- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062166416
感想・レビュー・書評
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DV男から逃げる瑛と、灰色男から逃げるニノの物語。
単なる偶然か、それとも定められた運命か。
共に守りたい人を見つけた二人は、どんどん強くなる。
二人を守り導く伝説や、温かい人々との出会い。
ちょっと元気になれるお話でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エル・ニーニョということばの由来がわかっておもしろかった。
中島京子さんの小説って、すごくうまくできているなーと思うけど、うまくできているものを、必ずしも自分がすごく好きになるとは限らない、ですよね。
でも、砂糖屋さんのおばあちゃんが出てくるところは、好きでした。 -
なぜかとても読みづらかった。そしてあまりハラハラもしなかった。テンポが悪いのかな…
モチーフとかは面白いし、面白い話になるはずなのに、あまり哲学を感じなかった。 -
DV彼氏から逃げてきたテルと、謎の灰色の男から逃げてきた少年ニノのひと夏の逃亡劇。目的地もない旅で出会った人たちのお話を交えながら、ストーリーが進んでいきます。途中途中で入る絵本のような物語も、ストーリー展開には支障がないのに、それがあるだけでこの本の価値が高まってる気がします。読み心地がよくてすいすい読んでしまいました。
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この頃、大好きになってしまった中島京子さんです。
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直木賞受賞後の第一作だったとか。
ちょっと力が入った?
DV男から逃げる女子大生テル(ほとんど休学状態だけれど)と
7歳のわけありげな少年ニノとの夏休み……
この作家さんは子どもが出てくるものを書かせると、うまいような気がする。
だって、今回も、ニノが愛しくて愛しくて……
思い切り抱きしめてあげたくなっちゃうほど。 -
国籍、こども、スペイン語、キリスト教、夏休み、フィリピン、みたいな。
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『人には、どうしたって逃げなくちゃならないときがある。けれどそれは自分ではわからないものなの。永遠にそこに留まるか、生きるのを諦めるかどちらかしか選択肢がないと思い込んでいる人には、くまさんが必要なのよ。」
『小さなおうち』を読んだ時のような、
あの、衝撃的な驚きはなかったのだけれど、
とにかく先が気になる物語でした。
瑛とニノ、ふたりの逃避行は
現実的な様子だのだけれど、どこか不思議を醸し出している。
このファンタジーはなんだろう、と思いながらもあっという間に終わってしまったのでしたー。
逃避行の物語と、合間に挟まれる関連のある別(と言うには近い)物語。
そのバランスに最初は戸惑いつつも、気づいたらそのリズムにすっかり慣れてた。
好きか嫌いかの振り幅では考えられないのだけれど、
気になる作品なのは確か。
【7/30読了・初読・市立図書館】 -
民話や伝承のような挿話が効いていて、中島さんのストーリーテラーぶりが発揮されている作品でした。ニノ少年の出生の秘密、灰色とは何者?といったミステリーが気になって一気読みしました。ラストはうまくいきすぎの感もありますがホッとしました。面白かったです。
この作品に限らず、最近読む本はなぜか「逃げ」ものが多いです。逃げるというとネガティブな印象ですが逃げる勇気を持つこと、逃げることで開かれてくることもあるんだ、と気付かされ、励まされます。 -
「圴ちゃんの失踪」とはまた違うヒドい男が出て来るイタイ話だった。あーイタイ。女子の弱さもまたイタイ。