リベンジ・ホテル (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772266

作品紹介・あらすじ

就職氷河期、大学卒業目前になっても就職が決まらない「ゆとり世代」の花森心平。自信もない。根性もない、もちろん内定もない。そんな心平が入社したのは、支配人も逃げだす破綻寸前の老舗ホテル。売却を持ちかける銀行に「俺が立て直す!」と啖呵を切った新入社員に奇跡は起こせるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 就職氷河期でなかなか就職の決まらない主人公、花森心平。
    そんな彼がやっと内定をもらえたのが、破綻寸前のホテル。
    売却を持ち掛ける銀行と戦い、地元に愛されるホテルにするため、新米ホテルマンの心平は、美人支配人や職場の先輩達と共に奮闘する。
    とても分かりやすいストーリーと登場人物。暴走ぎみの主人公に、こんな新入社員いないよな、と笑いながらサクサク読める。
    ホテルがどんどん地域の人達に愛されていく様子が気持ちいい。
    心平に協力してくれる喫茶店のマスターの言葉「非効率的なことこそ色気になる」には、なるほどなぁ、と思う。
    この本はビジネス小説や経済小説と紹介されていたが、痛快エンタメとして楽しんだ。

  • ダメな新入社員の活躍ぶりに期待して本屋で購入。
    新入社員の心平君が実社会ではありえないほどまっすぐ過ぎて気持ちいい。支配人希の美人ぶりも手伝って、すらすらと読めた。
    ホテル内のドタバタ、銀行との闘い、地域と徐々につながっていく様子、どんどん展開が進み一気読みしてしまった。
    気持ちいいぐらいハッピーエンドだったし、正月休みにちょうど良かった。

  • 利益や前例、効率にとらわれず、まずはやってみる。どうしたら出来るかを考える。

    新入社員、社員がどんどんアイディアを出し、ホテルを変えていくお話。

    アイディアを現実で扱うには難しい部分もあるが、言葉使いなどホテルマンの参考となる所もありました。

  • 新卒として潰れかけのホテルで働くことになった花守心平。オーナーの孫娘の希に恋したり、両親に宿泊してもらうと言う夢を叶えるために奮闘する。

    ホテルに限らず、働く上で大切なのは人間関係だと思う。鬱の話などを聞くと、そこに起因する部分が大きいと思う。話中では、心平のことを気にかける先輩スタッフが沢山、登場してくる。現実の世界はもっとドライかもしれませんが。こう言う人間関係は憧れます。

    銀行との関係や、地域との関係。国際化と言われるけれど、基本は地域性であったり、地元指向だと思う。目先の利益に目が眩んで、海外の団体様を優先的に入れる北海道のホテルなんかもあると聞いたことがありますが、バブルが弾けたらどうするんでしょうね。

    江上さんの小説は、二冊目ですが、経済小説でありながら、読みやすいですね。

  • 就職活動で苦戦しつつホテルに入社。
    新人君の奮闘をつづった小説。江上さんらしい展開です~っと読めました。方の力が抜けていて、面白かったですよ。

  • 「自分達のアイデアがすぐに通りやらせてくれる会社はやりがいがあるだろうな」と思いながら読み切りました。
    地元の人達になくてらはならない存在だと思われる会社は強いですね。
    仕事に誇りをもてることが大事だなと再認識しました。

  • 老舗のホテルに就職した主人公。実は経営が傾いていた。新人らしい情熱と意欲でホテルを良くしょうと考え、上司や支配人の後押しもあり経営難を脱出する。トントン拍子に進むほど甘くないのが現実ですけどね。

  • GWに行きの新幹線でさくっと読了。ソフトなビジネス小説。社会人としての基本が織り交ぜられているのは好印象。読みやすく、少し勉強した気になれるのは良い。
    ビジネス小説として読むなら、三枝さんのシリーズのほうが勉強になる気はする。

  • 物語としては普通なんだけど、ホテルのことを勉強する意味で
    読めば、ただの物語にはおわらない教本として読める。

    銀行が絡んで、経営者の視点ももちながら、従業員のあり方やサービスを
    学べる本という意味でよかった。

  • 読みやすくて一気に読んだ。
    主人公の無茶加減はこういう仕事系の物語によくあるもので、少し萎えた。
    時間潰しには良かった。

  •  源氏鶏太氏のユーモア小説を思い出しました。

     ストーリー自体は単純です。困難に見まわれても主人公の一所懸命さが実り、事はうまく運んで迎える明るいエンディング。
     深みに欠けはしますが、読みやすく安心感があります。

     ただ『非効率から色気は醸し出される』などビジネスマン経験者らしい金言が印象的で、グッときました。

     ☆4つつけましたが3.5ぐらいかなあ。

  • 11/1~11/6 5冊目
    以前父がくれた本を積んでいたため消化。

    就職氷河期により破綻寸前のホテルにしか就職できなかった主人公をはじめとするホテルの従業員たちが、ホテルを守るために奔走する物語。
    ホテルマンとして働く上での心がけを軸に物語が進んでいき、主人公の若さからくる情熱がほかの従業員を巻き込んでいく描写が全体を通じて綴られている。
    刊行が古いこともあってか、仕事に対する考え方が現代と異なっている印象が強く、とにかく熱意的で、ある意味現実離れした行動をとりまくる主人公に驚いてしまった。
    個人的にそこまでハマるものではなかったが、ただ社会人として働いていく上で参考になる部分はあったように感じた。


  • 久々の大外れ。

    ゆとり世代の新入社員が老舗ホテルを立て直す、というコピーだが、ゆとり世代感、ビジネスのリアリティともに感じられない。着想に技量が追い付かないと言っては失礼か。江上剛なのに。^^;

    最後に参考文献読んで、リッツカールトンのクレドを下敷きにした読んで学べるスタイルを志向していたのか、と思ったが、自分自身がターゲットからかけ離れているのか、普通にリッツの本読んだ方がマシなのではないかと思ってしまった。

  • 就職の決まらない大学卒業目前ゆとり世代の心平が、破綻寸前で地域唯一の古ホテルに入社し、売却を迫る銀行を躱し、一目惚れした新支配人とホテルを守る為奮闘する。団結する従業員一同が明るく前向きで頼もしい。一生懸命なあまりお客様に尽くし過ぎる面も問題にはならず、影が全くない様は軽いけれど嫌な負担がなかった。

  • 落ち目なホテルに就職した若手が、その熱さでどんどん復調して行くお話。

    まぁ現実はこんなにうまく行くかよ!って感じではあるけど、若い頃の想いというか、がむしゃら感というか、そんなものを思い出させてくれた。ストーリー自体は分かりやすいし、読みやすいのでサクサクと。

  • また読みたいな

  • もしドラを読んでいるような錯覚?を感じました。
    う~ん、2匹目のドジョウはいなかった…

  • サービス業をしたことがない人が書いた
    サービス業実用書みたいな話。

    そもそも成長していく話運びなのに
    勝手にスキルアップしてっちゃうのが解せない。
    いったいその話し方はどこで身につけたんだ。
    その癖一般教養というか社会人としてのイロハを学んでない。
    三章でトーンダウンした。

    江上さんは好きなのだけれども。これはいただけない。

  • ドラマとか、映画みたいな現実ではありえないような成功モノの話。
    主人公の性格がとてもまっすぐで、読んでいて応援したくなった。

  • 経済小説として読むと若干違和感あり。社会人としてかくあるべし、と説いてくれたと理解すれば最後まで楽しいかも。私には「そうですか」という感想だ。

  • 2016.2.29読了

  • 心平君 頑張ってますね
    誰もが思う就職が出来ない中、たまたま入社したのが、ちょっと、、、、難ありホテル
    元気が出ました\(^_^)/

  • 図書館の返却本の中からふと借りた1冊。スッキリとした読了感。ただ、あまりにもうまく事が運びすぎて所詮は作り話だなという感じ。サラッと読めるしドラマなんかにしたら面白いだろうな。

  • 読みやすいけど、いろいろうまく行き過ぎて拍子抜けしてしまう。ひとつひとつの出来事があっさりしていて中途半端に感じました。

  • 読みやすい文体で、サクセスストーリーぽくて、読み終わって、爽やかな気分になる。
    内容は、地方の落ちぶれたホテルビクトリアパレスに、新入社員の花森心平が入社し、彼の真っ直ぐな情熱で、やる気のない先輩達を徐々に前向きな方向へ導く。ホテルが銀行から貸し剥がしにあいそうになるが、やる気の出したホテルマンと地域の人々を巻き込み、存続へと持っていく。

    『兵は拙速を尊ぶ』…多少作戦に問題があっても、早い方がいい。孫子の教え(ごちゃごちゃ考えて言うより、まず動け

  • 東京都H市とあり、何となく地元を思いうかべながら読んだ。
    自己啓発本に近い本ですね。

  • 2014.11.5読了。
    破綻寸前の老舗ホテルに就職した主人公、花森心平。そんな心平が新入社員らしい破天荒さとフレッシュさでホテルを少しずつ変えていく物語。
    読了時、私も新入社員ということも相まって心平の考えや仕事のやり方には共感できる場面が多々出てくる。決して展開が早いわけではないが物語序盤からグイグイと引き込まれ、すらすらと読めてしまった。文庫本ではあるが、自己啓発本としても私には大切な一冊となった。

  • 軽くて、心温まる2時間ドラマ風。
    ただどうしても200社近く受けて内定がひとつも引っかからない程度の学生さんが、何でもスーパマンのように積極的にすぐこなしてしまうのが不自然。

  • 就職が決まらなかった主人公が、
    その場で内定をもらったちょっとさびれたホテル。
    最初はやりがいなども感じられなかったお仕事に
    少しずつ自分がやれることを見出して成長していく過程が、
    自己啓発の本としても楽しめる。

    最後はちょっと頼もしくなった主人公に、
    私もこうなりたいと思った。

  • 単純な新人成長物語だけではないところが気に入った。仕事のイメージや仕事に対するモチベーション、前向きでいることの必要性なども感じた。
    読後に、江上剛氏の出身が丹波市だとわかって、より深く心に響くものを感じた。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。77年、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。人事、広報等を経て、築地支店長時代の2002年に『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。03年、49歳で同行を退職し、執筆生活に入る。その後、日本振興銀行の社長就任、破綻処理など波瀾万丈な50代を過ごす。現在は作家、コメンテーターとしても活躍。著書に『失格社員』(新潮文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)、『我、弁明せず』『成り上がり』『怪物商人』『翼、ふたたび』(以上、PHP文芸文庫)、『50代の壁』(PHP文庫)など多数。

「2023年 『使える!貞観政要』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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