ゴッホ殺人事件 上 (講談社文庫 た 43-43)

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  • 講談社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750493

感想・レビュー・書評

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  •  展開がスローな部分があるけれども、ゴッホ他殺説の論証は一読の価値はあります。言われてみれば確かにそうだなぁと。この部分だけ冊子にして欲しいくらい出来がいい。
     でもゴッホに興味がない人は多分面白くありません。


  • 専門家が読んだらどこまでリアリティを感じるのか分かりませんが、ゴッホの死に対する仮説は少なくとも自分にはとても興味深い。
    こういった独自の推理展開を小説の中で展開するためにはかなりの資料調査が必要だと思うのですが、それを幅広い対象にやってしまうことろが高橋氏の凄いところです。
    ただ、展開がゆっくり過ぎて集中して読み続けるのが難しい。

  • 2013/11/07読み始め2013/11/10読了

  • 自分の教養の足りたさもあるが、事実に基づいた仮説と殺人ドラマが重なり合ってるような錯覚を覚えて、とても楽しく、先が気になって仕方が無い。
    かなり厚みのある本に少し気後れしたが、ぐいぐい読み進められる。
    下巻の展開に期待。

  • <上下巻読了>
     幻の名画を巡る、美術ミステリ&国際謀略サスペンス。
     前半はゴッホ他殺説がスリリングに展開し、後半は作品群に仕掛けられた二重構造が明かされる。
     一連の事件の手口における細かい検証には重点が置かれず、あくまでエピソードの位置付けとして、背後にゴッホ作品の真贋と時代の思惑が重ねられる。
     美術史や世界近現代史に精通してなくとも、充分読ませる勢いがある。
     推理物の中でも、トリック云々に終始する代物より、こういった歴史と人間の生を絡めた謎解きの方が面白い。
     余韻や思索、興味の連鎖を招くのが良い。
     尚、作中でゴッホの死因よりも重要な問題とされる、『天才が無視される原因』という根本的な疑惑は残されたままにある。
     現実の研究成果を待たなければならないにしても、作品を目前にしての身動(みじろ)ぎできないほどの衝撃を顧みれば、上記の謎が解明されればと思えてならない。

  • サンノゼの紀伊国屋で$9.25で購入

  • ゴッホに絡んだ人が殺される推理小説。

  • 久しぶりの塔馬シリーズ。
    なんと今まで女関係さっぱりだった塔馬の昔の彼女が!
    いやいや、そこじゃなくて。浮世絵から西洋画ゴッホの謎に迫る。

  •  ほとんど日本人作家のミステリは読まないんだけれど、高橋克彦の「浮世絵シリーズ」は好きで、もう20年も前の話になるけれど、「北斎殺人事件」を読んで小布施の北斎館に行ったこともある。観光案内じゃないけれど、謎を解くためにあちこち行ったときのその土地の風景だとかおいしいものだとかがすてきで、思わず行ってみたくなったのだ。で、ゴッホがテーマのこの作品もものすごくおもしろかった!(まず、はじめから日本語で書かれている話って読みやすーい、と翻訳ミステリばかり読んだあとで思ってしまった・・・)。フランスやオランダが舞台になったり、モサドが出てきたり、爆破事件があったりと、一見派手だけれど、研究者が地道に推理をはたらかせていくのは「浮世絵シリーズ」と同じ。今回はその推理が、ゴッホ他殺説だったり、ゴッホはなぜ生前評価されなかったか、などということで、研究者たちの会話で語られていく説明がとてもわかりやすくて、まったくゴッホに詳しくないわたしでもすごくおもしろかった。美術館や美術界のこぼれ話みたいな話もなかなか興味深くて、どこか美術館に行ってみたくなったり。 フランスで絵画修復の仕事をしている女性の仕事やごく日常のシーンもよかった。浮世絵シリーズもそうだったけど、プロフェッショナルな女性の姿がちゃんと描かれているところも好き。謎解きばかりじゃなくて、食事するところとか日常シーンも楽しい。殺人があっても、殺されるシーンとか、陰惨な場面がないのもいい。(わたしがこのごろ読んでいた翻訳ミステリって、グロテスクすぎるかも・・・・)。塔馬双太郎が活躍する「絵画シリーズ」をこれからももっと読みたい〜。 これを読んで、苦手だと思っている日本作家のミステリとか本格といわれるものも、もしかしたら読めるかもしれないと思ったんだけど・・・・。高橋克彦が特別なのかな?

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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