著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194853

感想・レビュー・書評

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  • 台湾と中国と日本の、主に戦争の話でした。とても難しかったけれど、読み終えられて良かったです。虫が大量発生していたところは、これ以上はムリかもと真剣に思いました。

  • 台湾を舞台にした小説とは珍しい。観光でしか知らない台湾の、複雑な歴史と人々の思いが伝わる。

  • 台湾を舞台にしたサスペンス。太平洋戦争、中国と台湾の関係といった歴史を舞台に、社会の底辺で必死に生きる人々を描く。任侠ものはあまり好きなジャンルではないけれど、海外が部隊なため、そのあたりは少し距離感を保ったうえでストリーを楽しめた。
    戦争は否応なしに、多くの人々の人生を狂わせ、不幸にする。そんな印象を強く持ちました。

  • ミステリーという視点で見ると、そこまで惹かれるような内容ではなかったかな。

    ある一人の青年が激動の青春時代をいろんなものを抗いながら生きた、という青春ストーリーが主だと私自身は感じた。

    「青春って、悪さするもんだ」
    その中で何かを気づき、また成長していくものだ・・・ということを書きたかったのかな?

    私の中ではこの本は最後まで消化できなかったな・・・。

  • 第153回直木賞受賞作品。
    時代観がずれている気がする。それとも台湾では、つい最近血で血を洗うような時代だったというのだろうか?
    背景は血なまぐさく混沌としているのに、文体はあっけらかんと、軽快。

  • 1

  • 70年代、80年代の台湾の小説を読む度に、台湾・中国・日本の複雑な時代背景に心が萎えます。

    前半、中盤と主人公「秋生」の台湾での生活ぶりを描き・・・そのまま、青春もの?と思いきや、後半、祖父の死の真相と、祖父が起こした一家惨殺の復讐・真相へと進む。

    う~ん、そうだろうなぁ~って思ってはいたけれど((汗)) そこは東山さんの読ませる力量が!!
    夢中で飽きることなく読了しました。

    この当時の台湾の泥臭さと言うか・・・生きる活気と言うか・・・そんな様なものが溢れていて
    読んでいて凄い真夏の炎天下に晒されているような・・・感じ(ワカラナイかw)

    東山さんの書く台湾は引き込まれます。

  • 1975年、台湾。
    国民党のトップであった蒋介石が死んだ。
    そんな時代を生きる、ひとりの青年の憤りや悲しみや熱情を描いた物語だ。

    1970年代から80年代の台北が、圧倒的な存在感で描かれていて、読んでいると目前に迫ってくるようだった。
    不衛生で、猥雑で、野蛮で、騒々しくて、でも魅力的な街を舞台に、ひどく陽気なようでいて哀愁を帯びた世界が展開し、引きずり込まれる。

    臨場感が凄い。
    汚れた水が滴る薄暗い裏道、交通量の多い喧騒が渦巻く通り、寒風が吹きすさぶ荒涼とした大地、秋生が見て感じた世界がそのまま目の裏に浮かぶ気がした。

    この物語の中では、歴史の授業で習った毛沢東と蒋介石の戦争が地続きにつながっており、老人たちは殺し合いをした記憶を持ち、いまだに繰り返し殺戮の話をする。

    血への信仰は厚く、兄弟分の兄弟分は兄弟分、という義を重んじる考えがすべてを凌駕し、理屈が通じない行動をときに呼び起こす。

    同じ台北市内に暮らしながら外省人と本省人という線引きがあり、日本にも中国にも複雑な感情を抱き生きる彼らのアイデンティティは明確なようで不安定だ。

    秋生の祖父は、なぜ殺されたのか。
    彼が知る真実は胸をしんとさせる。

    奔流のような物語の渦に圧倒され、読み終えた。

  • ★台中青春小説★台湾と中国の関係は恥ずかしながら感覚としてほとんど理解していなかった。思春期の少年の感情の行きどりまりに、背景としての荒々しさが加わった点が新鮮だった。

  • 第153回直木賞受賞作
    書き下ろし。

    プロローグ
    第一章 偉大なる総統と祖父の死
    第二章 高校を退学になる
    第三章 お狐様のこと
    第四章 火の鳥に乗って幽霊と遭遇する
    第五章 彼女なりのメッセージ
    第六章 美しい歌
    第七章 受験の失敗と失恋について
    第八章 一九歳的厄災
    第九章 ダンスはうまく踊れない
    第十章 軍魂部隊での二年間
    第十一章 激しい失意
    第十二章 恋も二度目なら
    第十三章 風にのっても入れるけれど、牛が引っぱっても出られない場所
    第十四章 大陸の土の下から
    エピローグ

    中国の国民党として共産党と闘い、破れ、台湾に渡ってきた祖父を敬愛する葉秋生だったが、蒋介石が没した年に祖父を殺人で失う。

    頭脳明晰だった秋生だが、悪友の影響と生育環境から道を外れていくも、敬愛する祖父がなぜ殺されねばならなかったのか?という思いが、彼の生きる原動力となる。

    そしてついに祖父を殺した犯人の端緒を掴み、祖父のルーツである中国へ渡る。

    激動の内戦を生き抜いた祖父の血を受け継ぐ秋生の生き様。


    もっとミステリーぽいのかと思いきや、秋生の青春時代の話が長く、ちょっと間延び。

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著者プロフィール

1968年台湾台北市生まれ。9歳の時に家族で福岡県に移住。 2003年第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞受賞の長編を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』で、作家としてデビュー。 09年『路傍』で第11回大藪春彦賞を、15年『流』で第153回直木賞を、16年『罪の終わり』で中央公論文芸賞を受賞。 17年から18年にかけて『僕が殺した人と僕を殺した人』で第34回織田作之助賞、第69回読売文学賞、第3回渡辺淳一文学賞を受賞する。『Turn! Turn! Turn!』『夜汐』『越境』『小さな場所』『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など著書多数。訳書に、『ブラック・デトロイト』(ドナルド・ゴインズ著)がある。

「2023年 『わたしはわたしで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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