カーリー <2.二十一発の祝砲とプリンセスの休日> (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062774932

作品紹介・あらすじ

象に乗ってオルガ女学院に転入してきたバローダの第一王女・パティ。彼女のわがままが元で学院は大混乱。ルームメイトのカーリーを奪われたシャーロットも落胆する。しかし、パティの秘めた恋を知った時、少女たちは結束する。戦争や時代に抗うために-。第二次世界大戦の開幕までを描くシリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第二弾。
    第二次世界大戦の開幕までを描いた一冊。
    英国統治下のインド。名目上はイギリスから独立権を得ている藩王国パンダリーコットの中にある小さなイギリス人社会。イギリス役人の子女をいっぱしのレディに教育することを目的とした寄宿制の女子校が舞台。
    ヴィクトリア朝のしきたりを重んじる淑女たちが集う寄宿舎で、悲喜交交。
    王女という立場に生まれながら、一介の新聞記者に恋をする。あまりにかけ離れた身分に、惹かれながらも...
    下手をするとB級ラノベになりそうな題材だが、そこはさすがの高殿氏。
    歴史に翻弄され、宗教と政治の道具にされながら自由を一時は求めるが...
    ここ最近の、イギリスのチャールズさんもこんな感じだったのかねー。
    うっかり、目頭熱くさせられました。

  • 再読。第二次世界大戦がはじまりつつある時代の、インドの女子寮が舞台のラブコメ・ミステリ・時代もの。やー、私これ好きだなー、改めて実感しました。出だしのカーリーの暴発にニヤニヤし、プリンセスの暴虐にうぷぷとなり、他人の動向に気づかないシャーロットに後ろ後ろ!と言いたくなったり。そしてラストの「告白」ではやはりぐっときて。もーいろいろと詰め込みすぎ(笑)。荻原規子さんが好きなひとも楽しめそうな女子校ものでもあるのです。

  • ラストで物語が大きく動いた巻でした。今回はカーリーの出番は少なめで王女パティが暴れます。そのパティの魅力的でもう…。ここで寄宿舎編は終わりか〜〜。登場人物たちみんな時代の荒波に翻弄されててハラハラする。次巻も読んできます。それにしても意地悪でツンデレなヴェロニカが可愛いかった!

  • シリーズ2冊目。面白かったです。
    当時のインドのことは知らなかったですが、歴史の波に少女の身では翻弄されてしまうのではないでしょうか。プリンセス、パティの決意がかっこよく、そして切なかったです。でも彼女は前を向いてしっかり生きていける女性です。ヴエロニカにも彼女の信念、野心があり、そうだったのかと可愛らしく思えました。
    そして、主人公シャーロットにとっては転換点。母のこと、弟のことを知ってしまいます。シャーロットとカーリーはどうなってしまうのか、次巻が楽しみです。

  • インドの王女 パティの恋とカーリーが可愛い巻。

  • 1巻より話の展開があっていい

  • 1巻ではまり早速2巻目。

    ローマの休日かっ!と思いきや、最後に見せた王女さまの決断に涙がでそうでした。
    そして、主人公・シャーロットとルームメイト・カーリーのヒンディ語のレッスンシーンが好き♪
    ヒンディ語がまだよくわからないシャーロットに甘い言葉を言わせて「たまらん・・・・・・」と言うカーリーが私にはたまらん(笑)
    シャーロットから好みのタイプを聞き出しメモしたり、身長を伸ばそうと吐くほど牛乳を飲んだり、色々なものを背負っているカーリーが垣間見せる普通の少年っぽさが微笑ましくて、このままでいれたらいいね、と思わずにはいられませんでした。
    これから時代が、国が、大人達が、そうはさせてくれないのがわかるだけに。

    そして先が気になって、3巻目もイッキに読んでしまうのでした・・・

  • 2015.8.5読了。

  • 象に乗ってオルガ女学院に転入してきたバローダの第一王女・パティ。彼女のわがままが元で学院は大混乱。ルームメイトのカーリーを奪われたシャーロットも落胆する。しかし、パティの秘めた恋を知った時、少女たちは結束する。戦争や時代に抗うために――。近づく大戦。英国とインド、引き裂かれる少女たち。「あなたはこれからもイギリスのために生きるといい。私も、これからはインドのために生きる」

    ああ、ついにこの瞬間が来てしまったかとラストシーンをはらはらしつつ迎えました。何も知らないままでいてくれたらと願いながら、それは無理なことだと分かっていて、それでもシャーロットを守りたかったカーリー。アムリーシュのことを気にしつつ、目の前の駆け落ち作戦に自分の願いも込めて協力するシャーロット。二人の絡みは1巻より少なめですが、なぜか甘いです(笑)パティとエドワードの結末には泣けた。気づいたときのパティを思うと切なすぎる。彼女が幸せな人生を歩めますように。いったいこの後どうなるのぉ!?と悶えつつ3巻を手元に準備万端!

  • 前巻後半で一気にシリアス展開になったけど、二巻はほわほわの女子寮生活…?と思いきや、しっかり濃い物語でした。あらすじとして書いてしまうとありがちだけど、時代や立場による制約・責任と、個人の自由・幸せの間で悩んだ王女様の最後の決断が素晴らしく喝采。切ない恋と青春、という以上の重さがありました。そして悶々とするカーリーかわいい!「牛乳、小魚、たまごが!」に爆笑。後は舞台がWWⅡ前後のインドで世界情勢がかなり入り組んでいるので(精通していなくても読めるように配慮されていますが)、勉強したくなりますね。。

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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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