若様組まいる (100周年書き下ろし)

著者 : 畠中恵

• 講談社 (2010年11月5日発売)

作品紹介・あらすじ

明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子屋を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってきた。その少し前-。徳川の世であれば、「若殿様」と呼ばれていたはずの旧幕臣の子息・長瀬達は、暮らしのために巡査になることを決意。今は芝愛宕の巡査教習所で訓練を受けていた。ピストル強盗の噂が絶えない物騒な昨今、教習所でも銃に絡む事件が起きた。若様組の他、薩摩出身者、直参で徳川について静岡に行った士族達、商家の子息達、さまざまな生徒に、何やら胡散臭い所長や教員を巻き込んで、犯人捜しが始まる。

感想・レビュー・書評

[NAUGHTYさんの感想 · 2011年8月14日]

巡査になるために教習所の試験に合格し厳しい訓練、授業を受けて無事卒業するまでの話し。明治維新後の旧身分の違いで最初はギクシャクしていた教習生だったけどピストル強盗事件を機に長瀬を中心に結束し成績不良の仲間を助け卒業した。ダメ所長にナンバー２の幹事とよくある設定だった。

[あまなつさんの感想 · 2014年1月9日]

このぐらいの時代が好きなので思わず購入。
アイスクリン強しの前後の話なのでセットで読むといいと思います。
時代が移行しても受け入れきれない中でどうやって生きていくか、みたいな部分があるのと情景描写が個人的にポイント高い。しゃばけシリーズも好きですがこれなら実写化しやすいんじゃないかな～なんて思うばかりです。

[Ellie さんの感想 · 2013年2月17日]

時代が江戸から明治に変わり、幕府側についていた人たちは冷遇され、薩摩、長州藩だった人たちは優遇され、武士から商人になり、成功した人は成金になり、かつてのようにはいかなくなった。
そんな彼らが巡査育成する学校で2ヶ月過ごす。お互いに卑下し、他者を見下し、プライドがぶつかる。
時代の変化、立場の変化が感じられて面白かった。
スピード感はなかったかな。

[金谷さんの感想 · 2013年2月11日]

「アイスクリン～」で出た若様達の警察への道。巡査になるため学校でお勉強。登場人物がどっと増え、それぞれの立場が絡んで、複雑な人間関係。しかしよく調べられて書かれたな、という感じがする。面白いがちょっと固い。

[yaeamekoさんの感想 · 2012年5月21日]

　たとえば町を歩いたとして、そこに洋装と和装の人びとが入り混じっているところを想像させてくれるような、この時代背景が個人的に大好き。
　それにしても、こんなに登場人物が多い小説を読むのはいつぶりだろう…むしろ初めてかもしれない。

[hinasayoさん · 2012/06/25]

人多いですよねー。
何度最初の人物紹介のページを見たことか・・・
でも、私もこの作品の時代背景すごく好きです。
見てみたいですよね。

[雪さんの感想 · 2011年9月25日]

ミナが好きなので出番少なくて淋しかったけど、若様たちが素敵でした。あと幹事が意地が悪くて素敵です。

[Zucchaさんの感想 · 2011年8月24日]

「歩く凶器か狂気」と言われてしまう園山さん。世が世なら，美男剣士だったのに。。。

[Maoさんの感想 · 2011年1月18日]

アイスクリン強し以前のお話かな。さら〜〜〜っと読ませてもらいました。

[nodonさんの感想 · 2010年11月23日]

幹事ツンデレ過ぎワロタｗｗｗ

[tsunoyoさんの感想 · 2021年10月26日]

明治の御一新で職をなくした旧幕臣の若殿様たちが巡査になるために巡査教習所に入学するが、師範達も同級生も個性派揃い、くせ者揃いでいろいろ事件が起きる
畠中恵は「つくもがみ貸します」以来だがどうも話の運びが合わない

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第１回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」