かわいい結婚

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194051

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りて。
    最初の「かわいい結婚」が1番好きかも。わかる!


    絶対読んだことある気がするけど、ブクログに登録してないということは読んでなかったのかな…

  • そうなのよ!!家事が続くの!!

  • 結婚して専業主婦になったひかり。専業主婦になるつもりはなかったが、まーくん(旦那)の親が専業主婦になって息子を世話してやってほしいと言うのでそれに従った。だけど、ひかりは結婚するまでは実家暮らしでご飯は勝手に出てくるものだったし、部屋は勝手に綺麗になっているという生活をしていたので家事が出来ない。毎日、スーパーの惣菜や外食ばかりだ。汚れていく家。ひかりは家事代行のパートに出ることになった。「可愛い結婚」

    女性専用車両に乗るのは綺麗な女だけであり、ババァやブスは乗る必要はないと彼女の前で言ってのける裕司。ある朝、女の姿になっていた。実家住みの裕司は母に追い出され、電車に乗るがノーブラの首元ゆるゆるのシャツをきた裕司は男たちの目に晒される。慌てて飛び込んだデパートで歩きやすい靴を買ったが、下着がない。下着は買ったが服がないの繰り返しで一日中デパートにいることに。そして、裕司は女のとしての楽しみや辛さ、悲しみを経験していく。「悪夢じゃなかった?」

    とある田舎の大学に双子のように仲が良く、持ち物や化粧も同じ女の子がいた。二人は同時に同じ人を好きなり、友情を壊すことなく過ごしていた。しかし、そんな二人にも別れが。一人が東京に就職し、一人は田舎に就職。双子のように同じだった二人は置かれた環境で変わっていくのだった。「お嬢さんたち気を付けて」



    最初の「可愛い結婚」のひかりの気持ちは、主婦になった人なら分かるんじゃないかな…私も「分かる分かる!ひかりちゃんの気持ち分かる!」ってなった。前田さんが言ったみたいに「家事は単純作業で地味」がまさになんだよね。結局、「やって当たり前」だし、褒めて欲しいわけじゃないけど認めて欲しいが、「褒められたくてやってんの?」って感じになる。専業主婦って合ってる人と合ってない人がいるから難しいよなぁ。


    2話目の「悪夢じゃなかった?」も面白かったなぁ。裕司は男だから知らなかった女のことを身をもって体験してるんだもんなぁ。デパートで買い物してたときの女の買い物は長いの理由が分かっただろうし、色々揃えないといけないものが女にはあること。普段、男だと分からない恐怖や不快感もたっぷり経験したし。しかし、最後のオチはまさかだったけど、二人が幸せならそれでいいです。


    最後の「お嬢さんたち気を付けて」は、まさに田舎に残った女と都会に出た女の違いだよなぁ。都会に出た人たちって、住んでる環境がそうさせるのかスタイリッシュな感じだし。田舎の空気に浸かってる私たちとは流れる時間が違うんだろうなぁ。


    どれも大変身につまされるし面白かったお話でした。


    2020.12.20 読了

  • 「女の子」の生態を教えて貰ったような感じ。おばかだったり独特のノリだったりが楽しくて、勢いがあって、可愛かった。

  • 家事のできない専業主婦を描いた「かわいい結婚」、男が女に変身する「悪夢じゃなかった?」、大学の仲良し2人組のその後を描く「お嬢さんたち気をつけて」の3編。
    一番面白かったのは、「悪夢じゃなかった?」かな。目が覚めたら、カラダだけが女に変身していたというSFチックな設定だが、1日を過ごすうちに、女が生きていくのはいかに大変かということを男が悟るという展開が面白い。
    「お嬢さんたち気をつけて」の古風な語り口もちょっと面白かった。

  • ふわふわした雰囲気のお話だけど、これってハッピーエンド?と首をかしげたくなる結末だったりして、不思議な読後です。
    登場人物たちも結構な曲者なので、人によっては読みながらイライラしてしまうかも?

    でもまぁ、「結婚=幸せなゴール」という図式こそがファンタジーで、こっちの方がリアリティがある、と感じる人も少なからずいると思うな。うん。

  • 洗濯、掃除、料理、その他家事全般。恋愛のゴールが結婚で、待ち受けているのはこれ…?
    専業主婦になったものの家事能力ゼロやる気もゼロ。無気力主婦の話から始まる短編集。

    男女間の相違やギャップは面白い。男性がどう思っているのか本当の所は分からないけど
    女性からすると「そうそう!」と膝を打ってしまう場面がとても多いのが特徴的ですね。

  • 富山県出身の作家・山内マリコさんによる「女性(の大変さ)」をテーマにした3つのオムニバス・ストーリー。ライトな感じで書いてあってすらすら読めた。
    1話目の「かわいい結婚」は、家事ができないまま地方で専業主婦になってしまったヒロイン・ひかりが東京でアナウンサーになった元カレ・青山くんを若干気にしながらも、夫・まーくんのために家事を頑張る物語。途中、家事のポイントを掴んだひかりが猛烈にやる気を出すも、最後に「家事とは終わりのないもの」と気づいてしまう。そうなのだ。主婦になってしまった幸せと悲しさがゆるい感じでつづられており、いくらか共感できる内容となっている。
    二話目の「悪夢じゃなかった?」は彼女のミッコとの結婚を渋った罰でか、グラマーな女性の姿になってしまった裕司が、男性の視線に耐えつつも、衣服や化粧を整え、何とか今夜の宿を確保するため奮闘する物語。かわいい女性になってしまった裕司が男物の服に身を包み、スマホとクレジットカードと財布だけ持って出ていくシーンはこの後の冒険を感じさせ少しわくわくする。実家をミッコの「女性は男性に比べて体力が劣るのに々ペースで働こうとするから消耗する」の言葉に納得。最後には女性の女性たる苦労を思い知るが、本当にそう。
    三話目の「お嬢さんたち気をつけて」は地方で結婚するあや子とと都会で仕事をバリバリ頑張るユリの生き方の違いを描く。二人の目は希望を失い、虚ろになる。どっちの道に進んでも大変…。女性が背負うものは大きい。

  • 結婚は幸せとは限らないけれど、独身とどちらのほうが幸せかなんて正解はない。

  • かわいい女たち

著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山内マリコの作品

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