ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 14412
感想 : 777
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749046

作品紹介・あらすじ

『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。七〇年代の魂の遍歴を辿った著者が八〇年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。

感想・レビュー・書評

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  •  初期三部作に続く作品で主人公は30代となった僕である。本作も前作に関連するワードが言及されており、それらの作品を読んでおくとイメージしやすい。本作において印象深いのは「文化的雪かき」という言葉である。僕は文章を書くことに長けており、それでライターとして日々仕事にまい進している。仕事の都合で函館に向かい、そこにあるおいしい食べ物の記事を書いているが、誰の役に立つのかよくわからない仕事だと思っている。それでも、好む好まないにかかわらず、誰がやらなければならないという意気込みで仕事に向き合っている。自分ができる分野で仕事に携わり、現実を生きていく姿は、初期三部作までの主人公と違う印象をもたらしてくれる。

  • ラランドのニシダ氏が本屋巡りをするYouTube動画でこの作品を買っていたから僕も試しに読むことにした、人生で初めての村上春樹作品。風、ピンボール、羊の3つをすっ飛ばしてこれから読んでしまった。村上春樹は名前だけ聞いたことある人で、なんとなく文学作家でかっこいいイメージがあったから、最初は「これ読んでいる俺かっこいいな」と思いながら読んでいた。(上)は半分くらいのページまで物語よりかっこいい自分の方が気になって、それに酔っていたと思う。

  • 「僕」の人間性が今までのシリーズの中でも、より詳細に描かれていた。
    色々な要素が散らばっているが、下巻でどういう結末になるのか楽しみ。

    2024/03/27 読了

  • 今のところ割と面白い。五反田君は割と好印象。今作はサイドストーリー?寄り道?が多い中本筋が進んでいくという感じか。下巻も楽しみ。

  • 村上春樹の初期長編の一つ。『羊たちの冒険』の続編的な位置づけで羊男が登場する。現代人にとって生きる指針となる本と言えるのではないか。
    上巻では雑文書きをしている主人公が以前のイルカホテルを訪ねるところから、ドルフィンホテルに変わった謎を解きつつ、ホテルで働く女性やユキという女の子、その母親のアメや父親との接触、友人の五反田くん、アメの恋人の詩人、コールガールなどとの会話が描かれる。
    村上春樹の作品の特徴の並行世界的な世界観、決して明かされない謎に付きまとわれてストーリーが進む感覚はすでにある。主人公は価値観は確固たるものの不安定さは否めず、向こう側の世界に接しながら/憧れながら、向こう側にはいかないように踏ん張っているが、やむを得ずに向こう側の世界に足を踏み入れたところで夢から覚めて上巻は閉じられる。下巻の展開が気になるところ。

  • 下を読んでから

  • 展開が早かった。いつもだったら何か事件が起きたら、主人公がそのことについて考える時間が結構なページ数であるのに、今回は様々な事件がポンポン出てきてちょっとびっくりした。村上春樹の本には毎回(毎回ではないけど)ユキのような10代の不思議な女の子が出てきている気がする。なにか意味があるのだろうか。
    後半は、高級娼婦が殺されたことに夢中になって、ドルフィンホテルのことを忘れていた。これは、失った妻を取り戻す話だった。

  • 羊をめぐる冒険の続編のようだが、
    羊はかなり昔に読んだので内容がうっすらしか覚えてとおらず、、(面白かった記憶はある)まっさらな状態で一気に読破。

    ページをめくる手が止まらず長篇でも問題なくあっといまに上巻が終わってしまった。

    とにかく展開が早い。そして何と言っても登場人物の個性が強すぎて一気に物語に引き込まれる。今後この登場人達が誰とどこで、どう繋がっていくのか気になる。そして羊男とどう絡んでくるのだろうか…

    上巻ではまだどんな話に展開していくのか、まだ見えていない。最後どういう結末になるのか楽しみだ。


  • 『風の歌を聴け』→『1973年のピンボール』→『羊をめぐる冒険』と、デビューから連綿と続いてきた作品世界の続編。何故か放置してた。
    前作を読んだのは8年以上前で、設定等はほぼ忘れていたが、未読でも問題無い範囲だと感じた。
    表題に反し、展開は群を抜いて平板で、大きく動かない巻だが、リリックやユーモアで読ませてしまうのは作者の筆力。
    このシリーズの“ぼく”がやはり断トツで気取っている。

  • やれやれ
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』上下巻。⁡
    ⁡⁡
    ⁡久々に読むのに時間の掛かった本じゃった、と言うか読書スランプと言うんか、活字に解放された期間じゃったかな。⁡
    ⁡⁡
    ⁡上巻の中盤まで読むのに非常に時間が掛かった。⁡
    ⁡⁡
    ⁡うわっ‼️ハルキの洗礼と言うのか、訳分からん内容…⁡
    ⁡⁡
    ⁡羊男⁉️ 何だチミはっ⁉️⁡
    ⁡⁡
    ⁡中盤抜け切るのに半月以上掛かったかな
    ⁡⁡
    ⁡中盤を抜けると、あれ⁉️って位に面白くなるんよね。⁡
    ⁡⁡
    ⁡僕の無関心と言うのかスカした感じと、拘りのある我儘な自己中心的な僕。⁡
    ⁡⁡
    ⁡COOL⁡
    ⁡⁡
    ⁡CHAOS⁡
    ⁡⁡
    CUTE⁡
    ⁡⁡
    ⁡『COOL・CHAOS・CUTE』別のタイトルを付けてって言われたらこれかなっと
    ⁡⁡
    ⁡登場するキャストにどれも当てはまる感じがするし、愛おしいキャスト達。⁡
    ⁡⁡
    ⁡なるほど、春樹が好きになる気持ちが少し分かった様な、いやもうとっくに好きに成ってたんだ。⁡
    ⁡⁡
    やれやれ
    ⁡⁡
    ⁡2023年10冊目

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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