対岸の家事

著者 :
  • 講談社
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  • / ISBN・EAN: 9784065122006

作品紹介・あらすじ

ひとりひとりに、かけがえのない物語がある――。

「専業主婦なんか、絶滅危惧種だよね」
村上詩穂は、今ドキ珍しい「専業主婦」。居酒屋に勤める激務の夫と、おてんばな2歳の娘。決して裕福ではないけれど、家族のために専業主婦という道を選んだ詩穂のまわりには、同じ主婦の「ママ友」がいなかった。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。誰でもいい、私の話を訊いて――。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったか迷う詩穂のまわりには、苦しい現実と戦う人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても仕事を休めないワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、患者たちに揶揄される主婦。外資企業に勤める妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てる公務員。夫に先立たれ、認知症の兆候が見え始めた中年の主婦と、結婚よりも仕事を選んだその娘。頑張り続け、いつしか限界を迎えた彼女たちに、詩穂は専業主婦として、自分にできることはないかを考え始める――。

どうしてこんなに大変なんだろう?
特別なことなんて、ひとつもない。何気ない日常でさえ必死でもがく人たちを描く、リアルファミリーストーリー。この本を読めばきっと、明日が来るのが待ち遠しくなる!

感想・レビュー・書評

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  • もう、、、共感しかない!!


    わかるー!そうなんだよー!!!
    と叫びたくなるのを抑えながら読んでました


    専業主婦
    ワーキングマザー
    育休パパ
    不妊治療中の妻

    いろんな人がいて
    いろんな悩みがあって
    どの悩みもわかるよ、、、
    と泣きそうになりながら読みました。
    いや泣いてました。



    どの問題ももはや子育て中の身としては
    当たり前のことだけど
    当事者じゃない人には知らないことなの????
    それが信じられない…
    だから子育て支援の政策は
    ちがうでしょ!!っていう政策ばかりなのか…


    すぐにでも政治家にこの本を読んで欲しい!!笑
    これが現実!助けてください。
    主婦の孤独さを知って欲しい。
    仕事との両立の本当の意味での大変さも知って欲しい

    保育園作ったら終わりじゃない!
    待機児童ばかりに目を向けないでー!
    入れるのも大変だけど
    入れた後も大変。
    体調崩しまくる子どものために
    仕事休まなくちゃいけなくて
    肩身も狭いし、
    体調悪くなる子どもを
    恨めしく思ってしまう日もある。
    本当は体調悪い子どもに
    寄り添ってあげなきゃなのにできない
    そんな自分も嫌で、
    なんのために働いてるんだろうって
    自己嫌悪に陥ってく…

    おっと愚痴っぽくなってしまった。
    でもこれが現実なんです。。
    こんなんじゃ少子化進んでもしょうがないと思う。
    ホントに無理ゲー。



    誰もが希望を持って
    のびのび子育てできる社会になってほしい


    そのためにはイマイの業界を育てるという発想が
    すごくいいなと思った。

    今の私にできることは
    困ってることを訴えかけること
    頼れる存在を作ること
    適度に力を抜くこと
    ですね!


    窮地に陥ってる時の女性たちは
    とても辛そうでいっぱいいっぱいでしたが
    少し希望の光が見え、切り替えた時の
    パワフルさがとても好きです
    そう、女性は強いのです!!!


    ゆっくりやれば大丈夫
    いつかはできるようになる



    今も主婦は一人ぼっちなのねぇ
    いつか笑って話せるから
    あなたの寂しかった日々が
    誰かの役に立つ日が来るから


    このセリフにとても救われました


    あーまた長くなってしまった笑

    • どんぐりさん
      bmakiさん

      コメントありがとうございます!!

      日々悪戦苦闘しながら
      子育てに追われております。笑

      もうちょっと頼る人がいたら、
      も...
      bmakiさん

      コメントありがとうございます!!

      日々悪戦苦闘しながら
      子育てに追われております。笑

      もうちょっと頼る人がいたら、
      もうちょっと頼る場所があれば
      変わってくると思うんですけど
      本当に孤独に戦ってる気持ちになります。
      全てがギリギリで回ってます。

      何も知らない親父たちに読んで欲しいー!
      もっと知って欲しいです。


      共感しすぎて
      お返事まで愚痴っぽくなってしまいました、
      すみません。。笑

      2023/12/22
    • bmakiさん
      毎日、毎日、本当にお疲れさまです!!

      自分の時間欲しいですよね!!
      ほんの数分だってままならないですもんね。

      休日無く働くママさんたちが...
      毎日、毎日、本当にお疲れさまです!!

      自分の時間欲しいですよね!!
      ほんの数分だってままならないですもんね。

      休日無く働くママさんたちが、ほんの少しでも自由な時間が持てたらいいのに。

      少しでも気分転換出来る時間があるといいのに。

      そんな時に投げかけられる、

      『忙しいのは今だけだから、子供が大きくなれば楽になるよ!』

      うるせーーーー!!!
      今が大変なんじゃーーーーー!!!!
      休みをよこせーー!!!

      ってキーーーーーー!!!!!!!!
      ってなった頃を思い出しました(^◇^;)
      2023/12/22
    • どんぐりさん
      ありがとうございます(T-T)

      めっちゃわかりますー!!!
      ホント今が大変なじゃー!!!って感じです笑


      でもこうやってわちゃわちゃやれ...
      ありがとうございます(T-T)

      めっちゃわかりますー!!!
      ホント今が大変なじゃー!!!って感じです笑


      でもこうやってわちゃわちゃやれるのも
      今だけだよな、と
      たまに噛みしめたりもしてます。笑
      それはだいたい夜で
      次の日の朝になるとまたキーーってなってますが笑


      息抜きに本を読んで過ごしています(^^)
      2023/12/23
  • 主婦という仕事
    ゲームオーバー
    紫陽花
    マンションの屋上
    眠気を放つ
    七夕

    ひとりじゃない、ひとりにしない
    子を持つ、子を持たない母と父の言葉にならない叫びが聞こえてきた
    泣きました
    図書館本

  • 「ゲームオーバー」
    呻くような声がした。

    ✍︎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    2歳の苺の母で専業主婦の詩織。
    ママ友が出来ず、常に苺と二人きり。夜遅く帰ってくる夫とは日々の会話もままならない。ある理由から実家とも疎遠になっている。

    3歳の息子と生後半年の娘を持つ多忙なワーキングマザーの礼子。夫に家事を頼めず、子供が熱を出せば 仕事を休むのは礼子のほうだ。

    外でバリバリに働く妻と 1歳の娘を持つ達也。
    エリート公務員。 「完璧な家族計画」のため、2年間の育児休暇を取り家事や育児をこなす。幼い頃のトラウマから 自分の娘を厳しくしつけている。

    小児科医の夫と結婚し、病院の受付を手伝っている晶子。なかなか子どもが出来ず 日々 姑や年寄りの患者からプレッシャーをかけられている。


    家事、育児、仕事、、、。
    子どもの夜泣きで寝不足でも、家と職場と託児所をヘロヘロになりながら通っても、目の前のことを何とかこなす毎日。そして 数時間後には また同じ朝がきてしまう─。

    子どもが小さかった頃は、この辛い日々が 永遠に続くんじゃないかと感じて怖かった。

    隣の芝は青く見える。
    自分の悩みを誰に打ち明けていいのかわからない。
    仕事をしている、していない。

    1番辛いのは 自分が「孤独」だと思っていること。

    誰でもいいから話を聞いて欲しい。
    「ゲームオーバー」になる前に。

    子育てを経験した(している)お母さん、お父さんは この物語の誰かに自分を重ねちゃうんじゃないかな。

    • みんみんさん
      今になってみると子供が子供の頃にもう一度会いたいんだよね…夢見ると嬉しくて泣けます(〃ω〃)
      今になってみると子供が子供の頃にもう一度会いたいんだよね…夢見ると嬉しくて泣けます(〃ω〃)
      2023/05/10
    • ゆーき本さん
      うんうん。あの頃の子どもたちを思いっきりギューーーーっとしたい。
      当時は いっぱいいっぱいで「早く大きくなってくれ」としか思えなかったけど。...
      うんうん。あの頃の子どもたちを思いっきりギューーーーっとしたい。
      当時は いっぱいいっぱいで「早く大きくなってくれ」としか思えなかったけど。 あんなに可愛くて愛おしい時期はあっという間に過ぎちゃうんだなぁ。
      2023/05/11
  • ★4.5

    家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。
    娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。
    幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、
    性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。
    二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー
    医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。
    外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。
    誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、
    自分にできることを考え始める――。


    全然知らなかった…。気付いていなかった…。
    専業主婦が絶滅危惧種になっているなんて、
    都会の昼間の住宅街や公園に子供を連れた主婦がいないだなんて、
    老人ばかりだなんて…。
    専業主婦も孤独で孤独で死にたくなる程悩んでいて、
    子供を育ててるワーキングマザーも時々ブラックアウトする位疲弊している。
    家庭の数だけ、それぞれの家族の形があり、
    本当の姿なんて外から見るだけじゃわかんない、悩みなんて見えない。
    それなのに、違う立場の人を羨んだり、見下したり、攻撃したり。
    皆がそれぞれの悩みを抱えて苦しんでいるのにね。
    閉塞感に読んでて苦しくなりましたが、苦しくなる程
    家事に育児に苦しみもがいている人達のリアルな姿が描かれていた。

    テレビでは頻繁に少子高齢化問題や待機児童問題が声高に語られているが、
    子供を産むと働き辛くなる環境。
    行政側もリアルな姿をしっかりと認識して改善して欲しい。
    家事や育児に協力的でない夫(-`ェ´-怒)
    共働きでどうして女性がメインで家事をしなくてはいけないのだろう。
    家事は主婦がやって当たり前と思っている人が老若男女問わず多いと思う。
    昔とはあらゆることが変わったのにね。

    たかが家事。されど家事。
    手を抜いたっていい。休んだっていい。
    終わりのない仕事です。
    誰もが考えなければならない事ですね。

    一人で頑張っている人達に読んで欲しい。
    いや一人でも多くの人に読んで欲しい一冊でした(*´ `*)

  • ある意味、とても怖い話だった。
    自分の考えを貫く詩穂は偉いし、そんな詩穂のことを受け入れられた周りの人もすごいな。

    自分も専業主婦に憧れていたときもあった。(今でも憧れてはいるけれど。)ただ、大人になって分かったのは、自分が家事がとても向いていないということ。子どもが欲しかったけれど、現代のママさんやこの本でのことを考えると、とても自分には育てられそうにないかな・・

  • 小さい子供を抱えた専業主婦、バリキャリのワーママ、高学歴エリート育休パパ、それぞれの苦悩や葛藤が描かれています。追い詰められてる感じがリアルで、ギュッとなりました。お話としても面白く、一気読みでした。
    専業主婦の詩穂は高齢の先輩主婦に、ワーママや育休バパは詩穂に救われる。育児の大変さは変わらないけれど、気持ちを吐き出したり共感し合えたりする相手がいれば生き延びられる。なんでもそうだけど、1人で抱え込まないのが大事ですね。

  • 対岸の火事ではなくて、対岸の家事かぁ(笑)

    対岸の彼女ともまた違って、バリバリ正社員で主婦で母の私でも、かなり楽しく読ませて頂いた。

    絶滅危惧種の専業主婦かぁ。
    育児、家事を担う専業主婦の仕事量は、正直会社員の何倍も大変なのではないかと思っている私は、専業主婦に敬意があっても軽視する気持ちは無い。

    現在の日本の女性を、主婦、ワーキングマザー等、色々な立場から代弁してくれている、非常に清々しい作品。

  • 家事の報われない辛さを
    本音でぶつかって 現状を判ってもらう
    でも それも結果的には
    あふれそうなコップから
    ほんの少しの救いなんですよねぇ
    本当に「対岸の家事」は
    火事よりは 他人事じゃないよなぁ
    と思える面白い内容でした

  • 登場人物全員極端!だけど、そうなの。そうなの。

    この本を手に取った読者は少なからず、詩穂ちゃんや中谷パパやお隣のワーママのようなところを持ってる。家事を馬鹿にしがちであったり、自分ならできると謎の自信を持っていたり、専業主婦であることを迷いを持っていたり。それに、囚われのお姫様は言い過ぎかもしれないけど、誰でもきっと年寄りの監視に苛苛する部分を持っている。

    この登場人物たちの特性を部分部分を組み合わせたところが私!というか読者のみなさん!ってことなんだと思う。


    詩穂ちゃんの「責任という言葉は好きじゃない」っていうくだりは個人的にとても共感した


    このあと本作者の『わたし、定時で帰ります』を読みます!!

  • ため息が出た
    もし今、私が20代で
    この本を読んだら
    ずっと独身でいたくなってしまうかも
    子供欲しくても産みたくなくなるかも
    私には無理だぁーて叫んでるな

    この本2018年発行とあるから
    現在もっと辛さが増しているかもしれないし

    日本の少子化対策
    遅すぎる











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著者プロフィール

東京都中野区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2009年、『マタタビ潔子の猫魂』(「ゴボウ潔子の猫魂」を改題)でメディアファクトリーが主催する第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、作家デビュー。13年、『駅物語』が大ヒットに。15年、『海に降る』が連続ドラマ化された。現代の働く女性、子育て中の女性たちの支持をうける。主な作品に『賢者の石、売ります』『超聴覚者 七川小春 真実への潜入』『真壁家の相続』『わたし、定時で帰ります。』など。

「2022年 『くらやみガールズトーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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