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- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062580861
作品紹介・あらすじ
「近代」は日本人の性をいかに変えたか?性の王国=江戸の豊かさを、開化・西洋性科学が引き裂いていく。『青鞜』の激しい処女論争、奇怪な似非性科学の氾濫、「強い男・弱い女」神話の呪縛など、外部からの力に揺れつづけた近代日本の性を鋭く解析する。
感想・レビュー・書評
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江戸以降の近世・近代日本の「性」についての思考をたどる著作。色情の価値を全面否定することなく、適度な節制のもと夫婦生活の円満の道として推奨する近世の性の文化に、西洋由来のセクソロジーが入り込むことで、大きな転換がもたらされた、というのが本書が描く見取り図である。また本書は、男性=能動的・女性=受動的という「生理学的」知見によって構築された「男らしさ」・「女らしさ」の規範が、裏面では婦人病や不感症という「女らしさ」からの逸脱の悩み、インポテンツという「男らしさ」からの逸脱の悩みを生んでいったこと、そして戦争において、女権論者ですら「良き」女性(母)の国家にとっての有用性を説くことで、現代まで続く優生学的イデオロギーの形成に加担したことを鮮やかに示している。
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