アフターダーク

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062125369

感想・レビュー・書評

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  • 生まれ持った感性、周囲の環境や風潮、生まれてから見たもの、聞いたもの、触れたものは人それぞれ。そして各々が無意識に「姉」や「妹」という「役」を演じる。こうして『がらっと色合いの違う人格』が生み出され、別々の人生を歩むのではないだろうか。

  • 一気に読み終わるので、筆致は好きなんだと思う。読んでる最中の世界観も嫌いではない。でも、毎回読了感に悩まされる。2004年になにも思って筆者はこの作品を書いたんだろう。世紀末からの夜明けを表現したかったのかしら??いずれにせよ、何か通り過ぎていった。。

  • 春樹の作品にしては陳腐な言葉が目立って幻滅してしまった。

  • 誰も着眼しないようなモノ?概念のようなものに生を与え、かつ組織があるような描き方に衝撃と、もう一つページをめくる手を止めなかった要因が展開が見えなすぎたこと。希望的観測がギリギリで叶わなかった!!
    1晩で読んでしまった…。おもしろかった!
    読み終わった後の余韻も心地よい。
    まさに深く暗い夜が明けた感じです。

  • いやー分からなかったわ。
    分からないのは自分の落ち度として評価なし。

  • ちょっとよく分からなかった…

  • 深夜のお話。謎ばかりで思考停止。でも朝は来る。

  • 何らかの落ちのない話。
    マリと高橋のやりとりは面白かった。若い2人が知り合って、いろいろあって、これからどうなるのかというところ。マリの姉・エリについても、これからどうなるのか。落ちはない。希望らしきものはある。それぞれに。中盤から出てきた白川とは何者なのか。これも落ちはない。ラブホテル・アルファヴィル、マネージャーのカオルと、従業員のコムギ、コオロギ、独特の良い味。

  • 2016.3.25
    村上春樹は、ノルウェイの森を読み、おもしろい、もっと読んでみたいと思っていた。最近、ジャズにハマり、カーティスフラーのFive spot after darkを借りた。この小説のアフターダークとはここからとっているらしいと知り、読んでみよう、と。面白かった、けど、何が何やらわからない部分、しかしわからないながらも何かを感じている自分がいる。彼の作品は10代から20代にかけての人を主人公にすることが多いのだろうか。たしかに振り返ってみると、まさによく言われるように多感な時期、というものだったと思う。今以上に、そこは混沌としていて、ごった混ぜで、いろんなものがあった。全く理路整然としていなく、しかもそこから漂う気配というか臭気というか、そういうものもかなり強かった。それと同時に、それを認識する理性がなかった。意識がなかった。そこには見る私はいなかった。私の内なるそれと、それを見る私と、私自身という三段構造ではなく、私の内なるそれと、私自身というダイレクトな関係だったように思う。混沌を解釈によって理路整然とする意識とか理性とかいう作用は未熟で、故にダイレクトに漂うその気配にモロに振り回されていた気もする。今はいくらか落ち着いている。意識も理性もある。その分、あのいきいきとした内なるものの実感も遠のいた気もする。そんな自分の過去を考えながら、あのわけのわからなさを考えながら読んだ。彼の小説は青年期のアイデンティティを題材にしてるのだろうか。私が私であることの確信が成立する前の、不安定さというものを、その不安定さ故の不安定な生き方を題材にしてるのだろうか。作中気になったことは、ひとつは、もちろんなのだがあの顔のない男である。結局、なんだったのだろうか。他にも、マリも白川も、鏡の前で何かを待って、その残像が残る、というような記述もある。鏡の向こうとこちら、テレビの向こうとこちら、ここに何があるのだろうか。そして、隠喩的なセリフ、逃げられない。わたしたちからは逃げられない。それはなんだろうか。何から逃げられないのだろうか。マリとエリと白川に共通していることは、なんだろうか。デスクワークに向かう真面目なサラリーマンの一面ながら、娼婦を殴り飛ばす白川を考えると、この三者は三様に、自分の核みたいなものが揺らいでいる人間の気がする。そして夜とは、その揺らぎを、その振幅を強める時間なのではないだろうか。そういう経験はないだろうか。夜更かしをして、部屋にいるなり、散歩するなり、なんかそれまでの生活が、日常が、当たり前の世界観が、揺らぐような感覚、まさに異界にいるような感覚。「夜の闇のいちばん深い部分は既に過ぎ去ってしまったのだ。でも本当にそうだろうか?」そして「逃げられない」。夜は、我々の安定性を、当たり前を、世界観を、自己確信を、揺らがせる異界なのかもしれない。しかし、故にだからこそ、私は夜が好きだったりもするわけで。夜という一種の異界の時間を生きる人々を通して、人間の内面の混沌とした様、不安定性、人との出会いなどを描いた作品。夜というものに対する見方が変わる。

  • 海辺のカフカで村上作品デビューし、全くのちんぷんかんぷんで、以来、村上作品にはまったく手が伸びなかったんです。
    しかも「本は読まないなー。あっでも村上春樹は好きだよ。」って人が多い(ような気がする)上に、「俺、案外イケる口なんで(ドヤ顔)。」みたいな空気を感じ、分かる人には分かるオーラが鼻についちゃって、ものすごく足が遠のいてたのです。
    でも、世間の異常なほどの春樹熱を見てると、そんなにみんなが面白いと言ってるものが分からないって、なんかみんなずるい!悔しい!と思ってしまって(ちなみにスターウォーズにも全く同じこと思ってるところです)。
    ようやくようやく、再チャレンジしてみようと。

    すると、なんとまあ、なかなかおもしろかったのです。すいすい読めてしまった。しかも、もっと読んでみたいとさえ思っている。驚き!
    いや、でも、海辺のカフカを読んだ頃の私が読んだら、たぶん、やっぱりつまんなかったと思う。
    自分の好みとか、マイブームとか、自分が一番よくわかってるし。
    なんか、大人になったな〜って思った。だいぶ前に成人してるけどね。
    これだけ語っておいてなんですが、中身については、語りません。知ったか感が出ちゃう気がして、恥ずかしいので。笑
    まだまだですね。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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