すべては「裸になる」から始まって (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760300

感想・レビュー・書評

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  • 職業に貴賎はないとは言えない。哲学的な事や倫理的な事を考え始めれば、自分や家族への防衛意識も働き、自分は一部の職業を差別せざるを得ない。これは仕方ない事ではないのか。別に、聖人君子を気取ったり、会ったこともない相手に分かりの良いフリをする必要はないのだ。

    いつだったか、海外に部屋を借りて日本人バックパッカーと暮らしていた頃、その友人が差入れに持ってきてくれたのが森下くるみの写真集だった。当時の日本の大学では、彼女が流行っていた。ダウンロードと森下くるみと言えば、当時を象徴するキーワードだ。

    その時、自分は何を感じていたんだっけ。思い出しながら…その時、彼女が何を感じていたのかを比較しながら。

  • 【本の内容】
    「荒療治ですが、裸を晒すということは、一度自分をリセットするのに打ってつけでした」

    家族の愛情に飢えて育ち、底なしの寂しさを抱えてAVという世界にたどり着いた、あたし。

    「人を好きになりたい」と過激なカメラの前に立つ。

    人気AV女優が、自らの生い立ちを繊細な筆で綴った、ソウルフルな自伝の書。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    思いを言葉にすることは難しい。

    だが、50本以上のアダルトビデオに出演した人気女優はこの自伝の中で、確かな手応えのある言葉で、自身の思いを語ることに成功している。

    たとえば中学時代、帰りぎわの学校の玄関で、好きな人とすれ違うだけで満足していた自分を、〈脳内自慰行為という安全圏からは離れられない。自分でこしらえた殻の中は温かい〉と振り返り、AV女優になって学んだことを、〈信じるには、まず先に覚悟することだ。そして諦めないこと〉としたためる。

    その感性を育てたのは、彼女のまっすぐな生き方なのだろう。

    過酷な撮影現場の描写には、目を背けたくなる部分もある。

    が、仕事に誇りを持ち、全力を尽くす姿は美しい。

    故郷・秋田で一度は決別した飲んだくれの父と東京で再会し、少しずつ許せるようになっていく様は、人生にふいに現れる希望の灯のようでもある。

    懸命に生きようとする生身の人間の声が、そこに響く。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  AV女優さんの自叙伝。文体というか感情が熱くないのに冷静でもない、不思議なポジションで面白い。
     個人的にはも少し掘り下げて……というか、時間を置いてから書くとまた別なものが見えるんだろうな、という気がします。

     解説の花村萬月さんが、いろんな意味で面白かった(笑)
     この人すごいな。

  • 胸が熱くなった。
    もっと前からファンでいたかったなと思う。
    やはりこの人、頭もいいし、文才もある。

  • 生い立ちが酷似!

    最後の章はちょっと感動したなー。私には絶対来ない和解だもんな。

  • くるみさんのビデオは観た事はまだありませんが、
    この本を読んでプチファンになりました。(∩.∩)
    これからも新たな人生をエンジョイしていただけたらと
    そう思います。

  • 良い。彼女には文才がある。変に世界をあきらめた目線とかじゃなくて、冷静で前向き。そして、まとも。自伝だけじゃなくて小説も読みたい。加藤鷹はやはりすごいらしい。

  • 週刊プレイボーイの書評で薦めてあったので
    赤裸々な感情が飾りのない表現でストレートに感じることが出来る文章

森下くるみの作品

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