- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062749152
感想・レビュー・書評
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陸奥の戦国武将、九戸政実の小説です。
政実をはじめ登場人物が非常に魅力的で、彼らがどのような駆け引きを繰り広げていくのかと、ページが進むごとにわくわくしました。戦の場面では政実の軍略や痛快な勝利に心が震え、一方で政治政略の場面では双方が智略を振り絞り、読者を飽きさせません。
とにかく政実の「漢」が溢れ出るこの小説。物語に惹き込まれ、一気に読み進められる爽快さがあります。
読了日 2006年12月詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この人の歴史小説にはずれはない。男 たちの生きざまに本当に涙がでる。
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・12/31 陸奥三部作のいよいよ最終章だ.いつもこの人の小説は期待した通りの面白さだから今回も3冊怒涛のように読破するかもしれない.
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平成20年(2008年)
・1/3 読了.やっぱり集中して怒涛のように読みきった.早速次の巻が読みたくなる.それなりの厚さがあるのに結構早いスピードで読んでしまうくらい展開が早いからだろう. -
「火怨」「炎立つ」に続く、奥州、つまり今の東北地方の武将のお話。どのシリーズも非常に読ませるのだが、このシリーズは九戸政実のファンになってしまうほど。ただ、どうにも歯がゆい思いを何度もさせられる。
これ程までの武将がいながら学校の日本史には出てこないというのも不思議な話だ。兎に角、きっとまた何年後かに読みたくなる本の一つ。 -
九戸政実を扱った小説。
珍しいよね。 -
戦国時代物が好きだ。
そして、この高橋克彦の書く、人物たちの潔い生き方が好きだ。。。
こんな風に生きれた時代。うやらましく思える・・・ -
戦国時代から,天下が信長,秀吉と着々と統一されていく中,東北の南部氏の一族である九戸政実は,南部一族の内部争いに巻き込まれつつも,こうしていては時代に取り残され,内輪もめしている間に,天下が統一されてしまうという焦りを感じていた。
このため,実力で南部を纏めることは出来たにも拘らず,それをせず,外に目を向け,南部の安泰を図っていた。
だが,秀吉の勢力に恐れをなした,南部の棟梁となった信直は,武士としての誇りも捨てた恭順を示した。政実は苦言を訂していたが,次第に信直との仲は険悪となり,結局は袂を分かち,政実はたった5千の兵で,秀吉軍20万に対じしていく。南部,九戸の祖先は,過去,蝦夷である奥州藤原氏を滅ぼした源氏であったが,今では東北を統べる蝦夷となっていたのである。蝦夷としての誇りを失うことなく生きた政実は,やがて,アテルイや奥州藤原氏のとった道と同じような方向に進む。
著者の奥州3部作は,全て読んだが,文章のスピード感がたまらなく心地よい。じめっとした感じもなく,いっきに読めてしまう。黒岩作品のような女性との絡みはほとんどなく,種類が違う歴史小説という感じだ。
全3巻 -
戦国時代の武者の中で、九戸政実が一番好きです。
伊達政宗がこわっぱに見えます。本当に熱い話です。 -
とっても郷土なテーマなので読んでいて始終ニヤニヤ。
この時代の作品は主役は伊達さんだの徳川さんだのが選ばれることが多い中、辺境の地でこういう剛胆な漢共がいたことが描かれているっていうことがまず嬉しいわけで。
しかし主人公の登場の仕方に吹いたのは私だけではないと思いたいです。 -
これは超お勧め。九戸政実という若干マイナーな人物が主人公なのだが、なんというか、作者の人物の描き方をはじめ、やたらいい作品。久々にはまり込んだ時代小説。