素数が奏でる物語 2つの等差数列で語る数論の世界 (ブルーバックス)

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本棚登録 : 124
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062579063

作品紹介・あらすじ

「素数を二分する」数列に導かれて、
巨人たちが魅了された「数の宇宙」へ。

深く、豊かな数学の響きを味わう――。

物語の主人公は、2種類の素数。

5,13,17,29,37…=「4で割って1余る素数」と、
3,7,11,19,23…=「4で割って3余る素数」。

一方は「2つの整数の平方和」で表せるが、他方は表せない。

一方はx^2+1の素因数に必ず現れるが、他方は決して現れない。

両者の無限性を証明したオイラーの巧みな方法とは?

2つの素数の個性がわかる、連分数や平方剰余の相互法則、
ガウス素数とのふしぎな関係とは?

2つの等差数列{4n+1}、{4n+3}が紡ぎ出す「素数の神秘」。

感想・レビュー・書評

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  • 子供が素数に興味を持ち始めたので何となく読んでみました。
    前半はまだ理解できるレベルで知的好奇心をとてもくすぐられたのですが
    終盤は内容が難しくなってきて理解する事すら難しい状態となりました。
    数学者って本当に哲学みたいな事を考えてるんですね。
    数百年前に生きていたフェルマーやガウスが考えた概念とか
    ただただスゴイなぁと思うばかりでした。
    素数一つとってもこれだけ掘り下げることが出来るのだから
    本当に奥が深いですよね。
    4n+1の素数と4n+3の素数の違いなんて考えた事すらなかったです。

    内容の10分の1も理解できていないような気がしますが
    数学の魅力を再認識させてくれた本です。

  • 数論の魅力がわかりやすくコンパクトにまとまっている良い本だった。代数的整数論だけでなく解析数論にも触れられている点がおもしろい。

    数論の本でよく紹介されている平方剰余の相互法則。具体例での説明がわかりやすい。

    特に、平方和定理が連分数と関連するというのがおもしろかった(定理の証明はないが)。つくづく、連分数っておもしろいと思います。

    本書のテーマは、”2つの等差数列で語る数論の世界”、である。2つの等差数列とは、4で割って1余る素数(4n+1型)と4で割って3余る素数(4n+3型)。素数といっても2つのタイプに分かれ、個性がある、ということである。おもしろい。少し素数とお友達になれた気がしました。

  • 新しい概念はないが、これまで学んだら数論のなかで、思いもかけない繋がりがあることが分かり、楽しい。

  • 「4で割って1余る素数」と「4で割って3余る素数」。2種類の素数の個性がわかる、連分数や平方剰余の相互法則、ガウス素数とのふしぎな関係とは。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784062579063

  • 柔らかなタイトルとは裏腹に、証明と数式がてんこ盛りの実に硬派。読み物としては「一体この問題の何が面白いのか」がもうひとつわかりづらかったようにも思う。きちんと取り組めばこれ1冊で1か月は過ごせるだろう。

  • 素数にはそれぞれ個性があります。
    この本は、数論の専門的な知識がなくても素数の個性を感じることができる内容になっています(高校数学くらいの知識は必要ですが)。

    素数の個性に触れれば、今まで見たことがない世界に触れることができるでしょう。

  • 請求記号 412/Sa 22/1907

  • 素数の本は今までも読んできましたが、等差数列を切り口とした展開で、自分の知らなかった新たな発見もありました。
    勉強するには難しい内容かもしれませんが、読み物として読む分にはとても面白い本でした。

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著者プロフィール

(さいらいじ・ふみお)
1969年、広島県生まれ。大阪大学大学院理学研究科博士課程数学専攻単位取得退学。博士(理学)。専門は整数論。賢明女子学院中学校・高等学校の教諭を経て、現在、広島国際大学看護学部看護学科教授、広島大学客員教授。著書に『Liberal Arts 基礎数学』(京都廣川書店、青木宏光氏との共著)がある。

「2020年 『有限の中の無限 素数がつくる有限体のふしぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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