1984 フクシマに生まれて (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777636

作品紹介・あらすじ

1984年に、同じ福島県で生まれ育った二人が、難病、311、原発、社会変革などをキーワードに、6人のゲストと語り合う!

感想・レビュー・書評

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  • 積読解消プロジェクト

    2014年に購入して5年も積読してしまった。その時に読むべきだった。とは言え、2019年の今まで残る課題も多く、読んで損はない。

    個人的に対談本ってあまり得意ではなく、本書はさらに鼎談なのでますます不得意感が出てしまった。
    雑談のような、自然と会話に巻き込まれていくようなライトなものではない分、気合を入れて読まないといけない気がした。開沼さんも大野さんも思いが強く、それはそれで伝わるものがあるけど、鼎談のお相手の思いが埋もれてしまうように感じる気もした。

    その中でも
    著者二人の熱い思いをいなしながら思いを語った小鷹氏
    著者二人の投げかけを跳ね返す力説だった森氏
    は印象的だった。

  • 1984年福島生まれという共通点を持つ、大野更紗さんと開沼博さんをメインに、6人のゲストを呼んだ鼎談集。それぞれかなり面白い話が読めます。やはり3.11からの原発問題は根底に流れつつも、障害・難病のこと、保育の話、メディアやジャーナリズム、既存システムをどう変えていくか、変えられないのか、などなど話は多岐に渡ります。何しろこのメインの二人をはじめ、基本「自分で行動」してきた人たちの話。経験・実体験に基づいた話が興味深いものになるのは当然かなと。

    一つ難癖に近いモノを挙げるならば、文章は少しキレイにまとめられすぎているのが残念。それぞれの言いたいことはちゃんと書かれていると思うのですが、もう少し口語というか、鼎談の雰囲気を伝えられる文章だと嬉しかったな、と思います。

  • ゲスト6人(川口有実子さん、駒崎弘樹さん、小鷹昌明さん、森達也さん、茂木健一郎さん、金富隆さん)を迎えての開沼博さんと大野更紗さんの対談。
    お若くて賢いお二人が社会を変えていきたい一心が溢れており頼もしく読了。
    中でもALS協会理事の川口さんのお言葉がずっと残っている。進行性の病気の方に接しておられるからこそ、今日がベスト!「今日は明日よりいい」との患者さんの言葉に切実を感じ、時間の大切さを深く感じた。

  •  前を向いて生きている人たちの話を聞いた感がある。

     いや、世の中で生きてる人は、大抵前を向いているんだろうと思うんだけれど。ただ、身近なところ、たとえば職場の飲み会だったりすると、ポジティブな発言をすると「意識高い系」と思われ、ネガティブな自虐ネタの方がウケる印象である。

     名前を出して、前を向いて生きるっていうのは力になるのかもしれないなーって思った。この本で語られていることは決して明るい話ではないのだけれど、力づけられた。

  • ガラガラポンは言うは易く、実際には難しい。
    変えられるところから、変えていくしかない。
    その積み重ねでいつの間にか大きく変わっている、というのはその通り。

    震災後の状況は年々変わっており、数年前の言説は既に古びてしまっている。

    福島出身でありながら、ありがちな反原発原理主義でなく、むしろそれに批判的立場であることに共感した。

  • 鼎談された方々の著書もぜひ読みたいと思った。

  • 序章で読みやめなくて良かった。。。でもかいぬまさんはいなくてもよかったのではと思ってしまいました。あまり良い質問や発言をしてくださっていない。読み進めるうちにそれなりに活動をしていらっしゃるんだろうなあとは垣間見えるんですが、だから実際何したんだよ!と苛ついてしまいました。

    大野さんはいつも通り、さすがの切り口で例も豊富に広げてくださり、面白かったです。

    この二人にして場を作らないと企画として通らなかったのかな。たぶん何か抜けきらない売れ行きの予感。

    とりあえず学者さんは謙虚さがないと本当にどうしようもねえと思いました。何度も書くけど序章ほんとにむかつきます。大野さんが自分の立場から発言するということに対して真摯に述べた責任を負いすぎているのではという謙虚さ、それを意に介さない態度。学者は引責なんか出来ないと思う。ある間違った言葉で命を奪われた人がいたとき、その発言者が失墜したところで何もならないと思うんですが。

    現地に入って寄り添ってとおっしゃってて、多分ご本人にお会いしたらきっと良い人なんだろうなあとも思うんだけど、この人は寄り添う心より学者物書きとしての自分への自己愛が仕事欲として出ちゃってて、うえええ共感能力低いなあって嫌悪してしまう。ました。

  • 更紗さんと開沼さんの視点が違うので話しが広がって
    いき、おもしろかった。

    どのひとも考えてすでに行動しているひとたちというのもあり。

    ハンナ・アーレントの映画を見たばかりのせいか、森達也さんとの対談後に更紗さんの
    ”「そこに悪人はいなかった」にもかかわらず起こった、取り戻しようのない惨禍について。一体どうやって社会は向きあい、傷を癒して、前に進むことができるのでしょうか。”
    というくだりが印象に残った。

    また読み返したい本。

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