文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638876

感想・レビュー・書評

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  • 「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」
    百鬼夜行シリーズ第1弾。
    分厚くてお高かったので、当時図書館でとりあえず借りて、古本屋さんでちょっとずつ買いそろえてるシリーズ。
    ハマりました。
    苦手な人は多分初めからダメでしょう。
    やっぱり、私の中での昭和初期のイメージはおどろおどろしいです。

  • 【読間】
    ただいま約110頁。
    『巷説百物語』に続いて、京極夏彦の
    2冊目。

    著者デビュー作とのことだが、不安なく物語にのめり込み始められている。なかなか、この先の展開も面白くなってくれそうな予感がヒシヒシと沸いてくる。
    2012.11.29.書。


    【読了】
    事件が起きて、そこには一見実現不可能に見える“謎”がある。やり手の刑事または居合わせた者が“探偵”役となり、事件を推理し解決に導く……“本格推理”と呼ばれるこのジャンルを、僕は“いわゆる推理小説”と名付けている。

    アリバイ工作だったり、叙述トリックだったり、密室殺人だったりと、“トリック”が主役で、ソレを成立させ見破らせる“ために”、登場人物が動いていく……。そして、物語の大筋は、事件発生編と解決編(トリック解説編)とに大分される…と。

    人間ドラマやストーリー展開に首筋を当てたミステリと比べて一段低く見ていたという点もある。だから“いわゆる推理小説”と揶揄した名付けかたをして一段軽んじていた。



    しかし本書は……。
    裏表紙の紹介文でも明記され、内容も上記の通り“本格推理”には違いないが、
    かなり引き込まれて、一気に読まされた。

    憑物だの陰陽師だの…、“見えてるハズなのに見えない”だの……、そんなわけない!と言いたくなるような非現実的な緒現象も、冒頭でかなりの頁を費やした長講釈のおかげで、わりとスンナリと受け入れられたというのは、書き手の力量のなせる技であろう。しかも、筆者デビュー作とのこと。スゴイね(驚)。

    京極夏彦、今後も読んでいくことになりそうだ。
    ★4つ、8ポイント。
    2012.12.03.了。

  • 僕に読書の楽しさを教えてくれた京極夏彦さんのデビュー作『姑獲鳥の夏』。

    古本屋にして憑物落とし、京極堂(中禅寺秋彦)が難事件を解決するシリーズの第1作。
    雑司ヶ谷にある久遠寺医院という病院で、娘が20箇月もの間身籠ったままでいるという奇怪な噂が流れた。
    文士・関口巽、探偵・榎木津礼二郎、刑事・木場修太朗らを巻き込んで、事件は意外な結末へ。

    「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」
    京極堂のこの決め台詞ともいえる持論は、もう少し分かり易くいうと次のようなことであるようだ。
    「奇跡を奇跡として認めるということは逆説的に奇跡は普通は起こらないものだ―という世界観を認めていることになってしまうじゃないか(略)(超常現象の)否定派の連中は自分達の知っている蟻の背中みたいな小さな常識に反するものだから頭からそれを無視したりする(略)そもそも起こる筈のないことは起こらない。それが僕の持論だ。起こってしまった以上、最早起こり得ないこととは呼べないだろう」
    すばらしすぎる!
    この151頁を読むだけでも、この小説を買う価値があると僕は思う。

    京極堂は本書で膨大な書籍を紹介し、いくつもの学術的な考察を披露するが、その中でとてつもなく面白いものが3つある。

    まずは冒頭、古書店「京極堂」にて、店主である京極堂と文士の関口君が「ウブメ」について議論する場面がある。
    鳥山石燕が『画図百鬼夜行』の中で「うぶめ」に「姑獲鳥」という表記を用いているのだが、〈お産で死んだ女の無念〉である「ウブメ」と、子供を抱かせに来る化け物といわれる「姑獲鳥」がなぜ混同されるようになったのかというものだ。
    ここで展開される2人の会話は、まさしく京極夏彦氏の論文である。

    2つ目は、探偵である榎さんの特殊な能力「他人の記憶が見える」ことについて。
    記憶とは「物質の時間的経過そのもの」であると京極堂は仮定する。
    そして、その記憶(意識とは異なる)は脳という蔵に納まっているのではなく、空気や地面やいろいろな物質を通じて漏れていると考える。
    脳はその漏れた記憶を受信すると意識上に再構成するのだが、我々は通常それを見ることができない。
    ところが、眼を瞑って眠り、多くの情報を遮断することで、脳が昼間意識に登場させなかった記憶が登場することがある。
    これが夢だ。
    榎木津の場合は眼が悪いために、漏れた記憶が意識の舞台に上って来てしまうのだという。
    つまり、「人の記憶を再構成して見てしまう」のだ。
    これは京極堂の得意の詭弁であるかもしれないのだが、夢について、あるいは記憶についてこういう解釈をした人は未だかつていたのだろうか。
    関口君同様、とても整合性を持った解釈であるように僕にも思える。

    最後は事件の謎を解く最大の鍵ともいえるもので、「我々が今見て、聞いて、体感しているこの現実は現実そのものではない。脳がその裁量によって選択した情報で再構成されたものだ」という京極堂の言葉だ。
    すなわち、脳は納得のいくものしか通さない、意識の舞台に上らせないということで、榎さんが体験した「耳は閉じることができないのに、僕には敦ちゃんの声だけが聞こえなかった」という現象がその例だ。
    「脳」と「心」を区別するという、京極堂特有の理論、長広舌が、「不思議」に思える現象を見事に解きほぐしてくれ、まさに「憑物が落ちた」という感覚にさせてくれる。

    「だいたいこの世に面白くない本などはない。どんな本でも面白いのだ」、「正しい観測結果は観測しない状態でしか求められない」(量子力学の〈不確定性原理〉)、「死んだ人間自体に〈無念〉はないんだぜ。無念というのは残された、生きている人間の方にあるのだ(略)生きている人の方が〈無念だったろうな〉と考えるのだ」など、我々の常識的な世界観を破壊するような京極堂の弁が多数あり本当に面白い!

    京極堂をはじめとする特徴的なキャラクター、膨大な参考文献に基づく正確な時代考証、文がページを跨がないレイアウトや漢字表記のこだわりなどの点でも、デビュー作にしてすでに作風が完成されており、本格ミステリ好きの人、読書が好きなすべての人に読んでほしい1冊。

  • 一言で言うと、衝撃的だった。信頼できない語り手というものを知らなかったのもあったけども、楽しめた。
    最初のうんちくはとても興味深くて勉強になり、それがストーリーの全貌を表していたなんて。

    非常にモヤモヤして、混乱していて…まさに姑獲鳥が僕自身にも憑いていたのを京極堂の憑き物落としで関口さんと一緒に落としてもらった感じだった。

    ページ数が多いにもかかわらず、真実が明かされてからはページをめくる手が止まらなかった。本当に面白かった。

  • 呪いと錯覚と姑獲鳥の話。百鬼夜行シリーズ第一弾。600ページと文庫本にあるまじき厚さながらレンガ本・鈍器・モノリスなんて云われてる百鬼夜行シリーズのなかではそれでも薄め。更にオカルト・妖怪に興味がある人なら作品世界に引き込まれそう長くは感じないかも。適切な表現かどうかはさておいて、狂気染みた人間も登場するのだが何故だか美しく物語の中で栄える。一種、白痴美に近いものがあるというか。理屈の説明がやや衒学っぽく感じるところはあるが初めからそう覚悟しておけば大して気にならない。解説・笠井潔

  • 映画もよかった
    目眩坂が本当にリアル

  • 不思議世界系ミステリ。
    妖怪とか無駄知識が好きな人は楽しいだろう。
    逆にまともな推理ものだと思って読んではいけない。

    「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」

  • これが処女作か、と唸ってしまうくらい完成された一冊

  • 前から作者とタイトルは知っていて気にはなっていたが、映画化されると聞いて、話題になっている本書を読んでみた。

     日本語文語体が好きな私は、大いに知的興味心がそそられ、とても面白かった。
    読む前は、オカルトっぽいタイトルに二の足を踏んでいたが、読んでみると、主人公の京極堂を通して、論理的に語られる。

     特に私が、前から興味を持っていた「心と脳」「意識と無意識」「科学主義と神秘主義」等々について、明快に答えてくれた。

    「心」はどこにあるか?
    「心と脳」の接点はどこにあるか?

    作者は、「意識」が心と脳の接点であると解く。

    今、現に見えているものは、脳が知覚として与えられる外の世界の情報を整理して、分かりやすく「心」側に進呈する。
    その橋渡しが「意識」の仕事である。

    逆に「心」側に進呈されない事象が、「無意識」に堆積していく。

    これらのことが、「記憶」として脳に蓄積される。

    このように、解きほぐしていくと、心霊現象なども説明できるのだ。

    京極堂はいう、「幽霊はいる。見えるし、触れるし、声も聞こえる。しかし存在しない」と。


    正確にいえば、必要に応じて脳が心に供給し、意識の表面に映し出したイメージに過ぎない。

    ただし、見た本人にとっては、現実と寸分違わぬ形で意識に登場するのだ。

    こうなると、なにが合理的で、なにが合理的でないのか、私の意識が揺さぶられる。

    「見えるものが見えない。見えないものが見える」これらは全て同じことなのだ。

    精神病理学を齧ったような読後感である。

    ミステリーを絡ませて最後まで一気に読ませる。

  • 一言でいえば長い。本筋は楽しめるが、主人公関口と最終的な事件解決役の中禅寺のやりとりを楽しめるかが評価の分かれる点かと思う。最初の2人のやりとりを読んでつまづくようなら、最後まで読み切るのは難しいかと思う。
    個人的には、その2人のやり取りもトリックも楽しめた作品。

  • 買ったけど厚いからとずっと積読状態だったもについに着手。
    前半の京極堂の講義が面白くて、というか、京極堂の世界観が興味深くて思っていたよりどんどん読み進められた。
    後半事件が進展するところは特にそうで、一気に駆け抜けた感じ。

    推理小説のトリックとしては突拍子のないもの、というか、文章それ自体で上手く読者をミスリードさせるような、そんなものだった気がするのだけど、なぜか京極堂の講義を聴くと納得してしまうような、不思議な気持ちに。
    魍魎の匣も早く読みたいなー

  • 前半が詰まらないというレビューがあるらしいが、
    むしろ前半から面白すぎてこの分厚い本はこのまま走り抜けれるのか、と不安になったほどだった。
    物語自体も面白いけど、科学、宗教、真理、民俗学、超常現象などを横断する京極堂の持論が何より面白かった。
    最高。

  • 関口君の気持ちに入り込んでしまい最後には泣いてしまった。
    勧められて読んでみたがまんまとハマってしまった。
    しかし、読者を選ぶ本だと思う。この本はミステリーと言うより謎を通じて人を解く本だと誰かが言っていたがまさにその通り!
    呼んだ後私の憑き物も落とされたようにすっきりしました!!

  • 分厚いのに一気読みしてしまった。
    名物の蘊蓄もカッ飛ばしたくなりつつも、共感したり頷いたりして読みすすめた。

    いつもより脳みそ使って読んでたみたいで読後がぐったり。
    このシリーズも制覇したくなった。

  • 前半で挫けそうになったけど、後半は一気に読んでしまうほど面白かった。

  • 初・京極作品
    噂には聞いていたけど本当に分厚いんですね笑
    複雑にからまる伏線と謎が謎を呼ぶ展開が読んでいて
    どきどきしました
    京極堂さんの長い話はわかったようなわからないような・・・
    言いたいことはなんとかわかる。という感じ
    犯人が1人ではいというのが新鮮でした
    これが処女作だなんて信じられない

  • 小難しくて挫折しそうになるものの、気がつくとまた、開いて読んでしまう。
    キャラクターが、皆、面白くて味がある。映画化のキャストは私のイメージとは違ったけど、あのキャストを念頭に置いて再度読んでみると、また楽しかった。

  • 京極さんは巷説シリーズしか読んだことがなかったけれど、内容の奥深さも説明の緻密さもどれをとってもカンペキ!
    関口くんの涼子さんへの思い入れがちょっと面倒くさかった。
    夏に読むのに最適。

  • 京極堂シリーズは全部読んでるけど。これくらいがボリューム的にもちょうどいいと思うけどな・・・。ミステリ界において、まさかの妄想オチというかつてない衝撃。叙述トリックっていうんですかね・・・。魅力あるキャラクターが多いけど、関口君だけは好きになれなかった。

  • 魍魎の匣がアニメ化すると聞いて急いで読んだ。

    トリックは無理があると思ったが、世界観、宗教観が素晴らしく、何で早く読まなかったんだと後悔。

    ここから一気に京極作品にのめりこんだ。

    京子の気味の悪さ。

    関口の葛藤。

    中善寺の迫力。

    漫画っぽいのに本格的。

    脳が人を騙す話が好きです。

  • 「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」
    京極堂、このセリフに尽きる。とても有意義な時間を過ごせたことに感謝。ちょっとずつ有名な作家さんから、あらためて本を読むきっかけになりました。

  • 夏がくれば思い出すシリーズ。
    百鬼夜行シリーズはナンダカンダでこれが一番好きかもしれない。

  • 「京極作品、初読み!」

    <マイ五ツ星>
    見えるもの、見えないもの:★★★★★

    <あらすじ>-ウラ表紙より
    この世には不思議なことなど何もないのだよ-古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。
    東京・雑司ヶ谷の医院に奇怪な噂が流れる。娘は二十箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。京極堂、文庫初登場!

    <お気に入り>
    ゆらり、と揺れて前のめりに倒れかける。目を前方に転じると、そこに見覚えのある柄の着物の裾が見えた。ゆっくりと視線を上げると、
    妻が立っていた。

    妻は私が姿勢を立て直すのに手を貸して、ひとこと、
    「お疲れ様」
    といった。

    <寸評>
    初めての京極夏彦さんの作品。
    宮部みゆきさんをして「多大な影響を受けた」と言わしめる作家さんであり、もちろん気になっていたのだが、いかんせんホラーの苦手な俺は、表紙などの薄気味悪さに尻込みし、今日まで来てしまった。

    激しく後悔している。
    とともに、これからの楽しみが一つ頂けた喜びもある。

    夫の失踪に悩み、妊娠二十箇月という状態で苦しむ妹・梗子を救うべく、姉の涼子が探偵のもとを訪れる。だが、その家庭である医院には様々な「いわく」が。
    密室から失踪した夫、妊娠二十箇月の娘、子を産めない病弱な姉、謎の赤ん坊連続失踪事件、医師免許を何年もとれない住み込みの若い男、豪快だが含みのある院長である主人と非常に古風な院長夫人……。

    一方、その謎に挑む、風変わりな面々。
    憑物落としの陰陽師を副業とする古書店の主・通称「京極堂」、その親友で語り部でもある三文作家・関口、二人の先輩で他人の記憶が「見える」奇怪な探偵・榎木津、その飲み仲間で豪胆な警官・木場、京極堂の妹で「少年のような少女」・敦子……。

    真実を言っているのは、果たして誰か?
    いや、そもそも真実とは何なのか…?

    冒頭、というか1章以外でも事あるごとに京極堂によって語られる、仮想現実についての話は非常に惹き込まれる。
    現実に存在するものを知覚はしても、脳がその存在を拒絶したときはその人間にとっての認識には上がらない。だから個人の認識などは儚いものである……。

    高田崇史さんのQEDシリーズをご存知の方はお分かりいただけるかもしれないが、この京極堂、何となくタタルに似ている。
    どうもこのテの主人公に、俺は弱い(笑)。
    QEDシリーズを(文庫のみ)全て読んでいるように、この京極堂シリーズ、間違いなく永い付き合いになることであろう。

    多少のグロテスクな記述も、慣れる!
    ……ように頑張る(笑)。

  • 京極先生、読み直し。というわけで、まずはこちらから。
    久しぶりに読みましたが、やはりキュンキュンするぜ。
    読み易いけど、量が量なので時間がかかる…。
    だが、それがいい。グフフ。
    映画も観直そうかな。グフフ。

  • <京極夏彦>の本はとても魅力的で面白いということは、何となく知っていた。
    本好きの友人たちは、新刊がでるのを心待ちにしていたし、分厚い本を持ち歩いて時間を惜しんで読んでいたから。
    でも、その厚さ故、本を読みなれていない私としては、なかなかチャレンジできなかった。
    しかし、電車の中でほんの少し読み始めてみたら・・・グイグイとその世界に引き込まれ、わくわく感でいっぱいになった。

    本を貸してくれた友人に「理屈っぽいよ」とか「漢字が多いよ」とか言われたけど、その理屈は話の展開上必要なものであるし、漢字はふりがなが降ってあったりするのでそれほど気にならなかった。
    そして、その理屈っぽい話がとても魅力的なのだ。

    そして何より登場人物がそれぞれ個性的で魅力的だった。
    沢山の人物が登場してくると、わけがわからなくなり、少し前のページに戻ることもしばしばある私だけれど、この本に関しては一度もなかった。
    それは、最初の登場でその人の人物像がしっかりと想像できるし、一度でインプットできてしまうからだ。

    さて、話の内容につてだが、それは映画を見ていたので大方わかっていた。
    しかし、読み終えたとき、「なるほど、そういうことだったのか」と謎が解けた思いだった。
    映画でわかったつもりでいたことが、まやかしであったかのような気にさえなった。

    映画もとても面白かったので、やはりその役者さんたちを思い浮かべながらストーリーを追っていったところはある。
    そのせいか、あっという間に読破。
    最初はこんな分厚い本読めるのか?
    文字が小さくてページは二段になってる~
    などなど、最初の不安は取り越し苦労。

    今はただ、早く次の作品を読みたい。

  • 最初は、この厚さ大丈夫なのか?と思ったが、入り込んだらあっという間で。
    独特の雰囲気のあるミステリィでした。
    京極堂のああ言えばこう言う喰えない態度に、分かっていながら関わっていって、案の定掌の上で転がされてる関口が好きだ。

  • 伏線を丁寧に張って丁寧に拾っていくなぁという印象、徐々に引き込まれていきますね。

    京極堂のうんちく話的なところも面白かった。

    登場人物が総じてぶっとんでいるのでいわゆるミステリーという感じはしなかったですが。

  • 後半の展開はすごく面白いけど、前半にものすごく忍耐が要るかな。

    こういうタイプのよく読むからいいですが。

  • 傑作。
    かなり重厚感のある型破りな探偵小説。民俗学や認知心理学の膨大な知識に裏打ちされた文章はまさに圧巻!京極堂のキャラクターのインパクトがまた凄いw
    とにかく論調の展開による心理誘導がすごい、自然と説得させられてしまう。

  • 確かだと思っていた現前が崩れていく感覚、自己の前に広がる世界の脆さを感じずにはいられない一冊です。ミステリーとしての話のからくりを解こうと頭を回転させると同時に、京極堂の語る論理を理解しようと頭をつかうため、一度で読み切るのは難しく思いますが、既成概念を揺れ動かす京極堂の言葉に、関口と同じようにのみこまれ、深みにはまってしまいます。

    「世間は素通しで見えているわけではないのだ。必ず取捨選択が行われている。そうでなくては、我々はそれを認識できない―」

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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