- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062157704
作品紹介・あらすじ
総力を挙げた地取り捜査で集められた膨大な情報。そのなかから、浮かび上がった一人の男。目撃証言、前歴、異様な言動。すべての要素が、あいつをクロだと示している。捜査員たちは「最後の決め手」を欲していた-。図地反転図形-図と地(背景)の間を知覚はさまよう。「ふたつの図」を同時に見ることはできない。ひとたび反転してしまったら、もう「元の図」を見ることはできない。
感想・レビュー・書評
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時間をかけて丁寧に書かれた作品なんだろうな...
という印象の作品。単なる刑事ものと言う事でなく、
冤罪問題...その原因の一部に成りうるだろう人間の
意識の脆さに触れた、提起作品でもあるような気がします。
タイトルが意味する通り人間個人に於いても、
意識の違う視点から見ると同じ人物でも、
全く異なる人物描写がされていて非常に面白く読み進めます。
個人的にはもっとボリュームが増えてもいいので、
様々な人物達にしっかり決着をつけた読み物が好み。
やや置き去りにされた感が残り、読後のカタルシス、
高揚感が物足りなく、やや残念。
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初期作品。まだ持ち味が発揮できず、色の薄い内容だったです。
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ぐいぐい引き込まれていたのに。あとちょっとで真実がわかると思ってラストを楽しみにしていたのに。まさか、こんな終わり方するなんて・・・って、しばらく放心状態になってしまいましたよ。このモヤッとした気持ち、どうしてくれるのさー!
私も自分の記憶に自信がない。思い込みというか混同してしまうこと、「見たような気がする」「あったような気がする」なんて、しょっちゅうある。矛盾を突かれたり、本当に?とか聞かれると途端に不安になる。本当に頼りない脳みそで困っちゃう。 -
子供の頃、幼い妹を変質者に殺された主人公。
刑事になった今、同じような幼女殺害事件にかかわる。
人の記憶のあいまいさ
「図」と「地」は見ようによってクラリと入れ替わる
その恐ろしさ。
ラストが、あまりにも「え?ここで?」という感じなのでモヤモヤ・・・・ -
図と地。
見方を変えると、別の図が見えてくる。
タイトル通り、見方の違いを描いていて、面白かった。
不確かさの証明の仕方が、またうまかった。
新米刑事としての情熱と、犯罪被害者遺族としての思い。
悩みつつも動き続ける、主人公の設定もよかった。
たたみかけるような後半がよかっただけに、ラストがもやもや。 -
2010年読了。
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やってしまった。いっぺん読んだのに、また借りた…内容的には面白かった。
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二人の人物を中心に進んでいくストーリーでした。どこで接点があるかと思っていたら、それは意外な形で表れて社会派ミステリーの要素が強くなってきました。話自体は面白いのですが、前半は進展が遅くて少し退屈に感じました。
後半になると、この二人の心境の変化、その経緯も面白くなってきて、入り込んでいきました。さあ、いよいよクライマックスに来たぞ・・と思ったところで、あれ?!と気づいた。。この内容と展開にしては、残りのページが少ないのではないか?と。
そうです、事件は解決していないのに、いきなり本が終わってしまった!!「この続きは続編を読めばわかります」という意思がはっきりと伝わる終わり方。上巻という表示があったかどうか・・・探しました。
こんな風に突然終わるなんて、続きが気になってしょうがない、気持ち悪い!と、文句言いながらも続きが出たら絶対に読むんだろうなぁ。。出版作戦にはまっているなぁ・・・私。