イトウの恋 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760034

感想・レビュー・書評

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  • 横浜にいきたくなった。今でこそ国際結婚や国際恋愛は珍しくもなんともないが開国間もない頃、日本人が欧米人から黄色い猿とリアルに呼ばれていた時代の一人の男の恋を巡るお話。
    英国人IBの「私はおまえがあの、やっかいなことにばかり人間を引きずりこむ困った力の罠に落ちつつあるのに気づいていて・・・・(略)~~~~私はあの力が怖いのだ」という台詞が印象的。現代に至ってはなんの問題もない恋愛のはずが時代がちがう

  • 一気に読まなかったせいか、あまり世界観に浸れなかった。男性が主人公だと特に恋愛にまつわる感情がぴんとこないのは良くあるので、そのせいかしら・・。部分部分、恋愛以外の心の動き、異文化・・はなんて言い得た表現だろうと思うところあり。

    #bookoff

  • 明治初頭に北海道を旅した40代後半の英国人女性と、通訳兼ガイドとして彼女に同行した横浜出身の17歳の日本人少年の間の「恋」を描いたフィクション。日本人少年通訳が晩年になって記した手記をたまたま発見した高校教師が現代語訳した手記を、その通訳の子孫である女性(元モデルの劇画原作者)が読んでいくという重層的な物語構造。漫画原作者の女性と高校教師が段々親密になっていくプロセスも同時進行する。複雑な時間構造・プロットを、ややこしい背景設定がされた登場人物が謎解きをしていくにもかかわらず、飽きさせない。個々のキャラクター描写も細かくて良い。

  • 実際にいた人物をモデルにして書かれた本ですな。

    伊藤が「イトウ」となっているので、この本を読む前、「どうぶつの森」をやっている私としては「イトウかぁ…。あれを釣ったときの喜びはでかかったなぁ」なんて思ってしまってました。

    この本には、高野秀行さんの「辺境の旅はゾウにかぎる」の書評からたどりつきました。

    明治初期の横浜……。
    きっとものすごい趣があって、素敵な街並みだったんだろうな。
    横浜の近くに住んでいるくせに、まったくそういうことには関心がなかった。
    今度「昔の横浜が残る場所ツアー」でも企画しようかしら。ひとりで。

    しかしこの時代に、日本の北の方へ旅をした外国人女性がいたとは。
    この方の視点から書かれた本も、ぜひ読んでみよう。
    そこにはイトウがどんな印象で書かれているのかな?

  • おもしろかった!中島京子でなければこんなにいい作品になりっこない、と思わせるほど中島京子はうまい。イトウの手記の部分は自由な想像だけれど、イトウの若さと真っ直ぐさに、引きこまれることウケアイ。

  • お得意のパラレルワールド!
    どっちの世界も描ききる筆力すごいです
    パチパチ
    しかし、田中シゲルの系譜がいまいち混乱してしまって・・・

  • 最後、山田さんが誰の子なのかとか分かりにくい気がした。ただ結構凝って書かれてたが、もっとイトウの話が読みたかった。

  • 大河ロマンミステリーに現代の軽い恋愛がまじっていて。飽きるところがなかった。

  • イザベラ・バードからみだし、あれだけ話題になった本だもの。文庫になったら読まなきゃ。買うのが遅くなってしまった。
    ーーーーーー
    登場人物も魅力的。重層的で思うことはあれこれ有るのだけど自分にはまとめる力がない。例えばDという女性の存在、一種の巫女というか魔女のような存在なんだけどこの物語での意味がよく掴めない。
    イザベラ•バードの紀行ではロッキー山脈行ではロマンスの匂いがかすかにするが、ハワイ、日本版では想像すら出来なかった。
    著者の発想に敬服する。ハワイ版で訪問される側にたった物語が存在して居るか確認してみよう。(モデルとしてホラーの登場人物になったものは有るけど)

  • シゲルの先祖の恋の話。今と昔のストーリーはタイムスリップをした感覚にさせてくれる作品。ちょっと廻りくどい設定が読み手側には混乱するかな。

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著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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