待ち合わせて六時半から新宿でライブを観るデートの際、午前七時に家を出て電車に乗って新宿のライブハウスへの道を下見してから千葉に引き返した、という思い出を披露する田口さんのエピソードがとてもよかった。いかにも十六歳っぽい。

    読者百人が「心に残る恋人との時間」について書いているコーナーは、雑誌『東京グラフィティ』みたいでいいなと思った。
    もう何年も読んでないなあ、東京グラフィティ。ビレバンに通っていたころはよく読んでたけど。

  • 読み終わった時、ろうそくにポッと火がつくような、そんな暖かい気持ちになれます。
    印象に残っているデートというお題で綴られていますが、恋愛のだけでなく家族との思い出だったり、些細なことだけど本人にとっての人生の1ページ。
    この本のタイトルのAll Small Things にはそういった意味を含んでいるのでは?としみじみ思います。

  • どこかの書評集で気になったから、だったか。登場する人から人へ連なっていく、連作短編集。薄い本だし行間も多いし、短時間で読んでしまえるんだけど、内容はなかなか。恋愛ものは基本的に得意じゃないんだけど、これだけサラッと書いてもらえると、清々しくて良い。個人的に一番気に入ったのは、14歳になった娘と、離婚で離れてしまった父親との気まずいデート。やっぱりこういうの、自分と合わせて考えてしまいます。

  • 印象に残っているデート……
    たしかに、本書に出てくる人物たちのように、
    巻末に寄せられた読者の投稿のように、
    私も日常を切り取ったような記憶が多い。
    たいそうなデートももちろん覚えている。
    でも多幸感と同時に思い出されるのは
    いつだって、近所を歩いたことや
    部屋で一気に食べた朝ごはんのこと。
    大恋愛みたいなものに憧れや幻想もあるのかな。
    みんな、どんなデートをしているのだろう。

  • (2020/1/4読了)
    その人が、今まで一番印象に残っている「デート」「恋」を軸にした連作短編集。
    恋とは言えない間柄だったり、劇的に素晴らしいものではないけど、温かい気持ちで共感できる。
    角田さんの角書きにも、=ふつうの、日常のひとこまのような、雑事に埋もれてしまいそうな、小さないとしい時間=とある。そう、そうなのです。この感情を言葉に変えられる角田さんはすごいなぁと、物語とは別のところで感動!
    「あなたの場合、恋人と過ごしたとんな時間が心に残ってる?」として、一番記憶に残っているデートの思い出を読者から募り、100紹介されてます。なんだか、みんな自分が主人公、自分に酔ってるなぁと横目で見てしまう私の一番は、絞り込めません。

  • 切なく、痛く、優しく、かわいかったです。

  • 122:特別なできごとなど何もない、と恋人と過ごす時間を評する長谷川カヤノ。彼女の「今までで一番印象に残っているデートって、どんなの?」という問いかけと、それに答えるようにして物語が展開してゆく、連作短編集。人を好きになる、好きでいることの幸せがいっぱいにつまった素敵な本。作中で描かれるのはどれもささやかで、特別なドラマなど何一つないかもしれない。けれど、平凡であることは悪いことじゃなくて、平凡だからこそ物語のひとつひとつが輝きを放つ。そんなふうに思います。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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