厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062763066

感想・レビュー・書評

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  • 恐怖も藝術も全ては解釈次第。
    私は自らの脳をもっともっと練磨し、多種多様な解釈を実現したい。ただ、そうしていつか手に入れた脳と暮らせるのはあとどのくらいなのか。
    時が惜しい。

  • 図書館。
    清濁でいうと、今すごく「清」の方に気持ちがあるので、また「濁」の時に読みたい…。リベンジしよう。

  • ホラーだと思って読み始め、これはどういう話なのか迷うこと多々。多くの登場人物と聞き慣れない用語や読み難い地名に先を阻まれながらも、なんとか600ページを読み終えた。まさになんとか、という気持ちだった。その分、勿論設定が細かく、現実味が満ちている中に出てくる怪異のようなものは民俗的宗教的な怖さがある。そしてオチには呆然とした。

  • 期待しすぎてしまったかも。

    昭和32年(多分)の旧態然とした村で次々に起る不可思議な人死に。
    この特異な村の因習を読者に浸透させるのに頁の3分の1以上が費やされ、全体的に説明的な文章が多い。
    そして、これ最後にどう合理的に説明するんだろう、という観点で読み進めたため、解決編の強引さが非常に気になった。
    まじものの仕業ってニュアンスを残した終わり方も、受け入れがたい(苦笑)。

    解決編は多重解決モノみたいに犯人候補がコロコロ変わるんだけど、聯太郎犯人説のインパクトが衝撃すぎて、ホントの真相に対する驚きが小さくなってしまった。
    ていうか、じゃあ黒子は結局何だった?とか聯太郎の行方は結局どうした?とか、小霧犯人だと却って解決しない事項だらけで、いっそ聯太郎=黒子犯人でいいんじゃない?と思ってしまった。

    おどろおどろしさが横溝正史っぽい(多分)。
    横溝正史好きな人には良いかも。
    あと、ホラーって触れ込みだけど、そんなに怖くなかった(ホラー苦手なので怖くなくて良かった)。
    超常現象を信じてる人には怖いのかもしれない。

    主要な関係者が憑き物筋の家なので、民俗学的考察を踏まえた内容になってて、民俗学好きにも良いかも。

  • 【購入本】三津田 信三先生の本を読むのはこれが初。“ホラー小説”と銘打ってあるものの、そこまでの怖さは感じなかった。想像力不足か?(笑) まぁ、刀城言耶の二転三転する解説に目が回ったのは確かである。小霧といい、カカシ様といい、まだ不明瞭な点はあるものの、十分楽しめる作品であったと思う。次作以降は....自分の気が持つようなら、トライしてみるつもりだ。

  • この作品に出てくる村や そこに伝わる風習は、作品の中だけの空想の事だとわかっているのに、本当に実在していそうで、とても気味が悪い。

  • 村の因習にまつわる怪奇ミステリー。
    特異な世界観、旧家同士のややこしい関係性、読みづらい言葉のオンパレード。
    初めは内容を理解するのに四苦八苦する。
    だけど事件が始まった途端、どんどん引き込まれていく。
    多すぎる謎と二転三転する推理に、もはや何が真実なのか分からなくなってしまう。

  • 星3.5

    怪奇幻想作家の刀城言耶が民間伝承の取材で訪れた村で奇妙な連続死が

    民俗学×ミステリー×ホラーという世界観は大好き
    探偵役にされた刀城がこれはこうだと決めつけるのではないので一緒に考えるスタンスで面白かった

    最後にあれはどっちなんだろう?


  • 本格ミステリ的な部分には、全然ついていけない。トリックは個々の殺人についてではなく全部ざっくりまとめてみたいなもので、謎解きのカタルシスが全然ない。ややルール違反なのではないかと思う。そんなあんた、節操のない解決してええんやろか。。。と悪い意味で衝撃を受けた。
    ホラー的な部分は、とても面白かった。因習の村というのは、横溝的でステキだし。でも見せ方は今風で、ホラー映画みたいに緩急をつけて怖いシーンが襲ってくる。特に好きなのは河原のエピソードと石段とお堂のエピソード。
    民俗学的な部分もすごく面白かった。神様と邪神が実は同じなんじゃないかとか、民間伝承の謎にじっくりと取り組んでいるような疑似体験をすることができた。
    新本格的な試みは諦めてホラーに専念すればいいのに。
    最後の二転三転する謎解きシーンとかうざったいったらありゃしねえ。

  • 細かな伏線の解説には驚き。でもその場面を読み返す気にはならない。
    最後の二転三転する中には、「それはムリがあるやろ」ってものもあり。読んでて疲れる。

著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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