第03巻 ファーストエンペラーの遺産(秦漢帝国) (中国の歴史 全12巻)

著者 :
  • 講談社
3.63
  • (5)
  • (6)
  • (12)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 105
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062740531

作品紹介・あらすじ

死後なお地下帝国に君臨せんとした秦始皇帝の想像を絶する野望。高祖劉邦に始まり、王莽の反乱をはさんで前後四四〇年にわたり中原を支配した大漢帝国。荒ぶる英雄・梟雄が闊歩し、美妃が嫣然と微笑む、波瀾万丈、陰翳深い古代中国。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 近年、当時の行政文書等が相次いで発掘され、古代の末端官吏や庶民の暮らしを通した秦漢帝国の実情が垣間見られるようになり、本書もそれら史料の研究成果を享受している。文献と出土物に基づいた論考がメインで、戦争や政争の推移など、よく知られた”物語”は、ある程度割愛されているのが特徴的。最新研究を盛り込んだ改訂版も期待したい。

  • この巻では、中国の最初の皇帝「始皇帝」でもある。「秦」王朝とその次の「漢」王朝とその間の短命の「新」王朝の解説です。

  • 秦、そして漢の滅亡まで
    基本的なところはもちろん付随する事柄にも詳しく言及し、また読み物としても面白く読めました

  • 秦と漢の歴史を読もうと思って借りたけど、難儀な本だった。
    今度は、もう少し読み物風のを借りよう。

  • 中国史テキストとして

  • (要チラ見!) 秦始皇帝

  • 始皇帝誕生から後漢の終了まで、最新の研究成果を取り入れながらわかりやすく解説。
    図版や参考文献なども収録されていても充実した概説書。
    最新の出土物からも歴史を考察していて非常に読み応えがあります。

  • 考古史料がふんだんに引かれていて、たいへん面白い歴史書でした。里耶秦簡、銀雀台漢簡、居延漢簡など、全部みようとすると大変な作業になり、費用もかさむものをこれだけ挙げてくれると、ほんとうに助かります。後漢の仏教遺跡とか、筑の写真とか、紙の発明とか、司馬遷の収入の考察とか、細かい点も興味がつきません。西嶋定生『秦漢帝国』も面白かったけど、考古史料の活用という点では、こちらの本がすぐれていると思います。前漢の経済官僚、桑弘羊のことは、『秦漢帝国』のほうがくわしいと思うけど。

  • 何はともあれ筑の復元写真ですよ・・・!刺秦故事も結構詳しく検証してくださっていて個人的に嬉しい一冊(笑)始皇帝について詳しく知りたい方に。

  •  本書が含まれる「中国の歴史」シリーズの執筆陣があまりに豪華なので、ともかく手にとってみたところ想像以上におもしろかった。

     本書は最新の考古学的成果から秦から両漢の社会の実相をあきらかにしています。社会の実態をあかすということは、いわゆる上部構造に類される文化やら伝統といわれる事柄の成り立ちや実態をもあかすということになりますが、その点については一般向けという性格からなのか、あるいは紙幅の関係からなのか、若干弱い気がします。

     本書を含む「中国の歴史」シリーズの執筆陣は、中国の歴史研究において今もっとも脂がのった研究者ばかりです。学術書や学術誌を細々追っていくよりも、こうした第一級の研究者による概説書によって現在の研究動向を確認しつつ、必要があれば挙げられている参考文献にあたっていくのが効率的な勉強なのではないでしょうか。
     現在の学術書や論文は、自身の研究成果を発表したいという研究者としての素朴な熱意よりも、業績を上げるために事務的にあげられるもののほうが多いくらいなので、本シリーズのようなものの方が学術関係のものより却って価値あるものだとおもいます。

     中国に関する仕事に携わっている者、興味がある者、中国関連を学んでいる者、こうした方々には必読のもの。分野問わず、本書や本シリーズの内容をおさえておくべきだと確信します。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

学習院大学名誉教授

「2023年 『始皇帝の愛読書 帝王を支えた書物の変遷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鶴間和幸の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×