熊の場所 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1295
感想 : 177
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062753319

作品紹介・あらすじ

猫殺しの少年「まー君」と僕はいかにして特別な友情を築いたのか(『熊の場所』)。おんぼろチャリで駅周辺を徘徊する性格破綻者はゴッサムシティのヒーローとは程遠かった(『バット男』)。ナイスバデイの苦学生であるわたしが恋人哲也のためにやったこと(『ピコーン!』)。舞城パワー炸裂の超高純度短編小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 世界は野蛮で陰鬱でもいつも愛とたくましさ

  • それぞれのエピソードでテーマらしきものがあるが、どれもあんまり私には刺さらなかった。各エピソードのテーマは「怖いことのあった場所にはすぐに戻るべし」「弱者が弱者として維持されているシステムが世界にはある」「自身の選択によって世界を変えられる」みたいな感じだろうか。
    最後の「ピコーン!」は、胡乱な殺人事件と謎解き、と純粋性と愛といったテーマがあり、初期の舞城作品とその後の舞城作品の架け橋になる作品ではあったと思う。

  • 小川哲の「君のクイズ」に「熊の場所」が出てきたからどうしても読みたかった。サイコパス感強めだけど、恐怖を取り去るためにその場所に戻るという話はよくわかる。
    「バット男」も気持ち悪い話だったけど、チョー刺さった。薄気味悪い社会のシステムを傍観し続ける語り手に共感してしまう。
    「ピコーン!」は馬鹿馬鹿しいことばっかり言っているけど、やっぱり刺さる。なんだかんだで愛が深すぎる。こんなに変な内容で愛を描けるのは、舞城王太郎にしかできないと思った。好き。

  • 記録

  • これぞ舞城節!
    エロ、暴力、騒々しい擬音、そしてたまに説得力ある話。おもしろい!

  • 久々の舞城。
    エキセントリックでサイコ、それでいて最高な青春小説としての爽やかさを持っているのが舞城作品だと思います!
    まー君との奇妙な関係とか、フェラチオのチョコちゃんとか、共感は全然出来ないくせに、なんだか胸が熱くなる。この読み味が堪らない。
    相変わらず、句読点ガン無視の文章とか、クスッと笑える語彙やツッコミとか、舞城独自の文体は癖になるなぁ。マックをむしょーに食べたくなる感覚と似てる。読む麻薬。

    ・不安をすぐに取り去らなければという信念は非常に分かる
    ・猫のお化けとか、解かせる気のない見立てとか、普通反則なんだけど、舞城なら許せる。てかカモンという感じ
    ・バット男のNTR要素きつかった。「割りを食いたくない」「犠牲になりたくない」「バット男になりたくない」というのは本当に共感できて、さらにきつかった。軽くトラウマだけど、それだけ力のある作品
    ・西暁の方言(福井弁?)好き

  • やっぱ独特
    熊の場所が一番面白かった

  • 舞城王太郎4冊め!
    けっこう重い話を軽くポップに描いてて
    舞城王太郎ワールドな感じでした。
    3つの短編、どれもおもしろかった。
    最後の「ピコーン」はスピード感すごいし
    色々すごいし突っ込みどころ満載で
    うけた。

  • 舞城王太郎の短編集。これで舞城作品は3つ目になるが1番面白い。
    彼(彼女)の作品は物語上をジェットコースタ―のように一気に駆け抜けていく。しかもそのコースがとにかくキワモノで、長編だと読み終わった後に心がヘトヘトになっている。
    だからこれぐらい短い話がちょうどいいのだ。一気に読み手を引き込み、そのままラストまで駆け抜けていく疾走感。読んでて本当に気持ちいい。
    短編を書かしたら、右にでるものはいないのではないだろうか?まぁ最初の熊の場所を読み終えたときはやっぱりこの作家は頭がいかれてると確信したけど。
    犬のお腹の中に小指って・・・

  • 不思議と引き込まれる相変わらずの舞城作品。表題作がよかった。恐怖を感じた場所に戻ることで恐怖を克服する。

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著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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