原発の倫理学

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187701

作品紹介・あらすじ

小泉元総理が「原発ゼロ」を提唱! 細川元総理も「脱原発は倫理の問題」と主張! 著者の主張通りに、いま日本全体が動き始めた。

「原発官僚」と闘い、つねに時代を先取りしてきた言論の軌跡。

超話題作『原発ホワイトアウト』著者・若杉冽氏推薦!
「霞が関には古賀さんを隠れキリシタンのように慕っている官僚たちがいる。原発の裏も表も全部わかる必読書」

原発は「倫理的」に許されないエネルギーだという議論をすると、それは「感情的」あるいは「主観的」な議論であるというレッテル張りをされる傾向があります。経済論や技術論は受け入れられても倫理論は受け入れられないのが現状だと言ってよいでしょう。しかし、倫理の問題は、経済や技術の分野でも非常に重要な問題です。二人の元総理(小泉氏と細川氏)が期せずして脱原発を「人の生き方の問題」「倫理の問題」として語り始めたことは、極めて重要な意味があります。私が小泉氏や細川氏に期待するのは、大きな哲学、「脱原発の倫理観」を国民に提示し、国民的大議論を巻き起こすことです。議論の末、国民の大多数が新しい日本の生き方、「脱原発と再生可能エネルギーで、自然とともに生きる国日本」を目指すという共通の目標に到達すれば、その時初めて、脱原発が可能になるのだと思います。――「はじめに」より抜粋

第1章 東電破綻処理最初の攻防
第2章 原発再稼働で浮上した原子力ムラの正体
第3章 東電救済と大飯原発再稼働決定
第4章 原子力規制委員会を根底から批判する
第5章 原発推進派の荒唐無稽な言動
第6章 フクシマの現場を直視せよ
第7章 虚飾と欺瞞の安倍政権

感想・レビュー・書評

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  • 原発の倫理的な問題点について、様々な視点から書かれている。これを読めば、仮に技術的に安全であったとしても、原発が日本に存在することが許されないものであることがわかると思う。

  • 東電を破綻させなかったので、大いなる不公平が起こっているなあ。

  • 元経産官僚の古賀さんが、主に福島事故後の原発問題について書きためたメルマガの内容を再編集した内容。
    自分は安全性が確保されればあと10年位は、既存の国内の原発の再稼働はすべきという立場で、古賀さんの即時ゼロとは異なりますが、いかに経産省・東電がべったり癒着してきたかを整然と論破しています。内容は2012年初頭の記事も含まれますが、事故処理がなかなか進まない背景を時系列で読むことができる価値ある一冊だと思います。
    ・東電破綻処理を拒み、無責任に国民負担を増やす政府、経産省、東電、メガバンク(1~3章)
    ・国会事故調の提言を無視した骨抜きの原子力規制委員会(4章)
    ・現場の実態を無視した除染指示(6章)

    安倍政権・経産省は、国民の知らないところで、特定秘密保護法の採決の混乱の間に、核燃料サイクルをエネルギー基本計画案の策定を進めるなど、民意の軽視は甚だしい。宮台真司氏は、市民に「公」の場が作れないから官僚が、その公に入り込んでいかなければならないという意識を持っていると述べているが、本書はそれを裏付ける行動様式をえぐり出すことに成功している。

  • 展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 539.091//Ko24

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著者プロフィール

1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議。09年末に経済産業省大臣官房付とされるも、11年4月には日本ではじめて東京電力の破綻処理策を提起した。その後、退職勧奨を受け同年9月に辞職。著書・メルマガを通じ活発に提言を続けている。『官邸の暴走』(KADOKAWA)、『日本を壊した霞が関の弱い人たち』(集英社)など著書の累計発行部数は100万部を超える。自身が企画・プロデュースし、本書が原案となったドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が2023年3月に公開され、大きな話題を呼んだ。





「2023年 『分断と凋落の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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