化合

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 360
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062169820

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと昔のはなしです。
    これがSTシリーズにつながっていくとわかったのはラストの方でした。

  • 菊川刑事シリーズ? 検事と刑事の葛藤を描く。ストーリーは単純だが、スイスイ読める単純さがよい。

  • ある殺人事件における検事と警察捜査陣の対立を描く警察小説。

    事件の筋読みは、割と簡単で(実はオチがあるのだが)、検事と警察との対立がメインストーリー。
    昨今の冤罪に対する警鐘的小説だと思います。
    時代が1990年設定のため、懐かしいキーワードや描写があり、世代的にもくすぐられます。
    また、自分は読んだことのないシリーズの前日譚にもあたるそうで、キャラもたっていました。

  • STシリーズの前の話だと分かって読んだら面白いと思います。化合と言う題名が最後になってやっと分かるので。最後は若かりしき頃の菊川刑事、すっきりとしたスーツ姿の三枝警部補、所轄の滝下刑事が犯人逮捕へ持っていく。検察側、警察側の捜査から起訴までの流れが 本当にこんな風なんだろうなぁと 少し考え深い作品でした。

  • 『隠蔽捜査』シリーズの世界観に近いように思いました。
    うっかりSTシリーズ読む前に読んじゃった。
    ST読み終えてから再読したいです。

  • うーん…凡作ではないが秀作でもないかな。いわゆる普通…

  • STシリーズの菊川と三枝の若かりし頃の話。シリーズ番外編の位置づけだが、シリーズを知らなくとも、ほぼ問題なく読める。That's 警察小説。ただし、STが結成される前の話なので、少し時代設定が古くなっているのは仕方なし。
    本編の菊川ってこんなんだっけ?と思うくらい、真面目で青臭い新人刑事、菊川が新鮮。所轄のベテラン、滝下とのコンビもイイ。
    検事が独断で立件に突っ走る展開はちょっと強引かなぁ、と思わないでもないが、昨今、明らかな冤罪も出てきているわけで、全くあり得ない、というわけでもないか。
    事件自体はそれほど複雑ではなく、平凡な感じではあるのだけれど、捜査内での人間関係や駆け引きの件は面白く読めた。今野作品らしく最後は綺麗にまとまり、読後感良し。

  • 殺人事件でコンビを組む本庁の新人菊川と所轄のベテラン滝下がコンビを組んで捜査に当たる。
    まじめな菊川と、事なかれ主義のようないい加減に見える滝下が捜査をしていく中で検事が犯人とにらんだ容疑者を調べていく中で、それとは違う事が浮かび上がってくる。

    日本の刑事事件が起訴されれば99%近く有罪になるそのほとんどの証拠が自白である。この小説の1990年代の捜査もそうであったように、検事が犯人と決めつければほとんどが自白させられ公判で有罪が確定すると言うものだ。

    それは、たぶん今も続いている警察と検察の闇の部分かもしれない。

    冤罪が生まれるストーリーがこの小説には書かれている。それが全てではないが、案外そう言うものが多いのかもしれない。

    裁判員裁判が今実施されているが、検察が提示する証拠が自白のみである場合は慎重に成らないといけないとつくづく思う。

    この小説では以前に滝下が検事が決めた冤罪に逆らったせいで同僚や仲間が飛ばされたり不遇にあったりしているので、検事には逆らわない事だと言っている。

    調査すればするほど、冤罪があぶり出されてくるこの事件の中で、かたくなに自分の決めたストーリーで犯人を検挙しようとする検事との葛藤の中で小説は後半に。

    あっという間に読み終われる読みやすい小説です。

  • ストーリーは平凡だと思う。検事の頑固さが現実に近いとしたら冤罪は少なくないだろう。粘り強く事実を明らかにしようと優秀で権威に立ち向かえる捜査員がいなければ。本書は証拠を確定的にさせるには自供ではなく、科学捜査だと言いたくて『化合』という題名にしたんだろう。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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