北方領土「特命交渉」

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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062136662

感想・レビュー・書評

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  • 北方領土の二島先行か四島一括か 永遠のテーマ
    そもそも決定権はロシアにあり、目下のところ返還に全く関心を示さない
    日本国内の議論は不毛

  • 政治家は歴史学者でも平和運動家でもない。政治とは歴史の事実をきちんと受け止めることであり、政治家の仕事は、いま生きている人たちの立場にたって問題を解決すること。

  • 佐藤優と鈴木宗男の対談形式で、北方領土返還に関するソ連ロシアとの活動を本音で語った書です。
    二人の対ロシアロビー活動や調査活動の手腕や行動力に頭が下がる思いです。こんな外交官と政治家が必要なんですね!

  • 橋本、小渕、森三代内閣時のおける日ロ交渉のあらましが判る。以下に内容を記す。
    鈴木宗男を外務省の初めての族議員。利権構造がない外務省には族議員はこれまでいない。しかし、外国における国益確保を重要視する鈴木宗男が初めての族議員になったのだ。
    外務省は、北方領土交渉において、「軟弱だ」との批判をさけるため、右翼からの防波堤として鈴木宗男を利用した。
    橋本主張とエリツィン大統領とは個人的信頼関係が構築されており、北方領土解決寸前と言うところまでいっていた。エリツィンからその期待する言葉をもらう寸前、その側近が会話を中断させたのだという。その側近の発言を遮って、エリツィンの発言をもらうべきであった。その胆力が橋本主張や外務官僚にはなかった。
    外務官僚には、「外交に政治家が口をだすな」という考えが残っている。
    日ソ漁業交渉での中川一郎農水相とソ連高官との交渉内容も書かれている。ソ連時代、北方領土問題をソ連は認めておらず、ゴルバチョフ時代にようやくその交渉のいすに座ったのが実態。
    エリツィンは「スターリンの残滓を一掃しなければならない」と考えており、北方領土もその論理の延長線で解決する必要がある。
    外務官僚は「飴と鞭」ではなく「鞭と鞭」でなければ動かない。
    鈴木宗男と佐藤優は二島先行返還論じゃではない。現実的返還論じゃなのであり、二島返還だけではなく、他二島の返還も十分解決の道筋を作った上での解決を目指している。
    鈴木宗男が主導した四島支援事業は島民から感謝されている。決してムダではない。
    田中真紀子と川口順子外相時代に外務官僚に良いなりになった。川口外相時代は竹内行夫事務次官とタッグをくみ、検察に資料は提供し、最悪であった。外務省は共産党にも文書を渡してしまう。
    村山首相は沖縄米軍基地移転問題について、自ら動こうとはせず、鈴木宗男に任せた。結果、北海道の演習場に一部が移転。
    国会議員の中には、官僚に国会質問書を作成させる人がいる。
    ロシアと親密になることにより、対中国牽制にもなり、北朝鮮のミサイル発射も止めさせることができた。
    チェチェン問題について、「ロシアの国内問題」というスタンスを日本は崩していない。しかし、河野洋平外相、竹内総合政策局長時代に「人権擁護」のスタンスに変えようとした。鈴木宗男により変更されたなかったが、鈴木の判断は今も間違っていない。しかし、そのときの竹内のうらみが、その後竹内次官時代に炸裂する。
    北方領土の利権にして、飯を食べている人たちがいる。代表的なのが、袴田茂樹教授など。彼らは問題が解決されると困る。

  • 報道では読めない、当時の、そして現在の外務交渉のお話。

    楽しかったけど、正直怖い。
    この本の内容が、これまでの報道とか、外務行政の事実と
    相違があるなら、もっと外務省が動いてもよさそう。

    それが、普通に出版されて流通されている。

    文中に、
    「私の書いた本が誤った外務省批判だというのなら、断固
     出版差し止めの手続きをすべきです。ところが、そんな
     動きはまったくありませんでした。外務省の究極の不作
     為は起訴休職外務事務官の佐藤優を野放しにしているこ
     と自体にあると思ってます。」

    役人が行う不作為の罪。
    最近、不作為の罪に振り回されることもあって疲れる。

    これを読んで、ムネオさんのWEBサイトを見てみた。
    http://www.muneo.gr.jp/html/flash_index.html

    なかなか頑張っておられるようで。

  • 最強タッグの2名です。外交の奥深さを学びました。

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著者プロフィール

昭和二十三年北海道足寄町に生まれる。四十四年衆議院議員中川一郎秘書。四十五年拓殖大学政経学部卒業。五十二年農林水産大臣秘書官。五十五年科学技術庁秘書官。五十八年衆議院議員初当選。平成元年防衛政務次官(宇野内閣・海部内閣)。二年外務政務次官(海部内閣)。四年自民党副幹事長。六年衆議院議員 沖縄及び北方問題に関する特別委員会委員長。九年国務大臣 北海道・沖縄開発庁長官(橋本内閣)。十年内閣官房副長官(小渕内閣)。十一年自民党総務局長(小渕総裁・森総裁)。十四年衆議院議員運営委員会委員長。十七年新党大地結成。同代表就任。二十一年衆議院議員八期当選。衆議院外務委員長。二十二年在職二十五年永年在職議員表彰。二十三年新党大地・真民主結党。同代表就任。二十四年新党大地に改名。同代表就任。

「2014年 『「日本の分」について考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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