黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062555500

作品紹介・あらすじ

鳴蝕。山が震え、大地が揺れ世界が歪み、泰麒は、十の歳まで過ごした蓬莢にいた。帰りたい-。しかし、その術を知らない。泰麒が異界でひとり懊悩する頃、戴国には謀反によって偽王が立ち、日ごと荒れていた。その行く末を案じ、泰台輔と同じ胎果である誼の陽子を頼り、慶国を目指した李斎は思う。麒麟がいなければ、真の王はあり得ない、と。そしていま、雁国をはじめとする、諸国の王と麒麟が、戴国のために立ち上がる。

感想・レビュー・書評

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  • 2023/12/4読了

  • 月の影、風の万里に続く陽子が主人公の三作目。
    とはいうものの、その他が全てここに繋がっていて、十二国記というのは、全てで十二国記シリーズなんだなと改めて認識し直した。

    戴の主従のことが明らかになり、さらに陽子と同年代の胎果の麒麟だとわかる。そして、十二国のの世界に考え方に馴染みきってないから、あるいは陽子だからかはわからないが……隣人が困っているならば助けようとという普通に至るであろう思考でその他の国を巻き込んだ戴麒大捜索を開始する。

    テンポよくどうなるの?と気になって読む手を止めることができなかった。

  • ネタバレになるので詳しくは書けませんが、王様は…?

    でもひとまず、良かった!
    十二国の結束が素敵です。

    やはり、蓬莱出身の陽子ちゃんのおかげかな。

  • 登極から半年。 泰王と泰麒は忽然と姿を消した。 王と麒麟を失くし、妖魔が蔓延り荒れる戴国を救う為、将軍李斎は景王陽子に助けを求める。 李斎の思いに涙が出る。 物語終盤の陽子と浩瀚、陽子と六太の会話がとても印象深い。 そしてここから新刊へと続きます。

  • 各国が協力して一国を救おうとする前例のないミッションが胸熱
    そして今回も含めてまったく国内の状況がわからない舜
    多分、柳と同じで何か起こってるんだろうなぁとは思うけどね

    魔性の子の裏事情が色々と判明

    サンシとゴウランが暴れすぎじゃね?と思ってたけど、本来ではない力だったのね
    あと、延王が迎えに来てた事情も仙に召し上げるためとはね…
    そう言えば大師にという言葉に違和感を感じてたんだよね

    そして陽子さんの活躍
    十二国の世界では国家間の関わりは輸出入と少しの祭事の出席くらいで政治的にはほとんど関わりがないと
    自国の民のための王であって、他国のために動くのは本来の仕事ではない
    特に他国の民に対しては難民を拒否するほどではないけど救済の制度の必要性を感じていないようだ
    そこに現代の感覚を持った陽子が交じると新たな価値観が生まれるんだなぁ
    ま、既存の常識に照らし合わせれば意味不明なんだろうけどね
    天帝の意向というものがあるのだとすると、陽子の存在意義は新たな風を入れるというところにあるのかもね

    そんな陽子だけど、王という立場に対して若干の諦めも見えた
    おとなしく殺されようとするんじゃないよ、もー

    ってか、それに対する浩瀚の正論っぷりが正しくてロジハラめいてるな
    「侮辱ですか?」とまで言わせた陽子も陽子だけどさ
    王も下臣とか民の意見を聞き入れる方法があればいいんだろうけど、陽子さんはまだそんな事に手を付けられる段階でもないしなぁ
    まだまだ難しい状況ですなぁ

    まぁ、戴国の置かれた現状よりはマシなんだけどね

  • ようやく下巻に着手したわりには一気に読み切った。
    さすが小野主上。読ませる力が凄くてサクサク読んでしまった。

    泰麒を蓬莱から連れ戻せたのは良かったけど、既に麒麟ではなくなってた。
    角折られちゃったもんな………。
    それでも成獣してるから、やっぱ黒麒は麒麟の中でも特別なんだな。

    高里として蓬莱で年齢も重ねたこともあって、泰麒が戴へ戻るって言って、反対した李斎を説得したところは成長を感じた。
    内面が本当に大人になった。

    驍宗の痕跡が氾王から齎され、そっちも希望が出てきたし、何とかなるかな…。

  • 上巻では物語の前提となる背景だけでほぼ終わってしまい、下巻でかなりのうごきごあった。
    ファンタジーの話ではあるが、天の摂理の下りなど、善し悪しの客観性の余地のない"そう決められているから、そうである"みたいな純然たる事実の存在ってのは、この世界にもあって(日本で言うと憲法や法律)それに反しない方法(法律の抜け道)を探しながら泰麒を救うまでの工程はまさに現代社会そっくりだと思った。

    物語後半の陽子が謀反を企てた内宰の陳述に同情しかけ、浩瀚がバッサリと断ち切るシーン(結局は為人)、泰麒と李斎が戴に戻る決意をするシーンなどがとても良い。

    そして話が終わってなくないか?と思ったら最新作がこの続きなんですね。買わなきゃ(使命感)

  • 18年振りに再読。
    この巻の内容だけなぜだか全く記憶になかった。
    泰麒大捜索編。
    浩瀚が名言を残した。浩瀚が冢宰で慶も安泰。
    これでやっと新刊が読める!

  • 十二国記シリーズ。

    一気に下巻まで読んでしまった。だのにホッとできるほどの救いはなく。
    現状を変えていくのは奇跡ではなく、一歩一歩の己の行動だけということを噛み締める。一足飛びに変わることは、ない。

  • <期>
    昨年末(2019)に始まった僕の「十二国記」全巻巡りは、この本でとりあえずおしまい。
    先の最新刊『白銀の墟 玄の月』の発売までには,その前の巻(本書の事です)が出てから、なんと18年も掛かったらしい。次ももしそのくらい掛かってしまったら、僕自身が生きているかどうかが、まず微妙だなあ^_^。
    小野不由美さん、次は何とかもう少し短いインターバルで出してくださいませ(^ ^)。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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