「脳疲労」社会 ストレスケア病棟からみえる現代日本 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883498

作品紹介・あらすじ

 1新聞をあまり読まない、見出しに目を通すぐらいになった
 2テレビを見なくなった、見ても笑わない
 3食欲が低下して、好物に箸をつけない
 4休日の外出を嫌がるようになった
 5家でもくつろげず、落ち着かない
 6家族との些細なやり取りにイライラする
 7ちょっと動いただけで疲れたと言う
 8起床時間が遅くなってきた
 9朝の身支度にも時間をかけない……

 以上のポイントに多く当てはまる場合、前うつ状態=脳疲労にあるかもしれません。約1000万人の勤労者が陥っているともいわれる脳疲労。長時間の労働、職場での人間関係からストレスをためこみ、判断力、集中力が低下してしまいます。肉体疲労とちがって、なかなか疲れを実感できないうちに、気づいたら症状は悪化し、うつ病に至るというケースはじつに多くあります。
 全国ではじめてストレスケア病棟を開設した医師が、ストレスの原因、対策を説き、脳疲労という現代日本が抱える病理を描き出します。

感想・レビュー・書評

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  • 本の中のテストをしたら、わたしは34点で完全に脳疲労、夫は12点で問題なしでした…!

    この本を読んでから、仕事70、家庭30を頭に入れて仕事してます。

    人間関係についても、自分を犠牲にして付き合うのはやめよう、疲れた時は休もう、困った時は頼れる人に相談して決めよう、と素直に思えました。

  • ストレスに満ちている現代社会に必須の本だと思った。

    「うつ病はいきなり発症するわけではなく、その前段階に『脳不調』、前々段階に『脳疲労』という状態になる」とのこと。

    うつ病は何となく気がついた時には発症している、という勝手なイメージを抱いていたので、この「脳疲労→脳不調→うつ病」という進行のメカニズムを知ることができてよかった。

    脳疲労の段階でちゃんと気づき、いかにセルフケアをするかがうつ病を防ぐ上で大事になると思った。午睡や遠くを見ることはすぐにでもできるので実践したい。

    「人生の正午」はまさに今の自分のことなので、「エネルギーの7割は職場に、3割は家庭に」も意識しなければいけない。

    マインドフルネスについても色んな本に出てくるので、現代社会では必須なのかも。学ぼう。

    うつ病の再発率が高いことにも驚いた。

    うつ病で入院する職業の筆頭は教師である、というのはやっぱりなあ、という感じ。

    あとがきに書かれていた「人間同士のエネルギーの交換」の話は希望を持てる話だった。ここにヒントがありそう。

    道元の「花の色、美なりと云えども、独り開くるにあらず、春風を得て開くるなり」という正法眼蔵の一節も心に沁みた。

  • 最近頭が回らない…と感じることが多かったので手に取ってみました。
    「脳疲労」が進むと「うつ」になってしまうそうなので、自分でちゃんとケアすることが大事だと思います。

  • 2023年9-10月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00523000

  • うつ病予防の視点から、脳疲労、脳不調における対策について述べ、うつ病にまで悪化させない方法や健全な状態にまで戻す対策を紹介。さらに、うつ病治療の経験から、うつ病ひいては現代人の背景に潜む心理にも言及する。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40235199

  • 参考図書

  • 自宅療養は危険と書いてあります。例えば、子供からなぜ、お父さんは仕事にいかないの?と尋ねられたら、ますます、申し訳なさ感が亢進し、うつが悪化する。 15年前の僕がそうでした。本書は、うつ病患者を減らすには、長時間労働をやめて、大人の社会を変えなくてはいけない、と書いてあります。 希望の書です。

  • 文字通り、脳疲労から来る様々な障害などについて語った一冊。

    当事者としても、そういう人を職場で抱える管理職としても、参考になる一冊。

  • 「脳疲労」といううつ病の前段階に関する新書。
    肉体よりも頭脳の働きが重視される現代において、視覚を中心とする脳の疲労は深刻化しており、うつ病が急激に増加している原因になっている。
    本書では脳疲労の解説に加え、脳疲労を生み出す社会全体の構造や周りの人々の理解不足についても言及している。
    著者はうつ病のリハビリ病棟を経営しており、実際に患者が筆者の元を訪れてから回復するまでの現場の雰囲気が伝わり、たいへん勉強になった。

    また個人的な話だが、私自身(大学4年生)を取り巻く環境がうつ病を誘発しやすい環境であることを再認識させられ、気を付けなければならないと思った。

  • 頭の働きが悪くなった「脳疲労」状態の時に、脳が疲れてるのを自覚して休息を取るのが重要。
    それでも無理して脳を疲れさせると「脳不調」からの「うつ病」に進んでしまう。


    副題に「ストレスケア病棟」とあるから色々な年代や性別の症例を期待したら、働くお父さんに偏っていたし、妻が夫に声をかける時はこんな感じで、という例が書いてあったのは不満。ストレスを感じるのはサラリーマンだけではないし、夫が入院している間にも仕事などをしている家族の様子も知りたかった。

  •  著者が「ストレスが当たり前の社会」と述べているように、ストレスと無縁の人生を送るのは困難な時代となっている。
     
     先週、「世界でいちばん貧しい大統領」と親しまれている前ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏が来日して話題になっていた。ムヒカ氏は、「日本人は本当に幸せなのだろうかと自問した」と述べたそうだが、ストレスの多い現代日本で生きる者として考えさせられる。

     脳疲労がどうして起こるのか、起こった際の対処法、うつ病にかかった時あるいはうつ病を予防する手段などが述べられている。

    ムヒカ氏に関する記事

    http://www.nikkansports.com/general/news/1627544.html

  • 2016年3月新着

  • ストレスがあるのは現代だけなのだろうか?難しい問題です。

  • 鬱病は脳疲労や脳符丁の段階で、頭痛、肩こり、食欲不振、胸の苦しさなど自律神経失調症が起きる。
    鬱病は治療と予防の2点に集約される。

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著者プロフィール

一九四八年福岡県生まれ。昭和大学医学部卒業、福岡大学大学院医学専攻科(精神分析学)卒業。現在、医療法人社団新光会理事長、不知火病院院長、福岡大学医学部臨床教授。日本ストレスケア病棟研究会会長。一九八九年、日本で初めてうつ病専門病棟「ストレスケアセンター・海の病棟」を開設。主な著書に、『ストレスとうつ』(西日本新聞社)、『カウンセリングナース――新たな看護手法を求めて』(編集、昭和堂)、『働きすぎのあなたへ――新・ストレス処方箋』(海鳥社)、『スピッティング! 職場のいじめ』(共著、NHK出版)がある。

「2016年 『「脳疲労」社会 ストレスケア病棟からみえる現代日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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