グランド・フィナーレ (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757751

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の子供服のお店のポップな描写が90年代のMVみたいで一気に作品の中にひきこまれて、そのまま心地よく連れ回された感じ。ここまで人を食ったような再生?改心?ほのかな希望?の物語ってありますか。
    同時収録の短篇『馬小屋の乙女』のラストの嵌められた感も面白かった!
    あと、『20世紀』。おなじみ神町が舞台だけど、語り手は外から来た人。で、写真の発明とか戦争の歴史とか記録と記憶の関係とか興味深いし、ちょっとパワーズの『舞踏会』みたいだななんて盛り上がっていたらば、ラストでめちゃくちゃ戦慄した。別の話だと分かっているけど『グランド・フィナーレ』とループしてるように思えたのだ。うわああ。

  • 現代日本文学の為すべきことを、阿部和重は感じているのかも。

  • 自分と他との距離感がつかめていないという実感を持つ「わたし」。この実感を持てることが自分を知るということなんだろう。外見で個性を主張するとかあほくさいって思った。自分と言うフィルターを通して世界がどう見えるかというとこに個性がある。

著者プロフィール

1968年生まれ。1994年「アメリカの夜」で群像新人賞を受賞しデビュー。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』で注目を集める。2004年、大作『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞、第58回毎日出版文化賞、2005年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞受賞。『シンセミア』を始めとした「神町」を舞台とする諸作品には設定上の繋がりや仕掛けがあり、「神町サーガ」を形成する構想となっている。その他の著書に『ニッポニアニッポン』『プラスティック・ソウル』『ミステリアスセッティング』『ABC 阿部和重初期作品集』など。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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