バラガキ 土方歳三青春譜 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738675

感想・レビュー・書評

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  • バラガキとは、いばらのような鋭いとげを持った悪道、
    さわるととげで怪我をする危ないヤツのこと。
    時代小説と言うにはあまりにもロケンロール!(笑)
    新撰組を語るには一番有名な池田屋事件の前までを描いたもの。
    ヤンチャしていた土方歳三の青春時代にスポットを当てていて、
    茶目っ気ある沖田総司との掛け合いが絶妙に可愛い。
    しかし、その後の池田屋事件を知ってるがゆえに、
    少しだけ切ない気持になるなぁ。

  • みんな大好き新選組。ですが、歴史小説を読んだことのない私です。新選組の本がどれなんかもわからずウロウロしていたところ、見つけたのがこれです。表紙がどうみても土方さんなんで、解説がどう見ても重松清なんで。そんなわけで。
    まず、歴史小説らしからぬ文体で読みやすかったです。「この人はこういう逸話があって、後々こういうこともあるんだけれどね、余談だけど」みたいなのを小出しにしながら語る不思議な文章です。


    ストーリーは新選組を結成する前、京都に上がり、あの手この手で一団を大きくし、規律を作り、統率し、そして池田屋事変…!!というところで終わります。そのあと、新選組が悩み、迷い、そして散り散りになるところは描かれていません。
    だから、これは「青春小説」だし、若者が夢をもち、それを実現しようとしていく物語に感じます。田舎の百姓の息子が、どうして新選組になれたのか、という「成り上がり」な物語。
    「バラガキ」という、茨のようにトゲトゲの、触るもの見な傷つけたり、女の子をナンパしたり夜這ったり、夢を語らったり、拳で語らったり、喧嘩したあと仲良くなったり、そういうギザギザハートな青春の素晴らしさが描かれています。
    一方、歴史の流れに飛び込むために、そんなガキ臭い(しかし素敵な)青春と別れを告げてしまうことへの寂しさも描かれています。
    そんで、新選組をちょっと身近なものに感じました。

  • くだけた文章でとても読みやすく、スイスイ読めました。新選組創設の前後の話です。ことあるごとに土方さんに悪戯したりからかったりする沖田さんが面白くて可愛かった…そんな沖田さんを怒りながらも受け入れてる土方さんも可愛いです。可愛いと言いながらも、人を拷問にかけたり斬ったりしている残忍さもあるので何とも言えませんが…
    今風な語り口なので、新選組の日常を身近に感じられる作品だと思います。

  • ちょっと狂いかけのキャラクター。破天荒な行動。ちょっとちゃんばら活劇っぽい。まだまだこれから、というところで終了なので気が楽だった。

  • これは・・・・・!!
    立てノリ、ハイスピード!なんてロックな新選組!!
    なめんな、ふざけやがって・・・・・・・!!
    やってくれますね。


    土方歳三、いろんな料理方法がございます。
    強烈で魅力的なキャラが彼にはすでにあるがゆえに。


    五十嵐貴之氏の『相棒』然り、こういう新しい切り口、好きです。
    うわあ、こう来ますかあーーーーって言う驚きがね。



    試衛館で喧嘩売ってる頃(!)~池田屋へ向かう途中まで(!!)が描かれています。
    そう、新選組がこれから歴史の大舞台へ躍り出る、その直前で物語は終わります。
    この話がバラガキの話だから。
    ゆえにこのラスト!!


    終始“笑”を散りばめて、
    次はいつ笑わせてくれんだあ?という気分で読んでいると、
    最後ちょっとかっこよくてヤラレタ。
    そしてこれから先の新選組の、土方歳三の運命を思うと・・・・・・。
    何でだ、切ない。トリハダ(iДi)
    ここまで“笑”で読んでただけに。

    読み終えた時のこの気持ち、これを狙っての、このノリ・このぶつ切りラストですね!?
    いやあ、まいった!


    ●ここではこんな土方さん

    ―――「てめえら、オレにケンカ売ってんのか!かかってきやがれ!」
    ぺッ!とツバを刀の柄にかけた歳三は、草履をぬぎすて、それを道のはしにきれいにそろえて置くと、あらためて二人のほうをむいて刀を抜いた。
    「オレ、ああいうところがあまり好きじゃないんだよな」
    沖田がきれいに並んだ草履を見ながら言った。

    ↑画がうかぶ(笑)


    ―――「今日だって三十石船に乗っただろう。その時おまえは子供のようにさわいでいた」
    「さわいでなんかいませんよ。さいわいでいたのは土方先生のほうでしょ」
    「オレがいつさわいだよ。ちょっと水をかけたぐらいで泣き出したのはてめぇじゃねぇか」
    「泣いてません!」

    ↑土方先生・・・はしゃいで水かけちゃってるよ・・・・・(笑)


    ―――まあ見てろ、と歳三は隊士たちの前に立った。
    「いくぜ!いっちょ男をあげようじねぇか」
    「おう!!」
    「今だよ、近藤さん、いつまでも冷や飯食って、人の中古の大砲をもらってちゃいけねぇ」
    それに・・・・・・。歳三が不敵に笑った。
    「ケンカは数じゃねえんだよ」ギラリと刀をひきぬいている。
    「トシにかかると、なんでもケンカだな。よし行こうか。目立ってやろうじゃねえか」
    「おう。いくぜヤロウども!」


    ↑池田屋に向かうところね。このテンションでね。
    芹沢暗殺とか、拷問とかもこのテンション(笑)
    はい!読み手もこのままテンション保って一気にラストまでどうぞ~。



    ・・・・・・いやあ、まいった!

  • 気軽に読めて、面白い。
    でも内容が軽いわけではない。

    気取りなく、田舎のバラガキの姿が軽快に描かれている。
    いいなぁ。

  • 私はやっぱり正統派の新撰組が好きです。でも、読み物としてはまぁまぁ面白かったので★★です。

  • 表紙ホイホイされました

  • まったく新しいタイプの時代小説です。

    新撰組や土方歳三の小説は少なからず読んできたけれども、それらの小説と全く違います。

    1人の血気盛んで、野望に溢れる少年達にまで新撰組を落としめています。

    時代小説というジャンルではこの話はストロングスタイルにはならないだろうけど、僕は大好きだー。

  • 小学5年生の時に本屋を探し回って買ったけど、読みやすかった記憶が。池田屋までのお話。

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