モダンタイムス(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.66
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本棚登録 : 16871
感想 : 1027
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770781

感想・レビュー・書評

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  • 国家とは、国家自体が生きながらえることが唯一の目的なんだ。
    こういう作品が大好物

  • ・2/7 読了.多少オチャラケも含まれて物語は進んでいく.近未来が舞台だったんだ.ハードボイルドなんだかミステリーなんだか緩い感じでインターネットとPCをネタに話が展開して行く.検索だけをキーとして小説書くんだからすごいね.このまま後半も読み切ろうっと.

  • 前半は読み進めるのに時間がかかり積読状態でしたが、後半はどんどん引き込まれました。魔王未読なので下巻と併せて購入しようと思います。

  • 恐妻家のエンジニア、謎の殺し屋、それより怖い妻…キャラが濃いけど話も負けてない。ちょっと近未来感があるのも好きでした。一気に読んだ。

  • 何とも評価が難しい作品。
    下巻読み終わってから評価決めます。

  • 魔王を読み終わって、すぐに読まねばならぬ、という気持ちで意気揚々と読み始めたが前半部分、あまりにも恐ろしすぎる渡辺の妻の存在に、渡辺と同じくらいかそれ以上に震えることとなった。

    魔王のときと同じなのは物語の登場人物のほとんどが信用ならないこと、物語で語られている事象がすべて胡散臭いことに尽きるのではないかと思う。

    現時点で下巻を半ばまで読んで、初めてレビューを書く気になったのだが、というのも上巻だけだと不気味の一言で感想が終わってしまいそうなくらいただひたすらに最初から最後まで不気味であった。
    不気味さの正体はきっと登場人物の意図や素性が一切見えてこないことにあるのだと思う。
    モダンタイムスの世界で渡辺を取り巻く環境犬養の思惑と同様に掴みどころがない。掴ませる気がないのだと思う。
    得体のしれない妻と得体のしれない仕事と得体のしれない敵。それがすこしずつ判明していく面白味を引き出すための事前学習が上巻であるように思える。

    下巻を最後まで読んでどのような結末に至るのか今から楽しみである。

  • 自身をモデルにした人物を小説内に登場させるというのはどういう心境なのだろうか。

  • 上巻ではまだ様々な設定をばらまいたところ。
    話が動き出すのはこれから。
    下巻を楽しみに読みます。
    暴力的で恐ろしい場面も、何者かに狙われドキドキする場面も、どこか淡々と飄々とした感じがする伊坂ワールド。

  • タイトルを見れば、チャップリンのあの有名な映画を思い出します。主人公の渡辺はSEですが、恐妻家、と言っても並みの恐い奥さんという類ではない現実が進行していきます。妻の仕掛けた陰謀なのか分からないまま、無気味な人物が現れたり、仕事上では依頼主との連絡さえ覚束ない怪しげなプロジェクトを任されます。この仕事の関係者が行方不明になるなど益々危機が迫りくる事態になり…
    読み進めていくうちに、タイトルから連想することが少しづつ明らかになっていきますが、この先どう転がるのか…
    作者と同読みの小説家が登場しますが、ちょっと自虐的ですか…

  • 上巻と下巻で雰囲気が異なる。軽い調子だが世の中の成り立ちについてが主題。アリ個々は賢くなくてもコロニーは賢い。

  • なんだかいろいろ設定に不透明な部分や最後まで謎が回収されない部分があってなんとも言えないフィニッシュ。大きなシステムの一部になると人は考えることや善悪の判断を失うという主張はとても理解できたものの、エンターテイメントとしての質はなんとも。新しいトライだったと理解すれば一定の評価ということで3つ星。

  • 軽快。無駄に笑えるところが読んでて楽しい。
    ルームサービスの練習するところが大好き。

  • 妻に浮気を疑われた主人公が拷問を受ける。次から次へと物語は展開していき、かなり戸惑う。妻の佳代子には戦慄する。なんとなく流れがひっかかる感じで、特に「井坂好太郎」の小説部分を読むのが苦痛だった。近未来小説。

  • 近未来の青年SEに起こる事件を描きつつ、インターネット監視社会への脅威に警鐘を鳴らす。物語のテンポも速く、読みやすい内容

  • 【 魔王】を読んでから本作品を読んで良かった。
    これだけでも面白いけど、魔王読んだあとの方が更に面白い。
    詳しい感想は下巻のレビューに記載

  • あの謎の多い「魔王」の続編ということで、以前から気になっていた。上巻では、まだ全体像はつかめないが、良心を失うこととか、分業化された仕事とか、目に見えない大きな原理とかがキーワードとなるのだろう。この作品は、「魔王」より先の未来(平成の次)の話であり、情報化や、技術がより進歩し、社会情勢も変化している様子が、登場人物のセリフや情景描写などからうかがわれる。また、「魔王」で登場した人物(高齢になっているが)も何人かストーリーの中に組み込まれている。伊坂「好」太郎という人物に作者の遊び心を感じる。下巻に期待。

  • すこしだけ未来、あるいはパラレルワールドな感じが
    ともすればこれが現実に自分の身に降りかかりそうに思えて
    空恐ろしいです。

    「そういう風にできている」「仕組み」という分厚い壁が
    話の通じない恐怖を覚えました。
    でも確かに、「そういう風にできている」ことは多いです。

    井坂好太郎という作家が出て来るのは驚きました。
    まさか伊坂先生の本心じゃないよね?なんて
    いらないところでもどきどきしてしまいました。



    携帯での通話は片方しか聞こえないから気になる
    というところに共感。

  • 『魔王』を読んだのは大学の卒業旅行の飛行機の中だったから、間が6年も開いている。
    『魔王』の内容はほぼ忘れているが、疲れずに一気読みできる程度には読みやすくて面白かった記憶がある。

    本作も面白くて、普段は平日にほとんど読書なんてできないのに、これはちょこちょこ読み進めていった。
    この作者の作品を読む度に思うことだけど、読みやすさも武器だよなぁ。

  • 伊坂作品は一応刊行順に読んでるけど、間隔が空き過ぎたので作品間のリンクはほとんど忘れている。『魔王』は伊坂作品特有の伏線回収のためだけの説明ゼリフとかはあんまり多くなかったので、続編の本作も割と読みやすい印象。下巻でどうなるか。

  • 前作の魔王の話から約50年後の21世紀半ばの話。恐妻家のシステムエンジニア渡辺が請け負った仕事をきっかけに次々と奇妙な出来事が起こるようになる。魔王の続編かと思いきや、がっつりと続編というわけでもなく、魔王の時と違った面で現在を風刺する場面が感じられました。何も関連性もないような複数のキーワードを同時に入力し検索すると…怖いなー。これだけインターネットが生活の一部になっている現在であり得る話ではないのかな?面白かった!続編が気になる。



    「人ってのは毎日毎日、必死に生きてるわけだ。つまらない仕事をしたり、誰かと言い合いしたり。そういう取りに足らない出来事の積み重ねで、生活が、人生が、出来上がってる。だろ。ただな、もしそいつの一生を要約するとしたら、そういった日々の変わらない日常は省かれる。結婚だとか離婚だとか、出産だとか転職だとか、そういったトピックは残るにしても、日々の生活は削られる。地味で、くだらなくなるからだ。でもって、『だれそれ氏はこういう人生を送った』なんて要約される。でもな、そいつにとって大事なのは、要約して消えた日々の出来事だよ。子供が生まれた後のオムツ替えやら立ち食いソバ屋での昼食だ。それこそが人生ってわけだ。つまり」 「人生は要約できない?」 「ザッツライト」

  • 初見の時には気が付かなかった伏線発見が楽しい2回目。

    佳代子と渡辺の会話で、ルームサービスなりすましの話をしていたなんて、最初に読んでいた時は、華麗に見過ごしてた。

    回収されない伏線は、伏線じゃない。

    私達読者は、伊坂によって計算され尽くされた贅沢な伏線を、どれだけ豪快に見過ごしているのだろうか。

  • 「魔王」、ほとんど覚えてないな(´ェ`)ン-…。
    何となく、もっとシリアスな文体だったような?
    まあ、単独でも楽しめるんだろうけど、漫画誌連載だけあって本書はすごく軽いね( ´ ▽ ` )ノ。

    作者の自己パロ作家、ああいうのは上手い人でも失敗しやすいものだけれど、本作では危ういところで何とかセーフ( ´ ▽ ` )ノ。
    他にも、それこそ「マンガチック(死語)」なキャラが続々( ´ ▽ ` )ノ。
    大石クラノスケ、怖い奥さん、おちゃめな拷問魔( ´ ▽ ` )ノ。
    彼らの挙動やセリフを眺めてるだけでも楽しめるかな( ´ ▽ ` )ノ。

    ストーリーに関しては、まだまだ導入部といったところ( ´ ▽ ` )ノ。
    現実を髣髴とさせつつ、かなり位相をずらした事件や人物( ´ ▽ ` )ノ。
    独裁国家、ナチズム、全体主義、ネットの闇、歴史修正等など( ´ ▽ ` )ノ。
    まあ、伊坂版「1984年」ってところか?( ´ ▽ ` )ノ。
    ビッグブラザー・ウォッチングユー( ´ ▽ ` )ノ。

    近未来ものとしては、コンピューターの専門用語羅列に辟易しつつも、スマホの登場を予期してなかったり、既にしてもう、苦しいところ多々(´ェ`)ン-…。
    まあ、専業のSF作家だってそこには難渋してるんだから、仕方ないんだけどね( ´ ▽ ` )ノ。
    カリスマ政治家、何となく小泉孝太郎っぽくて、これは先見の明( ´ ▽ ` )ノ……まあ、いつの時代にもああいう押し出しの強いカリスマ政治家は何人か出てくるものだけど( ´ ▽ ` )ノ

    「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の直訳が「苺畑さようなら」には笑った( ´ ▽ ` )ノ。

    2016/09/13



    いま2年前に自分が書いた「魔王」のブクログレビューを見てみたら、「うーん……」の一言しかなく星3つ……(´ェ`)ン-…。
    よっぽどつまんなかったのかな?(´ェ`)ン-…

  • 3

  • 自分が念じると相手がそれを口にするという特殊能力っていうことにやはり現実味がなく、不思議な感覚。

  • 上巻を読むだけで面白さが伝わってきました。

    以前、機会があり、ちらりと同作者の「魔王」を読みました。
    今作では「魔王」の事件が過去となり、読み込めば大変面白いのだろうと関心します。
    もちろん、今作が伊坂幸太郎デビューでも充分に面白いかと…。

    テンポが良いので、サクサクと読み進められました。下巻も楽しみです。

  • 前に読んでました。
    本当に、覚えてないな私…。
    前に読んだときは、魔王からの流れで読んだんだな、たぶん…。

    今、自分に見えている相手は、本当に自分が思うような形で存在するのか?
    ネットにあることはその人の価値とイコールなのか?
    真実と事実は?

    拷問とかそういうのあんまり好きじゃないので、暴力的なシーンはサラサラと読み飛ばしてしまいました…こんどは平和なのにしよう。

  • 数年ぶりに。

    初めて読んだ時ほどではないが
    やっぱり怖い。怖い。ぞくぞくする。

    「ゴールデンスランバー」と並ぶ、
    管理化/効率化の進む現代社会の闇部分へ警鐘を鳴らす一冊。

  • 拷問がグロい…
    本を読む時に脳内で映像化される私には辛い

  • 人は知らないものにぶつかった時、まず何をするか。
    「検索するんだよ」

    何でも検索できて簡単にコピペ出来てしまう時代で、自分の書いた文章かと見誤るものを見つけ、ゾッとした経験が多々ある。

    覚え書き
    「偽善とは何だ?」
    「本当は大した人間でもないのに、いい人間のふりをしてるってことだ。」
    「それが悪いのか?誰に迷惑をかけるんだ?本当はいい人間なのに、悪いふりをしている奴のほうが傍迷惑じゃないか」
    「善人のふりをして人を騙す奴がいるだろ」
    「人を騙さなければ?いい人間のふりをするのは悪なのか?善き人間であろう、と振る舞うことは悪くないはずだ。」
     
     押し付けられるのは苦手だし、頼りきって生きるのも違う気がする。
     

    「人に会えるのはね、生きている間だけだよ。」
     
     下巻を読み終えてこの言葉があらためて胸に響く。
     突然、視界が消え、音が消える、というのは眠ったまま目が覚めない状態とは違うものなんだろうか。
     前触れなく近づいてくるその日を畏れることなく、大切に生き抜こう、と桜の花を見上げながら思った。

  • 暗い伊坂ワールド

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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