酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 372
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062127639

作品紹介・あらすじ

イギリスとアイルランドには行きたい。だが、飛行機には乗りたくない。恩田陸、初のエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • エッセイ。
    これは紀行文である、という最初の一文をしばしば忘れてしまうぐらい著者の物思いの部分が多くて、それがまた面白かった。
    旅の日程が決まって飛行機に乗る前から機内、イギリスまで読んでも、あまり旅を味わった気がしない。代わりに、物語を作る人ってこんなことを考えているのか、というのが興味深い。
    後半、アイルランドではその土地の雰囲気をたくさん感じられて、紀行文だという印象を強くした。
    しかし読み終えて一番に思ったのは、インドビールを飲んでみたいということだ。

  • 恩田陸のエッセイ。
    飛行機嫌いの著者が意を決してイギリス・アイルランドへ飛び立つ。観光の様子も面白いが、何より飛行機の恐怖を打ち消そうと色々な妄想や思案をくり広げる描写がおもしろい。
    勉強の合間のいい気分転換になった。
    恩田さんの本に対する愛情がすごく伝わってくる一品。

  • 飛行機に乗る前の恐怖、乗っている最中の恐怖につくづく共感する。ついに誰かが文字に起こしてくれた!という気持ちになった。

    この取材が後の作品たちのイメージの一部になるんだなぁ。

  • (文庫版を読了)
    本当によくお酒飲むしご飯食べる。清々しいくらいだ。
    挿絵の喜びの図と絶望の図が面白い。挿絵の挟まるタイミングは個人的にはソフトカバー版?のほうが好きかな。
    飛行機が嫌いな人の気分を仔細に知ることができる、ある意味貴重な資料かもしれない。

  • 読みやすかった。
    飛行機は何で 飛べるのかは 本当に不思議。

  • 飛行機こわいよね

  • イギリスに行きながら読んだ。

  • 飛行機嫌いの作者の旅行記

    読み進めても中々日本から出ていかないのが笑える。

  • まともに中身を信じていくと、現地ではけっこう違っていることがあると言う説のある、老舗旅行ガイドそっくりの装丁に興味を引かれて読んでみました。あ、史上初の本屋大賞と直木賞ダブル受賞者でもありますね。

    まず思ったのは「この人、飲んべえ(笑)」。いやぁ、羨ましい。青森出身なんで日本酒党かと思いきや、そうではなくてビール党でしたが。

    あと、真面目に思ったのは、やっぱり作家って、頭の中にいろんなものが詰まっているんだなと。日常光景で、なぜあそこまでおもしろい事が思い付くんだ。いや、凄い。

    恩田陸、青春小説的な作品が多いですが、本人は全然違う、おもろいおばちゃんであることがよくわかりました。

  • イギリスとアイルランドということで、恩田さんだしおもしろそう!と思って手に取った一冊。
    でも、なぜか、、、
    おもしろく感じられず…
    何でかはいまでもわからない^^;

  • 恩田さん飛行機が本当に嫌いなんだなぁという本でした(笑)
    ファンタジー要素の強い作風の著者がどうやって物語の構想を思い浮かべてるのかというのが少しわかった描写の部分が印象的でした。あとは飛行機がひたすら怖いと言ってる部分!笑
    飛行機に乗る時は本を持ち込まなきゃと思い出させてくれる一冊。

  • とてつもなく飛行機が嫌いな筆者の、初めての海外旅行を綴ったエッセイ。飛行機の恐怖から逃れるために思考を巡らす内容が悲しくもおかしい。旅行先のイギリス、アイルランドについてはそんなに詳しく紹介しているわけではないけれど、筆者がその土地から何をイメージとして受け取ったかが詳しく分かります。そしてそれをどんな作品に繋げていくかが楽しみ。今までこの方の作品を読んだことがなかったけれど、これを機に読んでみようかと思いました。

  • 2014/10/02.

    いかに飛行機が怖いかが6割、恩田陸の目にうつる海外の風景が3割、そして恩田陸の作品の生み出し方が1割。
    恩田陸好きにはたまらない一冊じゃないかしら。少なくとも、あたしにとってはとても面白く、興味深かった。

    おもしろいなぁと思う人って、やっぱりかしこい人が多い。その「賢さ」っていうのは色々なジャンルがあるんだろうけど、恩田陸は多岐にわたって博識であり、ちゃんとそれらに対して自分の見解をもっている。本人曰く、「記憶力が悪くて何度でも同じ本を読んで楽しめる」と何かの本で言っていたけれど、そういった「本の虫」なところが確実に彼女のベースにはなってるんだなぁって改めて感じた。どこに行っても、なにをしていても、ちょこちょこっと「この本のこのシーンを思いだす」だとか「あの本の登場人物がどうたら」だとか、小ネタを挟んでくるのがすごいなぁと。そしてそれがわからない自分が悔しいなぁと。本だけじゃなくて映画とか絵画とか広い意味での芸術的要素の知識が膨大ってどうなのほんとうに悔しい。
    本当に彼女は酒豪なんだなぁ、いいなぁ、一緒に旅したらさぞ楽しかろうに。あたしじゃお供に不十分だろうけど…

    そして何より、タラの丘での一連の出来事が私の中では一番読みごたえがあった。ページにして数ページだけど、恩田陸の中に作品が降りてくる瞬間を疑似体験できたかのよう。私もそこに行ってみたい、そして何を感じるのか、知りたい。

    もっともっといろいろなところを旅して、いろいろなものを見て感じてストックして、これからもご健康に気を付けつつおもしろい作品を生み出してくださいね。

  • おもしろかった。飛行機嫌いの恩田陸さんが初の海外旅行に行く話。

  • 旅行記だというので読んだが、いかに飛行機が怖いかと、酒のことと、好きな本のことしか書いてない…。
    もっとなんかなかったのかな(^^;;

  • 本当に飛行機が怖くて怖くてしかたないんだなぁ

  • 旅に出て、おみやげを何にするか非常に頭を悩ませる問題ですよね。

    私は、定番のものが一番うれしいのですが、ちょっと物足りなさを感じていることも確か。
    なんかこう、もらって困るような、こんなものもらってもちょっと・・・
    何処に飾るのこんなもの!?っていうものをあげたら面白いんじゃないかと以前からかんがえていたのでした。するとこの本の中にいたよ!!
    実際にやってる人が出てきましたwwwww

    この本によると
    もらって恥ずかしいお土産、もらって困る変なお土産のことを
    みやげものならぬ「いやげもの」byみうらじゅん と
    言うらしい。

    いやげものは、ジョークが通じる人にはOKですよね

    あ、本の内容は。うん紀行文です^^;

  • こんなに面白い人だったんだ。そして酒豪。
    作家がどういう風に物語を生み出すか、その過程を垣間見ることもできる。人それぞれだろうけど、恩田陸の場合はこんなふうにインスピレーションを感じるのだなと、とても興味深く読んだ。さすが小説家は違うな。わたしなんか、旅に出ても、ただぼーっと景色見てるだけですもん。

  • 表紙につられて借りた本。
    地球の歩き方風。
    でも何かつまらない。
    飛行機嫌いの作者が飛行機乗って降りるまではまだ読めたけど、何か別の物の宣伝というか紹介というか…
    ちょっとわたしの求めてる紀行文では無かった。

  • 飛行機嫌いな恩田陸の海外旅行記。しかし、この人は麦酒を美味しそうに呑み続けるなぁ。パブに行きたくなっちまったぜい。

  • 恩田さんの子供の頃文学の憧れの地、イギリス&アイルランド旅行記…同じく子供の頃読んだ本でイギリスに憧れたので共感。だけど旅行記っぽいところはあまりない(笑・もうちょっとその辺り読みたいけど)
    装丁があのガイドブックぽくて良い(笑)

  • 紀行文というよりどれほど飛行機を怖がっているかというのがメインなんじゃないかしらん。そしてよく飲んでる!
    なるほどなと思えたのは本や文庫本を究極のモバイルという件。この人の電子書籍に対する考え方は共感する(2004年に書かれた文章だから、今はひょっとしたら違う意見かもしれないけど)。

  • エッセイは大好きなのにいまいち楽しめなかった。何故だろう…共感するところがないわけではないと思うのだが。多分エッセイというより自己紹介的な部分が強かったから、かな?

  • たまにこうして手書きでちょこちょこと文章を書いていると、その簡単さ、身軽さに今更ながら驚いてしまう。もちろんぐちゃぐちゃ消したり、書き加えたり、訂正したりしてノートはどんどん汚くなっていくのだが、その思考の過程が残るので、読み返すと書いた時の気分や感情が鮮やかに蘇る。パソコンだと過程が残らないばかやか、突然データ全部が消えてしまうという恐ろしいことも起き、しかもこちらにはどうすることもできないので、今いち道具に対する健全な信頼関係がなく、機械に隷属しているという感覚があるのだ。
    パソコンで打つ世界は、どこか人ごとだ。最初から活字で読んでいるので、ジオラマを俯瞰しているような距離感がある。





    翻訳し異文化を味わうというてんで、日本人の「感情移入」と「外側に合わせる」という特質は大いにプラスに働いていると思う。






    誰かに向かって文字を綴る。それを封筒に収め、封印し、離れた場所から送る。(手紙)






    嗜好品、という存在は文化そのものだ。生きていくのには決して必要ではないけれど、必要でないからこそ必要だ、というところが。




    面白かったー!!!旅行記でありながら、思考をつらつら書いてるって感じ。これだけお酒楽しめたり、その土地に関する知識があったら楽しいよね。

  • 恩田陸が、飛行機アレルギーとは知らなかった!
    軽妙洒脱、抱腹絶倒、
    読むべし、
    笑うべし、
    そして飲むべし。

  • 飛行機嫌いってこんな感じなんだなあ、って搭乗の部分は冷めた目線で読んでしまいました。作家さんが作品を生み出すやり方は様々なのかもしれませんが、恩田さんなりの、発想が降りてくる瞬間みたいなものが語られていて、そこら辺は興味深かったです。

  • 2005年9月13日購入。
    2005年10月8日読了。

  • 『三月』や『木曜組曲』等、
    この人の小説には酒呑みの女性が多く登場するが、
    呑んべぇが描く酒はなんとも美味しそうだ。

  • 文庫が出たようなので、思い出し書き。
    ビール好き恩田陸のイギリス・アイルランド紀行。だがしかし、本文の1/3が「あんなものが飛ぶなんて。ああ、乗りたくない。でもあれに乗らないとイギリスに行けない。ああ、いやだ。でもビールは飲みたい。ああ、どうしよう」という彼女の叫びに占められる。いつまでたっても旅立たない紀行記は初めてでした。(1/3過ぎて、ようやく日本を飛び立つ)

    おかげで、この本は「いつになったらイギリスにつくんだろう・・・」といった事しか覚えてないです。おいしいビールが飲めてよかったね!


    追記>20080713
    気になって、読み直しました。
    いたる所に小説や映画のことが書いてあって、改めてこの人は本当にお話が好きなんだなあと感服。きいも、子供のころにクリスティとか読んどけばよかった。なんか勝手に、大人の読み物だと思い込んでたんだ。江戸川乱歩とか。(なぜ・・・)
    それにしても、本当によくビールを飲むなあとこれまた感服。きいはパブで2パイントしか飲めなかったよ。あ、でもその後にワイン飲んでるか。

    この本、はじめに読んだときはイギリス旅行前。今回はイギリス体験後なので、自分の体験も踏まえて読んでおもろいです。旅行記の常ですな。ああ、次に行ったときはナショナルギャラリーをもっとゆっくり鑑賞したいです。(滞在時間30分・・・。んでもゴッホのひまわりと、フランチェスカのキリスト降誕と、スタッブスのホイッスルジャケットをこの目で見れて幸せでした)

  • 面白かった。
    飛行機と赤毛のアンの件はうんうんと強くうなづいてしまった。
    途中のイラストも、あのズーンという感じに共感。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

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