- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062757089
感想・レビュー・書評
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「畳算」が最高。女としてその生きる姿勢、芸をもつ艶やかさ、やりきれなさは胸に迫るものがあった。どうしても待ってしまう老女の姿は人間はかくも切ないものかと思わせる。「マーマー」は様々な役割を一生懸命こなそうとしつつその葛藤に苦しむ母であり、妻であり、働き手である彼女。自分が自信をなくしたときに元気がでそう。でも人間はかくも経験をすると後悔や自身の穢れに絶望し、また希望を得られるものなのかな。年を経るって奥が深い。
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短編集だと思ってなかった… 最後に話がつながるんだ、と思って読み進めていたのでした。
なかなか面白かったので、つなげて欲しいなぁ。でも、この後亡国のイージスにつながるのなら、この短編をつなげるのは難しいかも。 -
あらすじに惹かれて読んでみた本。結論。これが長編だったら・・・・・・。それなりに伏線や繋がりはあるのですが、それがもっと繋がり長編になっていれば、もっともっと面白かったと思います。短編になっている分、少し軽くなっていた感が。よかったですが、それが残念。
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本屋で平積みされてて
ついつい購入
長編だとお思っていたので、
短編集に思わず 驚いてしまった -
短編集。
最後の「920を待ちながら」は920は出てきません。
それほど920の動向を期待してたわけでもありませんが、それでもやっぱりがっくりきました。
ちなみに「木村」が誰なのかは、ちょっと読めばすぐに分かる(笑)
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これだけ徹底して世界観統一してる人も珍しいような…最後にイージスのキャラが出てたんですが、時期的にはいつ頃なんだろう。
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福井晴敏といえば、なんと言っても、「イージス」と「ローレライ」。本当に面白い小説だった。本書は、その福井晴敏の短編小説集。自衛隊傘下の諜報機関で働く、あるいは、その活動に巻き込まれていった人たちが主人公。6話構成。「イージス」や「ローレライ」のような、超長編小説ばかりではなく、この人は短編もうまいものだな、と思った。
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2007/04/29読了
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自衛隊情報局のエージェントたちの短編作。一番すきなのは「媽媽」。子育てをしながら情報局の正局員に復帰した由美子。子どもと満足に向き合えない葛藤を持ちながら仕事に打ち込む。ある事件の関係者である在日中国人の男を捕らえる。背後にある大組織に迫る間もなく、CIAと防衛庁情報局の間に政治的取引があり、男はCIAの手に。由美子は情報局の非人間的な指示に落胆。家庭まで犠牲にしてすべき仕事なのかという疑問を持つ。由美子が出した答えは・・・。「媽媽」の後の「断ち切る」も良かったです。断ち切りの技を持つ元スリのおじいちゃんが巻き込まれた事件。その背後にはなんと・・・。スパイ物ならではの状況のどんでん返しがどの作にもあって短編とは思えない読み応えでした。
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読了