嵐山光三郎の徒然草・三木卓の方丈記 (シリーズ・古典2)

  • 講談社
2.50
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 15
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062545525

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •   徒然草は吉田兼好によって書かれたものですが、その成立年時や執筆の目的ははっきりしていません。ただわかるのはこれが徒然なるままに、つまりひまでたいくつなのにまかせて書かれたものということです。

      編訳は変わった口調でされていて(~にしたぜ、など)読んでいて違和感を感じることがありました。しかし内容は心に残るものも多く、俗世間を捨てた人の言葉だからこその重みもありました。中でも "黄金はすぐれていても鉄の役目を果たせない" という言葉はたった一言だけど私の最も好きな言葉の一つになりました。

      一方、方丈記が書かれたのは建暦2(1212)年のことで、その作者は鴨長明です。千載和歌集に和歌が載るほどの歌人である彼は出家してから10年目にこの方丈記を書いたのでした。そこには出家生活の、総決算の記録をめざした意気込みが感じられます。

      鴨長明は地震や火災、竜巻と様々な天災や動乱によりはげしい苦難の歳月を過ごしています。そのこともあってか世は無常だと思っている様子がよく見受けられました。私も世が世なら出家していたかもしれない。俗世間から離れて暮らすことは自分自身の平静に繋がるように思いました。

  • 古典で習ってある程度は頭に入っているので、妙な現代語訳が気になってしまいます。入門にはいいのか?図書館予約数は0(08/07/26現在)です。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

嵐山光三郎(あらしやま・こうざぶろう):1942年東京生まれ。『素人庖丁記』により講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑』によりJTB紀行文学大賞受賞。長年の薀蓄の末に到達した芭蕉像を描いた『悪党芭蕉』で、泉鏡花文学賞、読売文学賞をダブル受賞。他に『文人悪食』『追悼の達人』『「退歩的文化人」のススメ』『不良定年』『人妻魂』『年をとったら驚いた!』『枯れてたまるか!』など多数。

「2024年 『老人は荒野をめざす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

嵐山光三郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×