- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062756839
感想・レビュー・書評
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環境によって変わる倫理観…的な?わかんねー。カニバリズムっぽいので苦手な人は避けた方がいい。とりあえず私は成雄の倫理観がちょっと不気味で怖かった。
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ナルちゃんの鬣剃り剃りの下りは、奈津川のお母さんの話みたいな感じでしたね。舞城カニバリズム話も中々。
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終盤が千と千尋っぽい
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獅見朋成雄が山ん中で自分を見つめなおしていく物語。
「愛」を高らかに歌わない舞城王太郎ってのも、あるんですね。
成雄は結局「人間」なのだろうか。俊足シーンが爽快。
MVP:モヒ寛 -
混乱してない舞城王太郎。
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いつものハンマー投げのハンマーになったかのようなドライブ感は抑え気味。
でも、この作者は間違いなく今の若い世代の葛藤や鬱憤や切なさを表現しきっている。
鬣と馬の使い方が絶妙。 -
相変わらず気持ち悪い本を書く。
最後どうなったのか・・・全く覚えていないが、
未知の土地でのカニバリズムに慣れていく主人公、
ここで何か描きたかったのだろうか?
その意図はわからないが、勝手に勘ぐって共感。 -
わけわからん世界観。「みんな元気」系かな。「みんな元気」より面白かったけど。
夢のような物語だった。あ、寝て見るほうの夢ね。念のため。
日常的な場面かと思えば、いきなり危険に陥って何者かから逃げたり、戦ったり、美女とのラブロマンスに発展したりみたいな夢ってたまーに見るよね。それぞれが夢の中では繋がっているのかもしれないけど、記憶から欠落したのか(あるいはそもそも繋がっていないのか)、思い出してみてもそれぞれの場面に全く脈絡がない、波乱万丈で断片的なピースのような夢。
そういう夢を見ている感覚に近かった。全く展開が読めないし、一応奇妙な世界観のおかげで筋は通っているが、殆ど無茶苦茶と言っていい。途中までモヒ寛を襲った犯人の凶行を止める、ミステリーかアクションかに展開していくのかなと思っていたら、主人公の中学生めっちゃ容易に人殺してるし、カニバリズムなんかも受け入れているし、完全に予想の斜め上を行ってくれる。
で、ちゃっかり美少女といい仲になっていて、ついでに主人公の相棒というべき「老人」モヒ寛も知らぬ間に美女と懇ろになっている。ただ、それは夢のご多分に漏れず、これからその美女とのいい場面!って所で目が覚めて、夢ならばその続きを見ようと二度寝を頑張るわけだけど、この本もまさにそういう夢のような終わりを迎えている。舞城王太郎も実は夢から着想を得たんじゃないだろうか、と思ったり(笑)
てか、こんな夢見ているの自分だけだったら嫌だな。いや、殆どの人が見たことあると勝手に確信しているけど!
それにしても、本を読むたびに毎回これほど感心させられる人は珍しい。すごい奇才の持ち主だと思う。
まず文体がおかしい。真面目に書いてるのか?と疑いたくなるが、脳裏に浮かんだ言葉を、その連想に従って忠実に、オートマチックに、紙面に打ち出せば、こういう感じになるんじゃないかなとも思う。実際この勢いある文章を緻密に計算して書いているとは思えないし。
あと、擬音とか表現がそもそも独特で面白いんだけど、この本で一番すごいと思ったのは、大根の煮物の美味しさを語っているシーン。文章表現の極致を見た気がする・・・とは言いすぎかな(笑)本当にリアルな美味しさが伝わってきた。舞城の作品は他人には勧められないけど、その場面だけでも読んでほしいと思う。 -
まずもって、舞城王太郎の魅力は文体につきるといっても過言ではあるまい。
というのも、舞城の作品からこの文体を取り去ると、なんじゃこれ、というような「誤解」を、何よりも先に、受けてしまうからである。
いつもと同じように、福井の田舎から物語は始まる。
そして、ある青春真っ直中の少年の、ひたすら疾走する話である。
こう、書くと大変つまらないものに思えてくるが、そうではない。
青春の青臭さや若々しさ、初々しさ、そういったものが立ち上ってくる作品だ。
少なくとも私は、これを「青春」小説だと理解した。
物語の内容が如何に荒唐無稽で、ファンタジー・ノベル的で、「文学」的でないとしても、一気呵成に読ませる文体の魅力は健在だ。
物語が佳境にさしかかるにつれて、文章もスピードアップしていく。
佳作。 -
走るの嫌いなんですけれど、
しみちゃんみたいに走れたら素敵だと思います。