神に守られた島

著者 :
  • 講談社
3.59
  • (20)
  • (25)
  • (34)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 276
感想 : 42
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065122051

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  戦時中の話だと言うのに「沖永良部島」の気候と地元の方言により、ほんわかとした、おだやかな気持ちになれました。
     また、子供目線で書かれており、その事も悲惨さが薄れていったのかも知れません。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    沖永良部島―沖縄のすぐそばにある小さな島は、大戦末期、米軍機による激しい攻撃を受けた。戦況が厳しくなっていくなか、島のこどもたちは戦争を肌で感じつつも、いきいきと過ごしていた。そんなある日、島に特攻機が不時着するという事件が起きる。

  • 戦争中の沖永良部島という設定でした。
    ちょっと島言葉がわかりにくく、わかりづらい部分で
    感情が入りきらないようなところがあり残念な感じです。
    でも、淡々とした子供たちの日常と戦争が描かれていると
    思いました。

  • 沖縄のすぐそばにある沖永良部島という小さな島の中で、大戦末期、戦後がマチジョーという少年の目を通して描かれる。子供の目線でのリアルな暮らし。
    不時着した特攻隊員の本当の気持ちの件は、実際に、志願していなくとも特攻で散った若い命もあったんじゃないかと思うと、どんな気持ちで・・・と胸が締め付けられる。
    こういう本を読んだり、映画を観たりするといつも思うことは、戦争は終戦の日で終わりではなく、戦争が終わってからの生活が本当に大変だったんだということ。
    家も畑も牛も手離して島を離れることになったマチジョーが、いつか大きくなって島に戻ってカミにまた会えることを強く願った。

  • 私が育った島。地名も言葉も懐かしい。
    私はこの本を読みながら、祖母がまだ認知症が進む前に、話してくれたことを思い出した。
    この主人公のお姉ちゃんのように、越山に防空壕を堀りに通った、その帰りに米軍機が見えて、心臓が飛び出すかと思うくらい恐かった、と少し怒った声で話してくれた。
    断片的に聞いただけでも、嫌な思い出だろうな、と想像していたけど、この本を読んだら、初めて、その恐怖や本当はこの島も戦争で沢山の恐い経験をさせられたんだ、と胸が熱くなった。それでも、まだまだ本当の怖さは分かっていないと思う。
    でも、読まなかったら、おばあちゃんの辛い経験を本当に知ることはできなかった。
    中脇初枝さん、なんで、こんなに忠実に島のあの時代のことを自分が経験したかのように書けたのだろう、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

  • 戦中、そして戦争直後の、沖永良部島の少年マチジョーから見た、世界のお話。
    世界と言っても、島の生活、友人関係、淡い恋など、子どもの世界が中心に描かれているのが良かった。そういう生活の中に、戦争というものが、どんな風に影響していったのかが、興味深かった。

    島を出た後、彼らがどんな人生を送ったのか、フィクションながら心配になる。
    「だまされた」という言葉が、重かった。そして、また「だまされはじめているのかもしれない」今、現在生きているこの自分達も、と思った。
    どうかマジジョーが、ちゃんと大きくなれて、島にもどってカミと会えますように、、、と願わずにはいられない。

    それにしても、中脇初枝さんの作り出す子どもの世界は瑞々しいな。決して楽しい明るい素敵なものだけじゃないけど、辛くて悲しいことだけでもない所が、とても好きだ。明暗、そのバランスが、素晴らしく心地よい。

  • 「世界の果ての子ども」が動ならこちらは静。
    悲愴感はないけど静かに遣る瀬無く、でも読後感は優しく哀しく。

  • もっと展開していくかと思っていました。
    その後が気になります。

全42件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

徳島県に生まれ高知県で育つ。高校在学中に坊っちゃん文学賞を受賞。筑波大学で民俗学を学ぶ。創作、昔話を再話し語る。昔話集に『女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし』『ちゃあちゃんのむかしばなし』(産経児童出版文化賞JR賞)、絵本に「女の子の昔話えほん」シリーズ、『つるかめつるかめ』など。小説に『きみはいい子』(坪田譲治文学賞)『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』『神の島のこどもたち』などがある。

「2023年 『世界の女の子の昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中脇初枝の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮下奈都
三浦 しをん
村田 沙耶香
川越 宗一
三浦 しをん
宮部 みゆき
門井 慶喜
凪良 ゆう
小野寺 史宜
今村夏子
伊坂 幸太郎
寺地 はるな
佐藤 正午
真藤 順丈
伊吹 有喜
原田 マハ
横山 秀夫
辻村 深月
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×