素数が奏でる物語 2つの等差数列で語る数論の世界 (ブルーバックス)
- 講談社 (2015年3月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062579063
作品紹介・あらすじ
「素数を二分する」数列に導かれて、
巨人たちが魅了された「数の宇宙」へ。
深く、豊かな数学の響きを味わう――。
物語の主人公は、2種類の素数。
5,13,17,29,37…=「4で割って1余る素数」と、
3,7,11,19,23…=「4で割って3余る素数」。
一方は「2つの整数の平方和」で表せるが、他方は表せない。
一方はx^2+1の素因数に必ず現れるが、他方は決して現れない。
両者の無限性を証明したオイラーの巧みな方法とは?
2つの素数の個性がわかる、連分数や平方剰余の相互法則、
ガウス素数とのふしぎな関係とは?
2つの等差数列{4n+1}、{4n+3}が紡ぎ出す「素数の神秘」。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
数論の魅力がわかりやすくコンパクトにまとまっている良い本だった。代数的整数論だけでなく解析数論にも触れられている点がおもしろい。
数論の本でよく紹介されている平方剰余の相互法則。具体例での説明がわかりやすい。
特に、平方和定理が連分数と関連するというのがおもしろかった(定理の証明はないが)。つくづく、連分数っておもしろいと思います。
本書のテーマは、”2つの等差数列で語る数論の世界”、である。2つの等差数列とは、4で割って1余る素数(4n+1型)と4で割って3余る素数(4n+3型)。素数といっても2つのタイプに分かれ、個性がある、ということである。おもしろい。少し素数とお友達になれた気がしました。 -
新しい概念はないが、これまで学んだら数論のなかで、思いもかけない繋がりがあることが分かり、楽しい。
-
「4で割って1余る素数」と「4で割って3余る素数」。2種類の素数の個性がわかる、連分数や平方剰余の相互法則、ガウス素数とのふしぎな関係とは。
-
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784062579063 -
柔らかなタイトルとは裏腹に、証明と数式がてんこ盛りの実に硬派。読み物としては「一体この問題の何が面白いのか」がもうひとつわかりづらかったようにも思う。きちんと取り組めばこれ1冊で1か月は過ごせるだろう。
-
素数にはそれぞれ個性があります。
この本は、数論の専門的な知識がなくても素数の個性を感じることができる内容になっています(高校数学くらいの知識は必要ですが)。
素数の個性に触れれば、今まで見たことがない世界に触れることができるでしょう。 -
請求記号 412/Sa 22/1907
-
素数の本は今までも読んできましたが、等差数列を切り口とした展開で、自分の知らなかった新たな発見もありました。
勉強するには難しい内容かもしれませんが、読み物として読む分にはとても面白い本でした。