- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062582674
作品紹介・あらすじ
一四二八年正月。室町幕府六代将軍が籤引きで決まる。青蓮院義円改め、足利義教は、かくして最高権力を神授される。皇位継承、神器遷京、践祚…。古来より、卜占は政治決定にどうかかわったのか?義教の恐怖政治と中世における籤の精神史をたどる。
感想・レビュー・書評
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古来、占いによる政治は行われていたけれど、久しく重んじることが、憚られていた。けれども、神意たる籤で撰ばれた将軍義教は、神の意思を重んじ、争いごとの解決に湯起請や籤を多用した由。神慮測りがたし。
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恐怖政治ばかりが話題になるありますが、
籤引きで選ばれた将軍は、自分の治世でも籤引きや神判(湯起請)を
行っていたとは!
籤引き、卜占は平安~鎌倉時代でも、皇位継承や践祚等、行われていた事実。
源平合戦の最中でもしかり・・・いやはや。
前後で足利義教、真ん中では日本古来からの卜占と政治の関係。
更に古今東西の卜占についても書かれている、奥の深い本です。 -
歴史の知識があったらもっと楽しく読めたと思う。自分の知識のなさが悲しい。教科書ではさらっと終わった義教が将軍になった経緯やその治世について知りたくて読んだ。籤引きや占いについて詳しく、義教については将軍になったあとはおまけみたいなものだった。
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Lv【初心者】~【中級者】
・籤引き、とか万人恐怖と言われる足利義教って?
・足利義教以外にも籤引き的な神権政治はあったのか
・足利義教就任の経緯は?
いきなり東大学長選から始まる衝撃の一冊。
足利義教就任の経緯について細かく載っている所が便利かな -
義教について書かれた著作はあまりなく、暴君で家臣に暗殺された将軍というイメージしかなかったので、楽しみに読んだ。しかし、義教の政策・政治についての記載は少なく、中世の籤についての話がほとんどで、義教についてはいかに籤などを利用したかと嗜虐性の具体例を挙げるのみで、非常に不満だった。これでは「籤引き将軍足利義教」ではなく、「室町期における神判としての籤」などのタイトルの方がふさわしい。