姑娘 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 131
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767354

作品紹介・あらすじ

中国侵略の途上、日本軍のある部隊が山村にいた若い美女・姑娘を発見、捕虜とする。だが姑娘と出会ってしまったことで、分隊長と上等兵の運命は予想もしなかった方向へと向かい出す(表題作)。その他、戦艦大和艦長・有賀幸作の苦悩を描いた「海の男」など4作品を収録。戦争を体験した著者が描く戦争の悲劇。

感想・レビュー・書評

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  • 姑娘
    海の男
    此一戦
    奇襲ツラギ沖
    戦艦「比叡」の悲劇

    ・「姑娘」はつげ義春っぽい女性だな。
    ・他4編は貸本時代の戦記物。布枝さんと一緒に作って作画の資料にしていたという模型が活かされているのか。
    ・宮崎駿が少年時代に読んでいたかもしれないな。

  • 戦時マンガ
    それほど面白くはない

  • 2010年刊行。著者貸本マンガ時代の戦記マンガを再録したもの。表題の「姑娘」以外は、戦艦大和沖縄作戦、第一次ソロモン海戦、ミッドウェー海戦、第三次ソロモン海戦の裏面を描く海戦モノ。「姑娘」も中国戦線での村娘への徴用が描かれているが、主として中国残留兵士の悲哀を描写しており、その意味で、本書は、水木らしい戦争への忌避感は希薄である。

  • 表題作の姑娘は運命の悪戯で大きく人生が変わるいろいろな意味で切ないお話。
    姑娘以外は貸本漫画時代のお話です。今と大分タッチが異なります。すべて戦記物。先生のあとがきによると、当時はあまり日の目を見なかったようですね。

  • 『姑娘』は・・・なんだろう、あらすじだけって感じ?
    「ああでこうでした」というだけのストーリー。

    戦利品として凌辱された処女が、自分をなぐさみ物(者ではなく物である)にした男に嫁したいと、暴力による破瓜の直後に言うだろうか?
    それがそこにいるすべての男に嬲られないための計算だとしても、そんな計算が、レイプされた直後の小娘にできるだろうか?
    ストーリーが男視点でしか語られないことの気味悪さを感じます。

    戦後40年経っても、自分が死なせた部下のことだけを悔い、自分がその人生を狂わせた姑娘(のちに妻)の若くしての病死には責任を感じる様子もない部隊長。40年を経て部隊長に再開し、部隊長の背負った罪の重さに涙を流す主人公。
    この物語のなかで、姑娘は部隊長を躓かせた石のような存在です。部隊長の背負わなかった姑娘に対する罪、主人公が目を向けることのない姑娘の家族の不幸、無視されたものの中に、戦争の咎があると思います。

  • 第二次大戦中の日本軍にまつわるエピソードの短編集。後半に収録されているのは、ミッドウェイ海戦の話など、著者が貸本漫画として描いた読み切り作品の再収録。平易な戦記ものとしてのみならず、戦後の漫画文化の勃興の記録でもある。

  • (欲しい!) コミック・戦争

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著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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