- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062922104
作品紹介・あらすじ
科学は万能か--。19世紀以来の科学主義イデオロギーを解体し、科学哲学の本来の哲学的課題、科学的理性批判を唱える刺激的論考。
感想・レビュー・書評
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講義の中で科学史とかあったけど、科学論そのものへの歴史負荷性とか全く考えたことがなかった。たぶん、これまでずっと科学史関連は薄っぺらなモノしか私の周りにはなかったのだろう。私自身の意識も、教授/教諭と呼ばれる人たちの教え方も。実際、本書を読んでみてようやく「方法序説」の凄さが分かった気がする。「科学革命の構造」も読んでおくべきだったかも。
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20世紀の科学哲学の基礎を少しだけ学んだ後に、もう少し踏み込んだ議論を眺めてみたいと思って手に取りました。野家先生の80-90年代の論文をいくつか纏めた内容となっていますが、クーンのパラダイム論、クワインのホーリズムからネオ・プラグマティズム、はたまたサイエンス・ウォーズの話まで、入門的な本より少し踏み込んだ議論を平易な文章で読むことができます。
ウィトゲンシュタインのアスペクト論に関する話は少し難しく感じます。 -
収録されている論文自体の初出が80年代、90年代であり、
ハンソンの「観察の理論負荷性」クーンの「パラダイム論」
クワインの「知識の全体論」ウィトゲンシュタインの
「アスペクト知覚論」と扱っている主題もやや古さを感じ
ざるを得ない内容ではあるが、科学哲学について知ろう、
学ぼうという者にとっては一度通っておいた方がいい書籍
だろうと門外漢の私でもそう思う、充実した内容であった。
もちろん、これまでの予習があったからこそ、そう思うの
だろうが。
内容が見事にまとめられているので、読むのを悩んでいる
人はまえがきを一読することをお勧めしたい。