- Amazon.co.jp ・マンガ (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063140767
感想・レビュー・書評
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宿主である高校生のシンイチと、彼の右手に寄生したミギーが、人を喰らう寄生獣たちと闘うホラーバトル第八巻。
子を産み、育て、思索を続けた寄生獣、田村がたどり着いた答えとは。そして帰ってきた"新一"。物語の始まりから寄生獣の立場から客観的に人間存在を問い続け、ミギーとともに人自身から離れた視座からの考えをシンイチに与えてきた田村(田宮)。明確な答えはなくとも、その思いは確かに届いた。
一区切りついた物語は、次の展開に向け新たにヒトと寄生獣の間をつなぐ人間を表舞台へと引き出す。ある意味寄生獣と人の境界をあいまいにする彼の存在はどう今後に影響していくのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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■書名
書名:寄生獣(8)
著者:岩明均
■概要
「なぜ寄生生物は生まれたのか?」自身の存在に疑問を抱く寄生生物・田村玲子。
しかし、本能のまま人間を補食しつづける仲間たちは彼女を危険視し始める。
また、家族の命を奪われた探偵・倉森も田村玲子への復讐を開始するのだった。
自分とは異種である人間の子供を誘拐された田村玲子のとった行動とは―。
人間とは?寄生生物とは?今、下される1つの回答。
(amazon.co.jpより引用)
■感想
なかなか衝撃的な巻です。
田村玲子編はここで幕を下ろします。
こういう部分が、この作者の天才的な所だな~と思います。
メインキャラクターを殺す時の言葉、態度が非常に印象的です。 -
自分のよく知っている人が密かに異星人に置き換わっているという話はジャック・フィニィ『盗まれた町』だが、『寄生獣』の寄生生物は宇宙から来たわけではないみたいだし、侵略者と戦う英米SFと違って、日本の作品は単純に敵味方と割り切れないぞ。
第7巻が戦闘のクライマックスなら、第8巻には情緒的なクライマックスがひとつ用意されている。新一の「胸の穴」である。母親に寄生したパラサイトによって穿たれた胸の穴はミギーのおかげで修復され瘢痕が残るだけなのだが、心理的な意味での「胸の穴」が物語の底流として問題となっているのだ。あるとき、手相見が新一を診断して、胸の穴を開けた相手に会わねばならないと占うのだが、それに対して新一は人殺しの顔をして「そいつなら殺した」と言うという場面があったのだが、それが伏線となっている。穴を埋めに来たのは「田宮良子」なのである。
人間側は警察の捜査が進んでパラサイトの存在と「広川」市長グループにより支配されている市の存在もつかんでいる。
警察がパラサイトかどうかを調べる秘密兵器が登場する。猟奇的連続殺人犯である。彼は殺人者としての勘で相手が人間か人間以外のものかわかってしまうのだ。パラサイトが人間を食べているところを目撃したしまったこの殺人犯、なんだ俺と同じことやってるんじゃないかと言うのだが、「寄生生物と人間は1つの家族だ。われわれは人間の『子供』なのだ」という「田宮良子」が新一に告げる「結論」とそれは呼応している。人間もパラサイトも一緒。
永井豪の『デビルマン』では人間のほうこそが悪魔だといって不動明が絶望する場面がある。それに対して寄生生物と人間は1つの家族だという「田宮良子」の言葉はあたかも希望を語っているかのようだ。何の希望だかよくわからないが。 -
これは感動した。母性って一体なんだろう?全ては樹の中に…
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自分が寄生した人間と言う生き物を知りたい、と言う知的探究心を抱き続けて探る内に人間の感情や心までも学んだ田村玲子の最期が切ない。学習する人工知能の話に通じるものを感じだ。
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久々に魂ふるえた田宮玲子の死に際!
いよいよ人間と寄生獣との戦いに決着がつきそうなにおい。
クライマックスは近い! -
一区切り。そして、より、熾烈に。最後の言葉は今後の暗示になっている気も。
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田宮玲子は死に際に何を思っていたのか・・・
深い悲しみにより、涙を取り戻した新一。
とても感慨深いシーン。
殺人鬼・浦上を利用しての、「狩り」はいかなるものか?!