りすん

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 140
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062146432

感想・レビュー・書評

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  • 前知識なく、なんとなく手に取ったが、意外とよかった。
    ともすれば陳腐になりそうな兄と妹のとめどない会話が、なぜかまったく鼻につくこともなく、愛おしさを覚えるのはなぜだろう。
    惜しむらくは、本当は芥川賞受賞の「アサッテの人」と連作らしいので(続編ではない)、そちらから読むべきだったと言うことを後になって知った。
    ラスト、あさこが自分の死におびえるシーン、もっとお兄ちゃんと会っていたいというシーンは、ベタなシーンであるにも関わらず、不覚にも泣きそうになった。
    不思議なのは、二人の会話が好きだったので、一部書き写そうかと思ったが、何処を切り取ってもなにか違う感じがするし、具体的にどの部分が一番大切なのかもわからなくなって結局やめてしまったこと。二人の会話は一部を切り取ってしまってはだめなのだ。

  • 978-4-06-214643-2 273p 2008.4.26 1刷

  • アサッテ実践編……にしては、内容が幼稚。
    カップルで創作する・通用する言葉、というレベルに落ちてしまっているのでは。
    また「書かれている」という意識も……うーむ……
    決して悪くない。なのに何か物足りない。
    しかし最終2ページの仕掛けにはぐっとくる。
    作者の心優しさが効いている。
    ……単行本で買ったら文庫が出るという、バッドタイミング。

  • これは、面白い。
    小説の世界に浸る本はたくさんあるけど、この本は、小説とこちら側のあわいを体感する本だ。
    この体験は初めて。

  • 低脑,还是高学历?ふたりの会話は、くだらないやり取りから、歴史、文化、風俗に係る知識の応酬まで、結構幅広い。 ほぼこの兄妹の会話の there are it in many places.

  • 最初の数ページで読むのを諦めました。
    会話のみで進む実験的小説。
    私には読みづらくて無理と判断;哲学は向かないっす。。。

  • 諏訪哲史の小説は、哲学だと思う。そして最近ではあまり見かけなくなった実験小説だ。(いや、昔からあまり見かけないか)
    メタフィクションも小説の多重構造も、初めての試みというわけではない。それでも、この中には当然ながら諏訪哲史の思考が入り込んでいて、小説という形式の中で思考する作者、という構造があり、それが面白いと思う。普通のことを普通に書いても、一向に面白くない。だから、アサッテが面白くなる。
    『アサッテの人』を読んだのがずいぶん前なので、今度はこの二冊を続けて読みたいと思う。

  • 2012.5.3

  • 「アサッテの人」に続けて読んでみる。
    なんというのだろうこの感じは。アサッテの人でギリギリの状態で保たれていた「正常」と「異常」の、「自然」と「作為」の、バランスが、結構簡単に傾いていたような気がする。
    最後に向けて増える紙面が眩しいほどの切実な空白も、不思議と気持ちが昂らず、しかしだからといって冷めることもなく、低空飛行のまま。
    そのフラットラインが狙いだとしたらものすごく成功しているような気もするけど、、
    なんとなく筒井康隆の「残像に口紅を」を思い出した。
    狙いすぎ、と言ってしまってはあまりにおおざっぱな気がするが次があるならそれがとても楽しみな一冊。

    とはいえ、小説や物語と闘い続ける作品はとてもすきだしためになる。

  • 図書館で読んだ本。個人的にはアサッテの方が良かったが、こっちも楽しめた。

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著者プロフィール

諏訪 哲史(すわ・てつし):1969年、愛知県生まれ。作家。國學院大學文学部で種村季弘に学ぶ。「アサッテの人」で群像新人文学賞・芥川賞を受賞。『種村季弘傑作撰Ⅰ・Ⅱ』(国書刊行会)を編む。

「2024年 『種村季弘コレクション 驚異の函』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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