今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940351

感想・レビュー・書評

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  • 連続通り魔・昭和の辻斬り事件の七人目の被害者は呉美由紀の友人・片倉ハル子だった。既に犯人は逮捕されていたが、何か釈然としない思いを抱えていた美由紀は中禅寺敦子に相談を持ちかける。次第に明らかになる「刀」に纏わる因縁。本当の鬼は誰かーー事件の真相に迫る。敦子と美由紀はなかなか良いコンビ。終盤の美由紀の畳み掛けるような台詞は読んでいて爽快。内容が朧気だけれど、この話はもしかして「鬼談」と繋がっていたりするのかな?

  • 百鬼夜行シリーズのファンとして、即読了した。

    テーマである鬼の知名度に似合わず、事件は本編に比べ小さく、謎も控えめ。登場人物も、敦子が合理的すぎて、めちゃくちゃな榎木津が恋しくなったりする。これまでの登場人物が登場して、スピンオフとしておもしろい。

    それでも、怪しさはさすが

  • 昭和の辻切り事件。七人目の被害者の女学生の友人の話を聞く中禅寺敦子。被害者の彼女はとても怖がっていたという。
    久し振りの百鬼夜行シリーズようやく読みました。いやあ面白い!
    ほぼ会話劇で展開される辻切り事件の真相。ラストシーンの胸のすく啖呵。いやあ面白い。

  •  初京極夏彦です。260ページなので確かに読むのは大変でなかったです。ただ、シリーズものらしいので、この本では登場しない、おそらく本編で出ているらしい登場人物の名がよく出て来るので、やっぱり薄いからと言ってシリーズものの前のを読まないで突然読むのは、本来良くないのかも。
     あと、これは私が勘違いしていたのが悪かったのですが、タイトルの響きから、ホラーと思い込んでいて、超常現象がある世界、今に鬼やら魔物やらが登場するのだろうと思い込んでしまっていたため、「あれ?」でした。超常現象は無い、恐ろしいのも犯行を実行するのもあくまで人という世界らしいと気がつけば、犯人自体は予想が当たった感じ、納得いく結末でした。

    面白いと思った個所:ネタバレあります。
    (p.52)敦子が賀川に語るでっちあげの研究内容、「殺人事件が起きた時、どれくらい距離が離れれば認識が変わるのか」、実際、こんな研究されていたら興味深い。人には共感力があり、他者の不幸や事故に親身になれる一方で、他人事、一瞬後に通常生活に戻り、ご飯も食べたりするのは実際あると思うので。

    (p.109)「不幸な諸事は、多く理不尽で不条理なものである」「判り易い原因を用意し、安定した構図に放り込むなら、理不尽も不条理も解消してしまう」「人は安定を求める。時に差別的な眼差しを抱え込んでまでも安定を求めるものである」
    この部分は、非常に行動経済学らしいというか、様々な場面で心の安心を得るために、〇〇になったのは××だから(私は××でないから大丈夫)というような、バイヤスは気づかず自己防衛で行っていそうに思います。

    (同)「抗えない故に、人は多くその超自然的で神秘的な理念を、今度は信じないと云う方法を取る。この先待受ける不幸を回避するために」「信じようが信じまいが、人の想いとは無関係に起こることは起きる」「用意された構図に当て嵌まってしまうことがある」「信じないようにしていた超自然的で神秘的なものを、信じざるを得なくなる」という流れ、最初に読んだ時には、超常現象有りの世界を語っているのだと思って読んだのですが、読み返すと、なるほどと正反対の理論がキッチリ納得の形であったことに、やっと気づきました。

    (p.117)「祟りだとか呪いだとか因縁だとか、そういう話に掏り変えちゃうと」「現実から目が遠退いちゃう」「全部お話にしちゃう感じ」「言葉と云うのはそう云う効果を持っている」「事実も簡単に捻じ曲がる。記憶も改竄される」
    同様にココも、読み返すと一層なるほどと印象に残った。挿入されたこういう言葉を、つい作中のことに対する説明としてだけでなく、他に当て嵌まるリアルな世界のことが作中にメッセージとして挿入としているように読めました。

  • 鬼が悪いのか。人が悪いのか。モノが悪いのか。

    京極にしては短すぎるので病院の待ち時間で殆ど読んでしまったぞ。

  • やっと読み終わった〜!
    去年の10月位から読み始めて、途中で挫折しそうになって……。
    京極夏彦さんの本は1度「姑獲鳥の夏」を買ったは良いけど、何となく難しくて手放したから、今度はー!と思ってたけどやっぱ乗るまで時間かかるなぁ。
    鬼ってその鬼かー!!って思った(笑)
    思わず1人で叫んだ。
    そうなると、確かに怖いねぇ、刑事が言うような理屈じゃ通らない事なんだろうね……?
    京極夏彦さんの本読みたくなってきたので、探してみようかな〜!

  • 姑獲鳥の夏とか、読みたくなった
    最後に一気にスッキリする、あの感覚、良い。

  • 2020年2月23日読了

  • 久しぶりの京極夏彦でした。京極堂シリーズの「絡新婦の理」からのスピンオフ的な中編ですが同書を読んでいなくても大丈夫だと思います。ただ同シリーズ未読だと独特の読みにくいけど癖になる文体がとっつきにくいかもしれません。京極堂シリーズの登場人物は軽く触れられる程度ですがそれでもにやりとしてしまいました。というか新作が読みたいですねー。

  • 久しぶりの京極作品。面白くて結構なスピードで読んでしまった!昭和29年、連続通り魔事件と7人目の犠牲者・片倉ハル子についての謎を、京極堂の妹・敦子と女子校生の美由紀のコンビが解いていく番外編シリーズ。
    ずっと人が話してるだけなのに、面白かったし、本は薄いのに読み応えはありました。片倉家の歴史(途中で迷子になって何度も戻った)鬼の刀の歴史(まさか新撰組まで出てくるとは!)、人間の闇。。賀川刑事のキャラもよかった。個人的には、大垣のおじいさんのキャラが好きだった。
    久しぶりに、分厚い京極シリーズに手を出したくなった作品でした。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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