- Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062563192
作品紹介・あらすじ
「コリアン」とは、どんな人たちなのか?一見容貌が似かよっているがゆえに誤解を深めがちな日本人と在日韓国・朝鮮人のあいだの「透明な壁」を相手に、気鋭のノンフィクションライターが果敢に挑む!私たちのすぐ隣にある「コリアン世界」を、世界的視野で掘り下げた意欲作。大宅壮一ノンフィクション賞・講談社ノンフィクション賞ダブル受賞作品。
感想・レビュー・書評
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パチンコ・焼肉・カバンや靴などの業界で生きるコリアンたち、在日歌手、朝鮮学校の民族教育、阪神大震災でのコリアンたちなど、日本で生きる在日朝鮮・韓国人たちを取材した有名なルポルタージュ。日本だけでなく在米やベトナムのコリアンにも焦点を当てている。
善人も悪人も登場する。だから超リアル。10年以上前に書かれた本ながらもまったく色あせていず、エネルギーに溢れている。今なお残る問題をも指摘していてドキリとすること多数。 -
パンソリ(民謡のようなもの)/韓国の調理師は地域差別対象の地の全羅道出身が多い。日本の焼肉店経営者の韓国人もここの出身者が多い。白丁(ペクチョン):牛豚の屠畜に関る「賊民(結婚相手が白丁だったらほとんどが破談になる)」/スーツケースの下の車輪の特許は済州島(涯月邑涯月里:エオル)出身・金和叔、涯月邑にカバンで大成功した人がSPALDINGの高石社長(涯月邑高内里コネリ出身)、荒川区にカバン製造業が多いが高内里出身者/死婚:未婚で死んだ者同士を結婚させて家系を絶やさぬようにする事。生きた養子を迎える
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『在日』という 存在が 日本では身近にありながらも
透明な存在になっている・・・
という指摘に なるほど と納得した。
こういう ノンフィクション の切り込み方が
あるんだね・・・と感心 した。
『在日』ということを あまり考えたこともなかった。
そこには 民族 という問題が 大きく横たわっているのですね。
読みながら へぇー と感心することが 多く。
あまり、知らなかったなぁ。
と 気にもしていなかったことも すこし 動揺した。
にしきのあきらの あっけらかんとした 自らの出自の 受け止め方。
在日 ということを 自分の中で 十分に消化している。
都はるみ 松坂慶子 がねぇ。
この本を読みながら・・・・いくつかの部分に 引っかかってしょうがない。
それが ぶつかったことが わかるが・・・
その ぶつかったものが なになのか
うまく表現できない。
こころのなかの 澱のようなもの。
差別より怖いのが 無関心だと 書評した人は いった。
そうなんだけど・・・その間の部分があるはずだ。
差別と無関心の間。 -
気づかせられることが多かった。
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最初の「シークレット・メッセージ」の部分でいきなりハッとした。
同じものを見ても、コリアンの受け取るメッセージと日本人の受け取るメッセージは違う。
私が「無自覚なヘテロ」に感じるどうしようもない無神経さと同じものを、私も完全マジョリティな場面では持っている。
国籍や地域関係のクローゼットに対する自分の感覚の鈍さを改めて突きつけられる。
糾弾されているわけじゃないけど、気づかざるを得ない。
「そうなった背景」と、「こうなっている現状」をセットで描写する。
「取材対象」を観察するんじゃなくて、人と知り合って会話する。
そういう誠実な姿勢だから、日本も韓国も嫌悪せずに問題を見つめられる。 -
こんなに身近なことなのに、あまりに知らないことばっかりだった。読み終えて感動と深い悲しみに同時に襲われた。
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韓国人とはどんな人たちなのか。
いろいろ韓国の人が置かれている事情がわかった。 -
「在日」という言葉は聞いていて、友達にもそういう友達がいても、身近な深刻な問題として捉えていなかった(捉えられなかった)私。
問題を認識しないこと自体も、「差別に加担している」ということに気付き、その実態について知りたいと思って手に取った本です。
日本で生活するコリアンだけでなく、世界にまで視点を広げてその実態を細かくレポートされており、全体像と日本での各論を知ることができました。
この本を知ることで、自分としても得るものが多かったと思います。