籤引き将軍足利義教 (講談社選書メチエ 267)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062582674

作品紹介・あらすじ

一四二八年正月。室町幕府六代将軍が籤引きで決まる。青蓮院義円改め、足利義教は、かくして最高権力を神授される。皇位継承、神器遷京、践祚…。古来より、卜占は政治決定にどうかかわったのか?義教の恐怖政治と中世における籤の精神史をたどる。

感想・レビュー・書評

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  • 古来、占いによる政治は行われていたけれど、久しく重んじることが、憚られていた。けれども、神意たる籤で撰ばれた将軍義教は、神の意思を重んじ、争いごとの解決に湯起請や籤を多用した由。神慮測りがたし。

  • 今谷明先生、くじの偽装は無いと主張

    明石散人先生、最初から満済は名前を書いてはいません

    大正時代の室町時代の大家
    田中義成先生、籤の如きは満済等が初より籤を作り置きしものならん

    万里小路時房、三度引いて三度とも「青蓮院なり」籤には4名の名前が書かれた筈

    三宝院満済、御兄弟四人御名字ヲ於八幡神前御鬮ヲメサレ(略)

  • 恐怖政治ばかりが話題になるありますが、
    籤引きで選ばれた将軍は、自分の治世でも籤引きや神判(湯起請)を
    行っていたとは!
    籤引き、卜占は平安~鎌倉時代でも、皇位継承や践祚等、行われていた事実。
    源平合戦の最中でもしかり・・・いやはや。
    前後で足利義教、真ん中では日本古来からの卜占と政治の関係。
    更に古今東西の卜占についても書かれている、奥の深い本です。

  • 歴史の知識があったらもっと楽しく読めたと思う。自分の知識のなさが悲しい。教科書ではさらっと終わった義教が将軍になった経緯やその治世について知りたくて読んだ。籤引きや占いについて詳しく、義教については将軍になったあとはおまけみたいなものだった。

  • 室町幕府6代将軍たる足利義教の一代記。籤引き、つまり神意で将軍に就任したことが、強権的・独裁的政治を可能(社寺介入・皇位継承介入・永享の乱)としたが、逆に、強権政治のため身を滅ぼし(嘉吉の変)、さらには、室町幕府の権威失墜まで招来。この過程を詳述。歴史研究者による足利将軍解説書は、尊氏・義満以外未読で、殊にマイナー将軍(個人的に)義教であるため参考になった。なお、本書とは直接関係ないが、馴染みの薄い義教時代把握の端緒として「逆説の日本史7」(井沢元彦著)も有益。その後の本書読破で内容把握が上手くいった。

  • Lv【初心者】~【中級者】
    ・籤引き、とか万人恐怖と言われる足利義教って?
    ・足利義教以外にも籤引き的な神権政治はあったのか
    ・足利義教就任の経緯は?

    いきなり東大学長選から始まる衝撃の一冊。
    足利義教就任の経緯について細かく載っている所が便利かな

  • 足利義教の本。中世の考え方の一端が垣間見れる興味深い本。
    籤引きが神のお告げの様に考えられていたということが分かった。

    籤引きで将軍になった義教。政治、裁判も籤引き。さすが、籤引き将軍。
    物事を決める力が無かったからではなく、神の意志を図るために籤引きしていたのだという点が重要。

    歴史を現代感覚だけで見てはいけない、という例の一つだと思う。

  • 義教について書かれた著作はあまりなく、暴君で家臣に暗殺された将軍というイメージしかなかったので、楽しみに読んだ。しかし、義教の政策・政治についての記載は少なく、中世の籤についての話がほとんどで、義教についてはいかに籤などを利用したかと嗜虐性の具体例を挙げるのみで、非常に不満だった。これでは「籤引き将軍足利義教」ではなく、「室町期における神判としての籤」などのタイトルの方がふさわしい。

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著者プロフィール

今谷 明(いまたに・あきら)
1942年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。文学博士。日本中世史専攻。横浜市立大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て都留文科大学学長、現在、国際日本文化研究センター名誉教授。主著『室町の王権』(中公新書)、『武家と天皇』(岩波新書)、『象徴天皇の源流』(新人物往来社)、『近江から日本史を読み直す』(講談社現代新書)、『戦国期の室町幕府』(講談社学術文庫)、『日本中世の謎に挑む』(NTT出版)、『象徴天皇の発見』(文春新書)ほか多数。

「2019年 『文庫 中世奇人列伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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