- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062705875
感想・レビュー・書評
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ミステリーというよりファンタジーかな。
この作家の本は初めて読んだかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宮島レイ、12歳。母親は有名な吸血鬼画家、ミラルカ。ふたりきりの生活だけれど、仲良く幸せに暮らしていた。ところが、ミラルカは彼の前から忽然と姿を消してしまった…。そんなある日、3人の刑事が彼女の消息を尋ねにやってくる。とある殺人現場に、彼女の絵の切れ端が落ちていたという。なんと、国際的な陰謀に捲きこまれたかも知れない!母さんはヨーロッパに?助け出せるのはぼくだけだ!ところが、レイに残されたのは、たった一冊の幻の画集。鍵を握るのは、不思議な少女。異国への旅に踏み切るレイを、追ってくるのは国際警察?それとも闇の異形たち?妖しくも美しい国から国へ、スリルとホラーとサスペンスの冒険がはじまる…。(「BOOK」データベースより)
ミステリーランドのシリーズはどの本も装丁が豪華で美しいのですが、この本はその中でもすばらしく美しいです。
表紙、挿絵、どれをとっても美しい。
魅惑の夜の世界に誘われます。
ホラーともサスペンスともファンタジーとも言えない、とても不思議なお話。
夜しか現れない世界、そんなのが本当にあったらステキだなあと思いました。
戦うのは嫌ですけど。
頼りなさそうに描かれていた「青山のオジサン」、カッコいいです(笑)。 -
「本を持ちあげると、黒から濃紺へ、濃紺から藍色へと変わって見える。――魔法の小刀で、夜を切りとって作ったような……。」
ミステリ作家さんってなんでこうも吸血鬼が好きなのかしら??
というぐらい、吸血鬼の話が多いミステリーランド!!
実は裏テーマなのかしら??
と勘ぐりたくなるぐらい。
そして、今回は、不思議なファンタジーチックでもあって、
実は、物語に乗るのにとても時間がかかってしまった。
なんでかなぁ。。。。。。
ミステリーランドモードじゃなかったのかもしれない、なんて思ったりもする。
ただ、文章がとても綺麗で、文章を読んでいるだけで、とても美しくて妖艶な夜の欧羅巴の様子が眼に浮かぶのだ。
その辺りは、とても好きだった。
これは、全ページ挿絵付きで見たくなるお話だった。
【8/13読了・初読・市立図書館】 -
■どこかしら昭和30年代のにおいする冒険活劇。
■吸血鬼を描く画家ミラルカが行方不明となり彼女の息子と編集者が探す冒険。
■ミラルカはいつも言っていた。人に一番大切なものは「芯」を持っているかどうかだって。(p.40)
■出会うべくして、出会える場所がある。(p.123 玩具店の主人)
:青山優二:乙羽出版編集部員。ミラルカの担当。ミラルカ失踪をレイが知ったときそばにいた。自称、元国際的なルポライター。
:裏の商店街:レイとミラルカが以前暮らしていた町の一角にある。夜になると不思議な雰囲気になる。ここにあるとある店のドアが三つ目のドア。住人であるココでも迷うことがある。
:画集:ミラルカが描いた画集。夜を切り取ったような表紙。この世ならざるものどもを描いた画集。印刷会社の火事で幻の画集となったはずだった。タイトルは「夜の欧羅巴」。一つ目のドア。
:霧:赤い霧とともにやってくる殺し屋。
:クラリス:本名クラリモンド。ミラルカの旧友。
:黒木:黒い帽子の不気味な捜査官。警察ではないもよう。
:ココ:裏の商店街のとある食堂のいる不思議な少女。
:ツィガーヌ:占い師っぽい婆さん。
:笛吹き:ネズミを使うローブの男。
:ベルフェゴール:パリの地下水路を根城にしている。オペラ座の怪人?
:宮島レイ:主人公。ミラルカの息子。12歳。
:ミラルカ:吸血鬼を描く画家。国際的に評価されている。画名は未里亜ルカ。彼女の仕事場のドアが二つ目のドア。いろいろなものをニックネームで呼ぶ。
:幽霊屋敷:廃工場で「幽霊屋敷」と呼ばれている。
:ユングフラウ:冷気をあやつる銀の髪の女。
:宵闇色の伯爵の肖像:ミラルカの代表作のひとつ。創作中をレイが覗いて気を失う。 -
ミステリーランド第17回配本。
ミステリーというより、ファンタジーの色合いが強い。
上質。
みえないものをみせる魔法がかかっているようなお話し。
あぁ、いいな。こういうの、子供の頃に触れて知って。想像のはねをバサバサと羽ばたかせたいものだと思った。 -
設定は面白いので、冒険ファンタジーもので続編書いてほしい。
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失踪した画家である母を探して<夜のヨーロッパ>を訪れた少年・レイ。彼を待っていたのは、伝説上の怪物たちが跋扈する絢爛豪華な闇の世界だった…!
「眠り姫とバンパイア」と同時配本のミステリーランドの一冊。
日常⇔非日常の冒険ものではありますが、異世界ものではありません。
夜の世界の住人が集まる商店街<ヨーロッパ>の造形がなかなか素敵でした。アンティークなグッズが所狭しと置いてあるおもちゃ屋さん、怪しげな食材で溢れている賑やかなレストラン、未来を見通す目を持った占い師の老婆など、胡散臭くて魅力的。
この商店街のあらゆる場所が現実のヨーロッパのどこかと繋がっていて、レストランの二階のテラスからノートルダム大聖堂の屋根にワープ、とかすごく楽しそう。
各種怪物や怪しげな組織の大人たちとのバトルは、ジュブナイルっぽい華やかさでした。とある人物の正体がわかる場面(もう前半からだいぶバレバレですが…)は特に派手で楽しい。なんというヴァンパイア無双。
レイと一緒に冒険することになるおてんば娘ココもチャーミングでした。普段は男の子みたいな話し方なのに、時々少女っぽくなるところとか、キュンと来るなあ…。
エピローグも実に正統派ジュブナイルの爽やかさで良かったです。
小島文美さんの挿絵もとても耽美で良かったです。 -
ミステリというよりファンタジー。面白かったです!
スマートフォンが出て来て吃驚した。
絵がとても素敵です。「悪魔城ドラキュラ」のデザインされてる方だそうです。 -
ミステリーというより、ダークファンタジーのにおいが濃い。いろいろ魅力的な要素がぎっしり詰まっているので、読む人が読めばにやにやしてしまうだろう。しかしスピーディな展開のせいで、その「盛りだくさん」がかえって未消化な印象で終わってしまった感じ。明かされていない謎もあるので、これは続きを想定して書かれたと思っていいのか。個人的には好きな設定だが、わくわく感が微妙にずれているような気も……。
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ミステリ要素有りの幻想ホラーって感じかな?
夜のヨーロッパがあちこちに(めっさネタバレになるので具体的に書けないことをお詫びします^^;)つながっているという設定は、すごくイイと思う!
自分が子供時代に読んでたら、すごいモエだったよ思う~!